後編

子どもたちや保護者の“今”に寄り添い、
可能性をもっともっと広げたい

鈴木 愛さん(静岡県在住)

中学1年生の男の子と小学4年生の女の子のママ。大学で教員免許を取得した後、大手予備校に講師として就職。教育分野での仕事にやりがいを感じつつも、自身の人間力を高めるためにさまざまな仕事を経験し、2018年3月にくもんの先生として教室を開設。仕事と子育てを両立しながら、自分の時間も全力で楽しんでいます。

鈴木さんの後編では、くもんの先生として働き始めるキッカケや日々のやりがい、これから目指していきたい理想の教室像などにフォーカス。さまざまな仕事を経験した鈴木さんならではの視点や考えをお話いただきました。

鈴木先生05

「何でもやってみないとわからない!」という気持ちで

子育てと両立できる点とこれまでの経験が活かせる仕事だと思っていたので、下の子が2歳くらいになり落ち着いた頃からくもんの先生になることを考え始め、説明会にも参加していつでも教室を開設できる準備はしていました。そして、下の子が小学校に入学するタイミングでベストと思えるチャンスが訪れたんです。わが子の通っている校区でもあり、同じ生活圏内で、競合する塾も少ない。子どもの数も減少傾向ではあるものの、他の地域に比べるとまだまだ児童数が多い方だったので、新規開設の教室でもやっていけるはずだと。それに、ヤクルトの宅配スタッフで培った地域とのパイプも十分に活かせると思ったんです。

私自身はKUMONの経験者ではありませんでしたが、長男が幼稚園の年中から通っていたため、粘り強さや集中力が高まっていくという内面的な成長は実感していました。教材を通じて子どもたちの能力を伸ばしていくことのイメージが最初はなかなか湧きませんでしたが、「何でもやってみないと分からない!」という気持ちで臨むことにしたんです。塾の講師も経験していたので、甘いもんじゃないことは理解していましたから。一方で営業も経験していたので、PR活動においてはそこまで大きな不安はありませんでしたね。

また、保護者とのコミュニケーションを苦手に思う方々も多いかもしれませんが、私はそれが一番楽しいんです。私自身が相手のことをどんどん知りたいと思う性格で、話すよりも人の話を聞く方が好きだからでしょうか。保護者の方々の想いや考え、ニーズをお聞きするのが得意な方かなと。特に学習面の不安は誰しもが抱えているので、面談の時だけではなく、日常的にお話しして不安が積み重ならないようにしていますね。例えば小学1年生のお子さんを持つ方には、「夏頃になると疲れが溜まって教材の進み具合も遅れる可能性があります。家庭学習でのボリュームを少し減らしたり、ペースも考えながら一緒に頑張りましょうね」と伝えたり。お子さんにこれから起きるかもしれないことを予測してアドバイスするだけでも保護者の方は不安を解消できるので、そんな声かけを日頃から大切にしています。

鈴木先生 くもんの先生03

私も教室スタッフも、
成長を後押しするための指導ならどんどんトライするべき

他の先生たちもよくお話しされていますが、やっぱりこの仕事のやりがいと言えば、子どもたちの成長を間近で見られることですね。できないことができるようになったり、取り組む姿勢が変わったり、教室での日々にはたくさんの成長との出会いがあります。そうした瞬間を見逃さず、保護者の方々に伝えて喜びを共有する瞬間も、私にとっては大きなやりがいです。子どもたちの成長って本当にすごいですし、いつも刺激をもらっているので、自分も一緒に成長していける仕事だなと感じています。

くもんの先生はあくまでも成長をサポートする立場ですが、どうサポートするかを考えるためにも、やっぱり保護者の方々とのコミュニケーションは欠かせません。宿題ができていなかったらどう改善していくか、字が上手じゃない場合はどんな練習をすればいいか、保護者の方々にも必要に応じて提案していくスタイルでサポートすることを心がけています。実はその逆パターンもあって、私もまだまだ子育て真っ最中なので保護者の方々に相談し、教えてもらうことも多々あるんです。先生と保護者という関係ではありますが、親であることは同じなので、学び合っているという側面もあるのかなと思っています。

また、サポートするという点では、教室スタッフの皆さんにも同じスタンスです。主体的に働いてもらいたいのであえて細かく言わず、自分で考えて行動してもらえる状態になることを目指しています。一般的に言われた以上のことをするのに躊躇しがちな人も多いですよね。でも、トライしようとしていることは全て子どもたちのためなので、「保護者の方には私から説明するし、責任は私が持つから!」とスタッフさんには伝えているんです。私は、子どもたちの成長を後押しするための指導ならどんどんトライするべきだと思っています。これからもそのスタンスは続けながら、スタッフさんそれぞれが活躍できるステージをもっと用意してあげたいですね。

鈴木先生 くもんの先生04

子どもたちの可能性は、
意識の持ち方で大きく変わる

教室を開設した当初は「早期教育の重要性と、学習機会や進路選択の多様性を保護者の方々に伝えたい」という想いを胸に秘めていました。いろんな選択肢を知らないのではなく、知っている上で判断できた方が、子どもたちの可能性をさらに広げられると考えていたからです。私自身は幸いにもいろんな選択肢を知る機会に恵まれ、得られるものも大きかったと感じています。今もその想いは教室運営の根底にはあり、くもんの先生として、保護者の方々や子どもたちの気持ちに寄り添いながら、子どもたちの夢にアドバイスできる存在でありたいと思っています。

子どもたちの“ちょうど”を常にキャッチし、1人ひとりに合わせた学習をサポートしつつ、保護者の方々の想いや希望、期待に応えながら、不安や悩みを取り除くお手伝いをしたいですね。子どもたちには成長の実感を、保護者の方々には学習面での満足やお子様の成長への喜びを得てもらいながら、これからも教室で日々、指導実践を積み重ねていくことで、私が目指したい理想の教室へと近づいていくと思っています。

子どもたちの未来には、本当にいっぱいの可能性があるんです。でも、その可能性が広がるかは、ちょっとした意識の持ち方で大きく変わります。だからこそ今に寄り添いながら、少しずつでも子どもたちのやる気がアップするようにはたらきかけることがくもんの先生としての役目。これからも地域の方々に愛され、信頼される教室になれるように私自身も精進していくつもりです。そして、地域の子どもたちが確かな基礎学力と学習習慣を幼い頃から身につけ、内面的な成長を少年期に遂げられるようにしたい。自分に自信を持って明るい未来を歩んでいけるようにサポートしたい。それが、私の大きな目標です。

鈴木先生06

撮影:栗原 康 イラスト:宮城 奈月  文:前出 明弘

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