料理がしやすく、時短も叶うキッチンの整理・収納術
【整理収納アドバイザー水谷妙子さんに学ぶ】

整理収納アドバイザー水谷妙子さん

忙しい毎日のなかで、育ち盛りの3児の子育てをしている整理収納アドバイザー・水谷妙子さん。毎日使うキッチンで快適に料理をするために、片づけのプロである水谷さんが重視しているのは「探さない」「出し入れしやすい」こと。また、使いやすいということは作業の時短を叶えるだけではありません。ものが定位置にきちんと戻りやすいので、綺麗な空間をキープすることにも繋がります。さっそく、水谷さんが実践しているキッチンの整理・収納のアイディアをご紹介します。

<教えてくれた人>
整理収納アドバイザー・水谷妙子さん

整理収納アドバイザー水谷妙子さん

無印良品を運営する株式会社良品計画の生活雑貨部企画デザイン室に13年間所属し、主に生活雑貨の企画・デザインを行ったのち、整理収納アドバイザーへ転身。5人家族が整う片づけ&モノ選びを発信している著書やSNSが大人気。10歳8歳6歳の3きょうだいを子育て中。
https://taekomizutani.com/


アイディア #01
ものを「最短で」取れる配置にする

キッチンの整理・収納術
▲水谷家のシンクとコンロの間にある作業台下、上段の引き出し。水切りネットは、小さめの収納ケースに輪ゴムを2本付けて、輪ゴムの間から取り出すようにすると1枚ずつ取り出せる。真似したいアイディア!

キッチン備え付けの収納は、シンク下の収納、コンロ下の収納、引き出しタイプや観音扉タイプなど、さまざまな環境に分かれています。どんな収納でも、使う場所とシーンに合わせて、できるだけ大きな動作をせず、ワンアクションで出し入れできる仕組みづくりをすると、作業が効率的になると話す水谷さん。

「調理中も最短移動で済むように、ものの収納場所とそれを使う場所の距離は、1歩でも10cmでも、近づける努力をします。例えば、シンクでよく使う水切りネットやポリ袋は、引き出しを全て開けず10cm引けば取り出せるように、引き出しの最前列に収納しています。まずは、よく使う場所から最も手が届きやすいところに収納することを心がけましょう。その際に、自分のクセや普段の動線も考えながら決めると、さらに使い勝手が良く、片付くキッチンになりますよ」


アイディア #02
見えるから探さない!
収納内は一目でわかるように

キッチンの整理・収納術
▲水谷家のシンク下、下段の深い収納。写真奥が、ジッパー付き袋や食品袋用のクリップを収納しているところ。

水谷さんによると、各収納の中身を普段どの角度から見るのかを考えながら、整理していくといいのだとか。例えば、シンク下などの深い収納なら、「上から」見ることになります。中身が一覧できるように、ファイルボックスなどで空間を仕切り、さらに小さいものを入れる場合は埋もれないよう底上げするのがおすすめです。また、観音扉タイプの収納は「正面」から見ることになります。なので、できるだけ浅め、かつ半透明の収納を使うと、中身が見えやすくなります。どの収納内も「探さないこと」を意識すれば、使うときに出し入れもしやすく、在庫チェックも一発でできると話します。

「食品袋用のクリップやジッパー付き袋は、子どもたちもよく使うものなので、子どもが1人で取り出せるように場所や入れ方を工夫しました。また、食品のパッケージや洗剤などのラベルは、ごちゃっとして見えるかもしれませんが、できるだけ隠さないようにしてください。ストックの買いすぎ防止にもつながりますよ」

・POINT・
フタ付きの収納を上手に使い分けよう!

キッチンの収納ケース

収納ケースのフタは、密封することで、湿気やほこりから守り、ニオイ移りを防ぐためのものなので、きちんと使い分けをすることが大切だと話します。逆に言うと、フタをする必要がないものには、中身が一目で分かり、すぐに取り出せるフタなしのケースを使うようにするといいそうです。

水谷家では、個包装されたティーバッグ類はフタなしのケースに。個包装ではない麦茶のパックは、片手で開閉できるフタ付きのケースに。麦茶のパックは買った時の袋から全て取り出し、あらかじめ切り離して、片手で取り出せるようにしています。


アイディア #03
調理道具やフライパンは自立させる

調理道具の整理・収納術
▲コンロ下の収納。使用頻度の高いものを、作業台やコンロにより近いところに収納する。

水谷家のコンロ下の収納には、よく使うフライパンや鍋、お玉やフライ返しなどの調理器具が入っています。ここでは仕切りスタンドなどを使い、1マスに1つを収納。多くの場合、この収納内では、フライパンやお鍋を重ねがちですが、できるだけ1つずつ立てて収納すれば、片手でサッと取り出せます。

「使用頻度の高いものを厳選し、作業台に近いところに収納しています。調理器具も、ツールスタンドなどにまとめて入れてしまうと、取り出すときに絡まってしまい意外と取りにくかったりします。この引き出しの他にも、使用頻度の低いお鍋やフライパンなどをしまっている引き出しもありますが、その引き出しの中は重ねてたくさん収納しています」


アイディア #04
お弁当セットは、1つにまとめておく

お弁当グッズの整理・収納術

毎朝使うお弁当グッズ。水谷さんは、お弁当箱をはじめ、お弁当で使うピックやおかずカップ、抜き型など、一式全てまとめて半透明のボックスへ収納しています。お弁当を作る際、このお弁当セットを取り出して作業台におけば、使うものをすぐ選ぶことができるからだそう。

「朝はとにかく忙しいので、お弁当グッズをあちこちから取り出す手間を省きたくて、この方法になりました。使ったあとの、片付けもスムーズです」


アイディア #05
省スペースで分別しやすい
縦置きのゴミ箱を使用

キッチンの整理・収納術
▲冷蔵庫と棚の隙間に収まる、縦置きタイプのゴミ箱を使用。奥行きも浅くて省スペース。

家族みんなが分別に迷わず、ストレスなくゴミ捨てとゴミ出しができることも、家が散らからないコツだと話します。水谷家では、スペースを考慮し、縦にスッキリと収納できるスリムなゴミ箱を使用しています。全5段で上から、ペットボトル、プラスチック、可燃ごみ、生ごみ、プラスチック(予備)。捨てやすい高さで決定したそうです。

「開閉はワンプッシュ式で、片手でもゴミを入れられるのが使いやすいポイントです。また、使用済みの乾電池などの不燃ごみは、玄関の収納内に小さなケースを設置して管理。こまめに捨てられるようにしています」


水谷さんに教えていただいたキッチンの整理・収納術を実践して、忙しくてもきちんと片付く、快適なキッチンを目指しましょう!

最終回は、水谷さんのところにも多くのお悩みが寄せられる「子どもが持ち帰ってきたプリントと大人の書類」について。水谷さんが実践している整理・収納アイディアを教えていただきます。

撮影/川村恵理 編集・文:阿部里歩

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