前編

仕事も子育ても趣味も
まずは自分から楽しむことを大切に

長谷川 久美子さん(滋賀県在住)

大学3年生の長男、高校3年生の次男、高校1年生の長女をもつママ。電機メーカーの開発職を経て、結婚を機に退職し、事務職や看護助手のパートを経験。2016年3月にくもんの先生として第1教室、2023年4月に第2教室を開設。いつも明るく楽しみ、なんでもやってみることを大切にしています。

今回の自分らしく働くママへのインタビューは、子どもと関わる仕事への想いが再燃し、くもんの先生になった長谷川さん。仕事や子育てに対する根本的な向き合い方、家事の負担を減らすコツ、自分時間の使い方など、包み隠さず話していただきました。

やっぱり子どもと関わる仕事がしたい
自分の正直な気持ちと向き合った

大学では電気機器の電源の研究を行い、卒業後は電機メーカーに就職しました。液晶画面を表示するIC(集積回路)の開発に携わっていたんですが、なかなかハードな現場でずっとは続けられないなと思い、結婚を機に退職。その後は事務の仕事をして、長男が幼稚園に入園する頃からはクリニックの看護助手のパートをしていました。KUMONとの出合いも、ちょうどその頃です。学生時代の友人がKUMONに勤めていて、「小さいうちから通わせた方が良いよ」とおすすめされて入会することに。勉強という感じではなく、楽しみながら学んでいる長男の姿を見て、次男も長女もKUMONに通わせることにしました。

実は私、昔から幼稚園の先生になりたかったんです。そんな夢を抱きつつも理系の道に進んだのですが、KUMONを通じてわが子の成長を感じていたことで、やっぱり子どもと関わる仕事がしたいという想いが再燃。独学で保育士の免許を取得しようと考えていると、わが子がお世話になっているくもんの先生から「指導者になってみない?」と誘われたんです。長女が小学校に入学するグッドタイミングでのお誘いでしたし、あまり深く考えずにすぐに引き受けましたね。夫やわが子の反応も「良いんじゃない」という感じで、近所に住む義母が偶然にもKUMONの教室スタッフをしていたため、仕事への理解もあり、家事のフォローを約束してくれたことで、思いきって新しい世界に飛び込むことができたんです。

ただ、わが子の保護者としてくもんの先生とは接してきましたが、私自身がこれから保護者の方々とうまくコミュニケーションをとれるか、子どもたちへの指導ができるかなど、いろんな不安もありました。でも、説明会や研修などで同期になるくもんの先生たちとお互いの不安を分かち合うことで、少しずつ解消していったんです。これは私の性格にも関係していますが、昔からすごく楽天的で…(笑)。まずは「なんでもやってみよう!」という気持ちが先行する性格が幸いしたのかもしれません。そして、わが子が通う校区内の教室を引き継ぐカタチで、2016年3月に教室を開設しました。

きちんと区切りをつけて仕事することで
気持ちの切り替えもうまくいく

看護助手のパートはわが子が学校に行っている間に働いていましたが、くもんの先生の場合、教室のある日は夕方からがメインのため、仕事をする時間が大きく変わりました。開設当初は長女が寂しがっていたため、学校から直接教室に来てもらって出迎える工夫も。また、教室時間以外はスケジュールを自由に組み立てられるようになったことで、参観にも出席できたり、教室の準備と行事が重なった時は教室スタッフにお願いして参加できるようにしたりと、時間に融通を利かせられるのは本当に助かりまたね。パート時代は休ませてくださいとお願いするのも、やっぱり気を遣っていたので。

仕事と家事の両立の部分で言えば、基本的に仕事は家に持ち帰らないようにしています。教室を開設したばかりの頃は教材の準備などにも慣れておらず、家ですることも多くなり、仕事がエンドレスな状態でした。メリハリがつかないと気持ちの切り替えもできないので、思いきって「今日はここまでにする!」と決めるようにしたんです。KUMONのことは常に頭のどこかにありますが、仕事にはきちんと区切りをつけ、家に帰ったらオフの状態を保つことで、精神的にラクになるなと。それが、仕事と家事を両立させる私なりのコツですね。

また、家事では食材配達を利用しているのもポイントです。月曜日から金曜日の夕食は食材配達で届いた献立の具材をぱぱっと調理し、準備にかかる時間も20分ほど。献立が決まっているから毎日悩まずに済みますし、普段の買い物は朝食やお弁当用の材料だけなので、時間もグッと短縮できるんです。週末は自分で作る時もありますが、料理好きの夫が作ってくることも多く、家族で外食に出かけたりするため、家事の負担はかなり軽減されていますね。昔から子どもたちには「手伝ってくれると助かるなぁ」と伝えていたので、米炊きやお風呂掃除などは率先してやってくれるようにもなりました。なんでも一人でするのではなく、家事も割り切って分担し、家族に支えてもらえる体制を作ることで、仕事との両立が図れていると思います。

子ども扱いせずに、一人の人間として接する
くもんの先生になって、その想いはより明確に

私には三人の子どもがいますが、同じように育てているつもりでも、本当に性格も考え方もそれぞれ違います。だからこそ、子育てで大切にしているのは個性を尊重して、子ども扱いせずに一人の人間として接し、全てを受け止めるようにすることです。くもんの先生になってたくさんの生徒さんを見てきたことで、その想いはさらに明確になったと思います。例えば何かしでかした時も頭ごなしに怒るのではなく、「なぜそうしたのか」「どう思っているか」などをきちんと聞き、対等な目線で話すようにしてきました。やっぱり自分の考えを自分の言葉で話すことが大事ですし、話し合いの場を持てるようにもなるので、成長した今でも意識するようにしていますね。

おかげでコミュニケーションもしっかりと深めることができ、自立の後押しにもなっていると感じます。長男は大学に進学して私の実家に下宿していますが、高校球児の次男とテニスに励む長女は一緒に暮らしているので、週末に試合がある時は応援に駆けつけるのが恒例です。そうやって子どもの成長を見守る時間を大切にしつつ、週末やオフの時は自分のための時間もしっかりと楽しむようにしています。愛犬と散歩したり、一緒に戯れている時は私にとっての癒しの時間ですし、あとは推し活です。昔からずっとファンのアイドルがいて、イベントや舞台があると必ず会いに行っています。いつもウキウキ楽しそうに出かけるので、子どもたちは「え〜また行くの〜?」という感じで私を見ていますね(笑)

仕事も子育ても趣味の時間も、まずは自分から楽しむことが一番大事だと思うんです。私は自分が楽しくないと周りも楽しめないと思っているので、いつも明るくしていれば周りも明るくなるかなと。だから、まずは自分が楽しむことに全力なんです。これも楽観的な性格に起因しているんでしょうけど、いつまでもそんな女性でありたいと思っています。

撮影:栗原 康 イラスト:宮城 奈月  文:前出 明弘

あわせて読みたい

前へ
次へ

新着記事

前へ
次へ