「中秋の名月(十五夜)」のお月見を親子で楽しもう!簡単お月見レシピや飾りつけを紹介

十五夜 お月見 子どもと過ごす

秋の夜空に浮かぶ、美しいお月さまを眺めて楽しむ日として知られているイベント「中秋(ちゅうしゅう)の名月(十五夜)」。ここでは、子どもに伝えたい「中秋の名月」の由来や風習だけではなく、人気イラストレーターの杉浦さやかさんに、今の暮らしに合わせて家族みんなで「中秋の名月」を楽しむアイディアを教えていただきます。

<教えてくれた人>
杉浦さやかさん

杉浦さやか
絵本やママ雑誌などでイラストレーターとして活躍中。文章にも定評があり、イラスト&エッセイの著書多数。著書『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)は、季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事などを杉浦さんのスケッチにより紹介している。
Instagram:@sayaka_sugiura

1_中秋の名月(十五夜)とは?いつのこと?

秋の夜空に浮かぶ、まんまるの満月を鑑賞して、秋の収穫物のお供えをする風習「中秋の名月」すなわち「十五夜」。月が一年のうち一番きれいに見える日といわれています。平安時代に中国から伝わりました。

・中秋の名月の意味と由来は?
「中秋の名月」とは、中国から伝わる旧暦(月の満ち欠けが基準で、新月が1日になる)の8月15日の夜に見える月のこと。旧暦では7・8・9月が秋とされていたので、秋の真ん中の日ということで「中秋の名月」と呼ばれています。

・毎年日付が変わる理由は?
カレンダーは、太陽の動きを基準にした新暦(太陽暦)。旧暦と新暦とでは1年間で11日のずれがあるので、中秋の名月と満月の日は、毎年日付が変わります。ちなみに2024年は、中秋の名月が9月17日(火)、満月が9月18日(水)です。同じ日に重なる日もあります。

ここからは、日本古来の風習を大切にしながらも、今の暮らしに合わせて「中秋の名月」を楽しむ方法を杉浦さんに教えていただきます。

2_月見団子よりも簡単!親子でお月見デザート作り

中秋の名月といえば、お月見団子!ですが、お月見団子を上手においしく作ることは意外と大変な作業。もっと簡単で、もっとおいしい、お月見デザート「フルーツ大福」の作り方を教えてもらいました。

大福の中に入れるフルーツは、ぶどう、輪切りにしたバナナなどなんでもOK!アレンジして楽しんでくださいね。今回は季節のフルーツとして、シャインマスカットをチョイスしました。

お月見にぴったりなマスカット大福
材料(大福8個分)
・シャインマスカット…8粒
・あんこ…100g
・白玉粉…100g
・砂糖…30g
・水…150ml
・片栗粉…適量

用意する道具:耐熱ボウル、ヘラ、バット(ここでは23×14cmを使用)、茶こし

<作り方>

1.シャインマスカットをあんこで包む。
2.耐熱ボウルに白玉粉と砂糖を入れてヘラなどで混ぜ、水を少しずつ加えてよく混ぜる。
3.ラップをかけて、電子レンジ600Wで1分加熱。取り出して一度かき混ぜて、再度ラップをかけ、電子レンジ600Wで1分半加熱する。
4.バットに片栗粉を広げて、3を出す。生地に片栗粉をかけて手で伸ばし、8等分する。
5.1を4で包む。閉じ口を下にして丸めていく。

子どもと一緒に、楽しくまぜまぜ、こねこねしていたらあっという間に完成!カットすると、マスカットが見えて断面がかわいい。

「お月見団子をお供えする三宝(神饌物をお供えする台)は、購入してもなかなか使わないもの。お椀とお盆があれば、即席で三宝が完成します!」(杉浦さん)

完成したフルーツ大福は、ぜひお月さまを見ながら味わってくださいね。

お月見団子の豆知識
お団子を供える習慣は、江戸時代から始まったとされています。ちょうど、中秋の名月が穀物の収穫時期と重なっていたため、お米の粉から月のようなお団子を作り、供えることで、お米が無事に収穫できたことに感謝しました。積み上げる理由は、お月見団子を通して感謝の気持ちを月まで届かせたいという意図があったからだそう。

3_ススキと季節のお花+市販の月見団子を飾ろう

お月見に欠かせないススキ。ススキは秋の七草の一つです。ススキを季節のお花と一緒に、素敵に飾ってお供えしましょう。

「秋のお花のおすすめは、ケイトウやリンドウ。スーパーやお花屋さんで、お月見用の花束が売っていることもありますよ! 私はそこに、庭の緑や雑草のメヒシバも合わせて華やかに。もちろんススキだけ、お気に入りの花器に生けるのもかっこいいです!」(杉浦さん)

杉浦さんは、市販の月見団子や陶器のうさぎを一緒に飾ります。玄関やリビングの棚が、あっという間にお月見仕様に。ここに、りんごやぶどうなど秋のフルーツをお供えしてもいいですね。

どうしてススキを飾るの?
ススキは茎の内部が空洞になっていて、月の神様の宿り場と考えられてきました。また、穀物の収穫に感謝を表すために、本来は稲穂をお供えしたいところ、ちょうど稲刈り前なので、稲穂に似たススキをお供えするようになったとか。また、ススキは切り口が鋭いので、魔除けになるともいわれています。

4_雨でもOK!お月見の過ごし方いろいろ

「中秋の名月」の当日に、くもりや雨などの悪天候でお月さまが見えないということもしばしば。そんな時は、おうちのなかでお月見を楽しみましょう!ここでは、おうちの中でも楽しい、杉浦さんの素敵なアイディアを2つ紹介します。

1つ目はお部屋でお月見パーティ。色画用紙で、まんまるの満月や雲を作って、壁や窓に貼り付けてみましょう。

キラキラの星は、金や銀の折り紙で作って彩るのも素敵。月や星にお顔を描いても楽しい!

2つ目は、満月のように、まんまるの食べ物だけを用意した「まんまる月見パーティー」。

「スーパーで買える市販のピザ生地に、好きな具材をトッピングして乗せるだけピザが簡単。丸い具材や、野菜などを丸く切っても楽しいかも?! ピザだけではなく、お好み焼きやたこ焼きもまんまるです♪」(杉浦さん)

デザートには、シャインマスカットやぶどうなどの丸いフルーツ、スプーンで丸くすくったスイカやメロン、バナナなどを入れたフルーツポンチもおすすめです。ぜひ好きなフルーツでアレンジしながら、楽しんでくださいね。


杉浦さんが教えてくれた素敵なお月見の過ごし方はいかがでしたか? お月さまがよく見える日も、悪天候で見えない日でも。家族で楽しい「中秋の名月」を過ごしてくださいね。

イラスト:杉浦さやか 編集・文:阿部里歩

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