後編
自分の力で乗り越えるから実感できる、たくさんの成功体験を子どもたちに(後編)
山本 美智子さん(大阪府在住)
9歳の女の子と5歳の男の子のママ。学生時代から続けているフットサルは今も現役で、趣味はドライブやカフェめぐり。2010年10月に自身が通っていた教室を引き継ぎ、くもんの先生に。
第1回目の後編は、山本さんの「くもんの先生」としての一面に迫ります。
子どもたちの成長を目の当たりにする毎日には、素敵な瞬間がたくさんあるそう。
一人の女性としての生き方、働き方についてお話いただきました。
子どもたちと一緒に成長する、その思いが不安をかき消した
私は昔からKUMONを学習していて、実は母もくもんの先生をしていたんです。私が通っていたのは母の教室ではありませんでしたが、幼い頃から身近に感じていた仕事だったんだと思います。前職の面接の際には「結婚して出産後は、子育てと両立できる仕事がしたいので、くもんの先生になるつもりです」と、宣言してしまうほど。
そして、長女が2歳のとき、その通りの道を進むことになりました。偶然にも幼い頃からお世話になった先生の後任というカタチで、通っていた教室を引き継ぐことになりました。素敵な縁を感じましたし、ますますやる気が湧いてきたのを覚えています。
先生のイメージ像は自分のなかでできていたので、教えること自体に不安はありませんでした。ただ、子育て経験はまだ2年。保護者の方たちと比べて、子どもの対応への経験値が足りないことは自覚していて…。でも、「一つひとつ経験を積み重ねて、子どもたち一緒に成長していこう!」と、考え方を切り替えたんです。「焦って結果を求めてもよくないし、子育てだって手探りの連続だし!」そう思えたら、気持ちもスッと楽になりましたね。
「わかった!」「できた!」へ、導く存在でありたい
教室を開設して7年目。これまでに、たくさんの子どもたちの成長に立ち合うことができました。その経験を通して、私が大切にしていることがあります。それは、子どもたちが自分の力で乗り越えられるように導き、成功体験をもたせてあげること。
例えば、教材のこの部分では苦労するだろうなっていうのが、経験を積み重ねると分かってくるんです。答えや解き方を教えるのではなく、ちゃんと子どもが自分で考える余白を残して導いていく。自分で「わかった!」「できた!」ときの気持ちって、これからの成長に必ずつながりますから。
以前、保護者の方から「うちの子が、早くKUMONに行きたいって言うんです。先生、魔法使いですか?」と言われたことがありました。別に魔法を使っているわけではありませんが、「わかった!」「できた!」の成功体験を共有できているからこそ、一人ひとりの子どもたちと信頼関係を結べているのかなと。素敵な言葉をもらえて、ますます頑張りたいと思いましたし、心の底からうれしかったですね。
子どもたちのたくさんの可能性を見つけ、伸ばしていけるということ
母もまだ現役でくもんの先生を続けていて、今は同じ立場でいろいろと話せるようになりました。大ベテランなので、「なるほど!」と教えられることも多々。それに、指導者講習会などではたくさんの先輩たちと出会え、女性としても、ママとしても、あふれるバイタリティが私を成長させる刺激にもなっています。
そういった環境で、私自身が一番楽しんでいるのかもしれません。長男を出産した際には、入院中も病室で教室の子どもたちのことを思い浮かべて、産後の復帰を楽しみにしていました。使命感ももちろんありますが、みんなの表情や感情を見逃したくないという気持ちが強かったんだと思います。
子どもたち一人ひとりの成長を感じ、たくさんの可能性を見つけながら伸ばしていけるのは、やっぱりこの仕事ならでは。KUMONを通じて物事の考え方や向き合い方は一つじゃないことを伝え、環境や運命に負けない、ガマン強くて芯のある子どもたちを育てていきたいですね。そして、私自身も一人の女性として、いろんな輝きを持った人間になっていきたいなと思っています。