お正月飾りや遊びのアイディア、七草がゆレシピ。子どもと楽しみたい新年の過ごし方

新年 子どもとの過ごし方

気持ちよく新年を迎えるために、お正月の準備は楽しみながら行うのがおすすめです。子どもと一緒に楽しみながら手軽にできるお正月飾りやお正月遊びのアイディアを、人気イラストレーターの杉浦さやかさんに教えてもらいました。さらに、子どもにしっかり伝えておきたい風習や七草がゆについてもご紹介します。

<教えてくれた人>
杉浦さやかさん

杉浦さやか

絵本やママ雑誌などでイラストレーターとして活躍中。文章にも定評があり、イラスト&エッセイの著書多数。著書『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)は、季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事などを杉浦さんのスケッチにより紹介している。同シリーズとなる新刊『わたしたちの歳時記』が12月24日に発売。
Instagram:@sayaka_sugiura


1_干支人形&もちばなで、簡単でかわいいお正月かざり

玄関やリビングの棚に、その年の干支人形を飾るだけで一気にお正月のムードが漂います。子どもとの会話のきっかけにもつながります。

伝統的な陶器や張り子で作られた干支人形。小さなサイズ感なので、12種類の動物をコレクションして、その年のものを飾るだけ。土鈴などを購入すると付いてくる敷板や赤い布などを下に敷いて飾りましょう。その横に小さな花瓶を置いたり、民芸品の鞠を飾ったりするのもおすすめです。

また、和紙を切って作った紙垂(しで)をスワッグにつければ、簡単お正月かざりに。和紙がなければ、半紙やコピー用紙でも。

「私は民芸のお人形が好きなのでたくさんコレクションしています。動物が同じであれば、海外製の民芸品や他の人形も素敵だと思います。子どもと一緒に相談しながら、毎年買い揃えるのも楽しそうですね」(杉浦さん)

〈干支の豆知識〉
12種類の動物が1年ごとに割り当てられ、私たちにとって馴染み深い干支。もともと干支とは、「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を省略した言葉で、古来中国から日本に伝わった考え方です。「十二支」は暦や時間を表すために使われていたそう。年賀状にその年の動物を描く風習が始まった理由は諸説ありますが、新年の始まりや送る相手の幸せを願う意味があったのではないかと考えられています。

「餅花」とは、日本の一部地域で行われていたお正月の風習です。ヤナギなどの木に小さく切った餅や団子をさして飾り、1年の豊作を願うお正月飾り。工作感覚で簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみましょう!

作り方
1.切り餅1個を4等分して、耐熱容器に入れて電子レンジで1分ほど加熱する。
2.容器にほんの少量の食紅をといた水につけて混ぜて、1の半分を入れてピンク色にする。
3.1のもう半分に、片栗粉をまぶす。
4.お餅が固まる前に、手早く小さくちぎって枝につけていく。花瓶が倒れないように、あらかじめ石をいくつか入れて重石をします。

「すぐお餅が硬くなるので、少しずつ温めて作りましょう。枝はなんでもOKですが、しなってきれいなので私はもみじの枝を使っています」(杉浦さん)

2_家族みんなで遊ぼう!簡単で楽しいお正月遊び工作

手作りのお正月遊びで、作る時間も遊ぶ時間ももっと特別になります。おうちにあるもので簡単にできる、素敵なお正月遊び工作のアイディアを2つ教えていただきました。帰省先で、おじいちゃんとおばあちゃん、従兄弟と一緒に遊んでみよう!

牛乳パック羽子板
お正月にしか使わない羽子板は、家にあるもので手軽に作りましょう。羽は風船、羽子板は牛乳パックと割り箸から作ります。風船が軽くて大きいので、小さな子どもも打ちやすいのがポイントです。

作り方
1.牛乳パックを平らに開いて、上下を切る。
2.二つ折りにして底の左右を斜めにカット。
3.油性ペンなどで好きな絵を描く。シール、折り紙などで貼り絵をしてもOK。
4.片側に割り箸(割ってないもの)をガムテープで貼る。ぐらつかないように、横に2本、縦にも貼ってしっかりとめる。
5.両面テープを片側の端にぐるりと貼り、両面を貼り合わせる。

紙皿のコマ
紙皿とミニサイズの紙コップだけで、コマを作ります。はさみを使わないので、小さい子と一緒に手作りするのも安心です。好きな絵を描いて、お気に入りの作品を作ってみよう!

作り方
*ここで使った紙コップはミニサイズのもの(高さ6センチ、直径5.5センチ)。紙皿は直径18cmのもの。

1.紙皿を縦、横それぞれ半分に折り、十字に折り目をつける。
2.お皿の中央に紙コップをおいて、フチを1周なぞって印をつける。
3.印の外側に好きな絵を描いたり、シールを貼ったりしてデコレーションする。同様に紙コップにも。
4.2でつけた印に合わせて、紙コップをつける。4ヶ所ほどテープで留める。

「コマを回すと色が混ざり合うので、模様や色はカラフルに、そして放射状に描くときれいです。紙皿のフチを花柄に切ったり、切り込みを入れても面白い!」(杉浦さん)

3_七草がゆ、なぜ食べる?種類と作り方

七草がゆは、毎年1月7日の人日の節句の行事食のことです。1月7日の朝に「春の七草」を入れた七草がゆを食べると、その1年を無病息災で過ごせるといわれています。

春の七草は、胃腸を労ったり、冬に不足しがちなビタミンを補う効果があります。年末年始の贅沢な食事で疲れた胃腸を休めたり、風邪や肌荒れ予防につながります。

最近では、スーパーで少量ずつ入ったパックも販売されているので、活用してみましょう。

作り方
1.すずな、すずしろは皮のまま細かく切って先に煮て、青菜を後から入れてさっとゆがく。青菜はしぼって細かく刻む。
2.鍋に、ご飯を茶碗一杯強と水を適量入れて、煮る。
3.お米が柔らかくなったら七草を入れ、塩、白だし(お好み)で味を整える。

「塩だけで作る方も多いようですが、わが家は味が欲しくて白だしを少々入れます。子どもも食べやすくなります。また、娘が野菜嫌いだったので、ちんげん菜とベーコン、小さく切って焼いたお餅を入れた青菜粥を作っていました」(杉浦さん)

〈春の七草の豆知識〉
「春の七草」とは、ちょうどこの時期に若菜が生える7種類の草のこと。せりは“競り勝つ”、すずなは“神を呼ぶ鈴”など、それぞれ縁起のよい意味合いが込められています。時代や地域によって、使う草には違いもあるそうです。


日本古来の風習を大切にしながら、お正月を楽しむ工夫をご紹介しました。杉浦さんに教えていただいたアイディアで、どうか素敵な新年を迎えてくださいね。

イラスト:杉浦さやか 編集・文:阿部里歩

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