子どもの花粉症が増えている!
対策や症状、風邪との見分け方

花粉症の子ども

近年、増えていると言われる子どもの花粉症。一見、風邪の症状とも似ているため、気づきにくい場合もあるようです。子どもの花粉症を見逃さないために、原因や症状、日常生活の中でできる対策などをハピコワクリニック五反田院長の岸本久美子先生に伺いました。

<教えてくれた人>
岸本久美子先生

岸本久美子先生
医療法人社団ハピコワ会 理事長、ハピコワクリニック五反田 院長、田町三田駅前内科・呼吸器内科・アレルギー科 統括院長 


子どもの花粉症が増えている原因は?

花粉症は、アレルギー疾患(アレルギー反応が引き起こす病気)の一つです。年々、大人だけでなく、子どもの花粉症も増えています。それは、昔に比べて花粉の飛散量が増えているからです。都会では、花粉が飛んでいないように見えても、実は飛散していて、花粉はビルやアスファルトに当たって割れてしまうと、アレルゲン性が高まり、アレルギー疾患を発症するリスクも高まってしまうのです。

2~3歳で花粉症になってしまうケースも珍しくはありません。アレルギーは遺伝も関係するため親やきょうだいが花粉症の場合や、もともとアレルギー体質の子どもは、発症リスクが高くなる傾向にあるでしょう。

なお、子どもの場合、アレルギー疾患自体が増えています。近年、住宅環境の気密性が高くなり、カビやダニが発生しやすくなったことや、衛生環境がよくなりすぎて、ウイルスや細菌に対する免疫力が育まれないことなどが原因です。


花粉の飛散時期を知っておこう

花粉の飛散時期

花粉症は春に発症するというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、花粉の中でもヒノキとスギは飛散量が多く、2月くらいからスギ花粉が飛散し、少し遅れてヒノキ花粉の飛散がはじまります。6月くらいまで花粉は飛散し、その期間に花粉症を発症します。子どもの花粉症も春になるケースが多いと言えるでしょう。

けれど、花粉症の原因は、ヒノキやスギ花粉だけではありません。ブタクサやヨモギのように8月~10月にかけて花粉を飛ばす草花もあります。夏の暑さが続くと、それらの花粉が飛んでいる期間が長くなってしまうため、近年は秋に花粉症を発症してしまう子どもも増えています。
その他、カバノキ科(ハンノキ、シラカンバなど)の植物は4~6月、イネ科(カモガヤ、ホソムギなど)の植物は5~9月に花粉が飛散します。

花粉の飛散時期は、地域によって多少異なるので、日本気象協会などの情報を参考にするといいでしょう。


花粉症の症状、風邪との見分け方は?

花粉症になると、主に下記のような症状が見られます。
・目のかゆみ
・くしゃみ
・鼻水、鼻づまり
・皮膚のかゆみ、赤くなる、発疹がでる

子どもの場合、目のかゆみや鼻づまりになりやすく「目や鼻をしきりにこする」「顔をしかめる」「鼻をすする、鼻血を出す」などが続くと、花粉症になっていることがあるでしょう。

花粉症の症状は、風邪の症状とも似ています。風邪か花粉症かを見分けるには、鼻水をチェックするといいでしょう。花粉症の場合、鼻水は、水っぽく、サラサラしていて、透明から白色に近い状態です。一方、風邪による鼻水は、黄色や緑色で、ねばねばし、発熱や咳などを伴っていることもあるでしょう。風邪の場合は、1~2週間で症状は軽くなりますが、花粉症の場合は症状が長く続きます。毎年同じ時期に鼻水が出たり、目のかゆみや皮膚の症状がある場合も、花粉症の可能性があるでしょう。

花粉症はアレルギー性鼻炎の一つです。アレルギー性鼻炎には、季節性と通年性があり、花粉症は季節性のアレルギー性鼻炎になります。一方、通年性のアレルギー性鼻炎は、主にハウスダストやダニが原因で、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状が時期を問わずに発生します。通年性と季節性のアレルギー性鼻炎を併せ持つ場合もあります。


花粉症かな…と思った時は

花粉症の子ども

先に挙げた症状が見られたり、子どもが花粉症になったかなと思った時は、小児科またはアレルギー科を受診しましょう。目の症状が強い場合は、眼科で診てもらうといいでしょう。

医療機関では、花粉症の症状を緩和する治療がメインになります。花粉症だと診断されると、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬といった内服薬が処方されます。鼻の症状の場合は、鼻水が出るのか、鼻が詰まっているかにより薬が異なります。内服薬は、シロップや粉薬、錠剤があり、年齢が上がるにつれて、選べる種類も増えていきます。

点鼻薬や目薬などに対応できる子どもには、症状に応じて処方されます。いろいろなアレルギーを持っている子どもには、点鼻薬や目薬など局所のステロイド薬が処方される場合もあるでしょう。


子どもの花粉症の症状をそのままにしていると…

花粉症の症状が出ているのにそのままにしておくと、鼻や目など各部分の炎症が強くなってしまいます。とくに鼻水は、鼻水の成分に花粉が溶けて反応すると、アレルギー性が強まるため、花粉症がひどくなってしまう場合があるのです。鼻づまりが長く続いてしまうと、やる気がなくなり、勉強やスポーツのパフォーマンスに影響したり、夜、寝られないこともあるでしょう。

また、皮膚の症状が出ているのに放っておくと、子どもは大人より皮膚が薄いため、とびひになってしまい、抗生剤が必要になってしまうことも。症状を悪化させないためにも、花粉症かなと思った時は、一度医療機関で診てもらうようにしましょう。


日常生活の中でできる子どもの花粉症対策

子どもの花粉症対策

子どもが花粉症になってしまったら、生活の中で「花粉を浴びさせない」「肌に触れさせない」「体内に入れさせない」ように心がけることが大切です。

花粉の飛散時期、家の換気は、花粉の飛散量が少ない時間帯に行うようにしましょう。花粉の飛散量は時間帯によって違いがあり、比較的、午前中は花粉の飛散量が少ないと言われています。地域により差はあるものの、スギ花粉は昼前後と日没後に多く飛散する傾向があるため、この時間帯の換気は避けたほうがいいでしょう。また、寝具は外干しせずに、室内に干すようにしましょう。

花粉は、埃がたまっているところにつきやすいものです。照明の傘の裏や窓の枠など、埃が溜まりやすい場所は、こまめに掃除をするようにしましょう。カーテンなど布製品にも花粉がつきやすいので、可能であれば洗うことをおすすめします。花粉に対して有効な空気清浄機も、部屋の広さに応じて活用するといいでしょう。室内が乾燥していると花粉が舞いやすくなってしまうので、加湿器などを用いて40〜60%の湿度を保つようにすることも大事です。

花粉を室内に持ち込まないためには、帰宅したらすぐに花粉を洗い流すことが重要です。子どもの場合、手洗いも有効ですが、帰宅後はお風呂場に直行してシャワーを浴びさせるといいでしょう。

花粉が飛び始める2月頃は、まだ寒いのでボアのジャンパーを子どもに着せている場合もあるのではないでしょうか。ボアの素材は花粉がつきやすいので、花粉症の子どもには避けたほうがいいでしょう。おすすめは、ナイロン素材です。ナイロン素材なら、花粉がつきにくく、ついた花粉も払いやすいからです。

子どもは、皮膚がやわらかく、大人の半分ほどしか厚さがないので、経皮感作(けいひかんさ)と言って、肌が荒れていると、皮膚からアレルゲンを取り込み、アレルギーが強くなってしまう場合があります。保湿をすることで、皮膚のバリア機能が整うので、外出する際は、しっかりと保湿をすることも大事です。子どもは肌がすべすべしているので、保湿を怠ってしまいがちですが、乾燥している場合も多く、アレルギーを持っている場合は、季節を問わず、スキンケアをしっかりと行うようにしましょう。

花粉症の治療は、主に先に述べたように薬での治療と環境の整備になります。環境整備は、花粉症予防にもなるので、花粉症でない方も花粉の飛散時期は取り入れるといいでしょう。


いかがでしたか?前編では、子どもの花粉症の症状や風邪との見分け方、日常生活の中でできる対策などをお届けしました。後編では、鼻水や目のかゆみなどの対処法、花粉症治療「舌下免疫療法」についてご紹介します。

取材・文:サカママ編集部 取材協力:岸本久美子(ハピコワクリニック五反田院長)

この記事のタグ

あわせて読みたい

前へ
次へ

新着記事

前へ
次へ