後編

一人ひとりのできることを増やして
子どもたちの好きなことや夢が広がるように

長谷川 久美子さん(滋賀県在住)

くもんの先生

大学3年生の長男、高校3年生の次男、高校1年生の長女をもつママ。電機メーカーの開発職を経て、結婚を機に退職し、事務職や看護助手のパートを経験。2016年3月にくもんの先生として第1教室、2023年4月に第2教室を開設。いつも明るく楽しみ、なんでもやってみることを大切にしています。

インタビューの後編では、くもんの先生のことについて語っていただきました。教室を開設した当初の不安や子どもたちと向き合う中で実感したやりがい、自身の成長や夢の話など、長谷川さんが抱くたくさんの想いをお届けします。

子どもたちの表情を見逃さないことで
一人ひとりにあった成長が描ける

私は前任の先生から引き継ぐカタチで教室を開設しましたが、いきなりバトンタッチするのではなく、事前に1ヶ月ほど教室で研修ができたので安心感が増しました。どんな生徒さんがいるのか、教室内の雰囲気はどうなっているのか、先生はどのように指導しているのかなど、リアルに体験できたのが良かったです。中学生の生徒さんもいましたが、長男が小学6年生になっていたため、接し方に不安を感じることもなかったですし、そのまま残っていただいた教室スタッフも心強い存在でした。でも、実際にくもんの先生として働き出してみると、慣れるまでは苦労もたくさんあったんです。一人ひとりの力に合わせて準備していく教材選びにも悩みましたし、生徒さんへの適切な声かけや対応も模索していたので、頭の中はKUMONのことでいっぱいに。だって、夢にまでKUMONのことが出てきて考えていましたからね。

ただ、それは不安から来るものではなく、ワクワクの裏返し。子どもたちの成長を見守り、支えていくのがくもんの先生としての役割なので、子どもたちを知っていくとともに迷いはなくなり、ワクワクがどんどん増していくんです。教材の準備では一人ひとりの姿を思い描き、「今日はこの問題にチャレンジしてほしいな」「あの子ならきっとできる」と、期待感を込めて考えられるようになりました。今では教材を準備する時間がすごく楽しみなんです。

そうやって準備した教材を自分の力で解き、喜んでいる表情を見ると、もう本当に嬉しくてたまりません。帰る時もウキウキしていますし、「じゃぁ、次はあの問題にチャレンジしてもらおうかな!」と、次に渡す教材のイメージもぐんと広がっていくんです。逆にちょっと疲れている様子の生徒さんがいれば、教材を準備する段階で考慮したりするなど、教室時間の生徒さんをしっかり観察しておくことで、一人ひとりに合わせた成長が描けると思っています。私自身も保護者としてわが子をKUMONに通わせていた経験があるので、保護者の方々には学習進度や教室での様子を細かく報告。成長する喜びを一緒に分かち合っていく、そんな関係が築けるようにしています。

いつも挑戦し続ける子どもたちの姿が
私に向上心を与えてくれた

わが子以外の子どもたちの成長を長く見守れるのは、くもんの先生ならではの醍醐味です。できなかったことができるようになる瞬間に何度も立ち会えますし、できることが一つひとつ増えていく度に、どんどん自信もついてく。そして、また次のことに挑戦していく姿には、いつも感動させられていますね。先日も小学4年生の生徒さんが小学6年生相当の教材をしている中で、初めての問題をじっくり自分で考えて解き進め、全て100点満点!すごく嬉しそうに「先生!見てー」と駆け寄って来てくれて、思わず私の喜びも爆発してしまいました。

先生によっていろんな褒め方があると思いますが、私はとことん褒めるタイプです。「すごい!すごい!もう天才だね!」と言うくらい。ちょっと過剰かもしれないけど、褒められた言葉や経験も自信に繋がってくれたらいいなと思っています。声かけは本当に大切で、例えば問題を解けずに困っている生徒さんには、「あの問題が解けているから、この問題もきっとできるよ!」「あなたならきっと解けると思って用意したから、頑張ってみて!」と、自分で考えて解けるヒントや気持ちが前を向くような言葉を意識して使うようにしているんです。

その言葉に触発されて一生懸命に取り組む姿からは、私自身も多くのことを学び、成長させてもらいました。実を言うと、元々の私は大きな変化を求めず、今のままで良いと思っているタイプだったんです。でも、くもんの先生になってからは、「もっとできることがある!」「もっとこうしていこう!」と、常に向上心を持って物事を考えられるようになりました。それも挑戦し続けている子どもたちの姿を間近で見ていたからこそ。2023年4月に第2教室を開設したのも、そういった背景があったからなんです。正直、2つの教室を運営することは簡単ではないですし、自分の生活がどうなっていくか不安もありましたが、挑戦する道を選びました。

誰もが気軽に、楽しく学べる
そんな教室へと育てていきたい

まさか私が2つの教室を運営することになるとは思ってもいませんでしたが、また新しい子どもたちと出会うことができ、毎日がいろんな発見と驚きであふれています。目指しているのは、地域の子どもたちがたくさん集まる教室です。誰もが気軽に来れて、楽しく学べる、そんな教室へと育てていくことが、くもんの先生としての大きな夢。これからも子どもたち一人ひとりのできることが増えていけば、結果的に地域に貢献できるかもしれないですし、子どもたちの好きなことや夢も広がっていくはずです。そのためにも、私は持ち前の明るさを振りまきながら、どんどんチャレンジを続ける先生でありたいと思っています。

私にとってくもんの先生は、子どもたちの成長をずっと見守る存在であり、これからも末永く続けたいと思う仕事です。教室を開設する時に研修で講話された先輩の先生は、こんなことを言っていました。「この前、KUMONの生徒さんの結婚式に呼ばれたの!」と。その話を聞いた時も素敵だなと感じましたが、今改めて私もそうなりたいと強く思うんです。そして、結婚した生徒さんがわが子を連れて教室に来てくれたら、どれだけ幸せなことか。想像するだけでワクワクが止まらないので、私も教室も地域にしっかりと根付き、子どもたちの成長をずっと見守り続けていきたいですね。

撮影:栗原 康 イラスト:宮城 奈月  文:前出 明弘

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