7月には、家族で楽しめるビッグイベント「七夕」があります。今回、人気イラストレーターの杉浦さやかさんに、かわいくて簡単な七夕飾りの作り方や、手軽に楽しめる七夕レシピのアイディアを教えていただきました。そのほか、7月の祝日「海の日」の由来や楽しみ方、子どもにも伝えたい「暑気払い」の知恵についてもご紹介します。
<教えてくれた人>
杉浦さやかさん

絵本やママ雑誌などでイラストレーターとして活躍中。文章にも定評があり、イラスト&エッセイの著書多数。著書『おたのしみ歳時記』や『わたしたちの歳時記』(ともにワニブックス)では、季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事などを杉浦さんのスケッチにより紹介している。
Instagram:@sayaka_sugiura
1_「七夕」の歴史と由来
七夕は、毎年7月7日に行われる日本の伝統行事。「織姫星(こと座のベガ)」と「彦星(わし座のアルタイル)」という星が、年に一度だけ天の川をわたって会うことができるという中国の昔話がもとになっています。
日本に伝わったのは奈良時代のこと。ちょうどそのころ、日本には「棚機(たなばた)」という風習がありました。若い女性が、神さまのために着物を織り、豊作や幸せをお祈りする行事です。
中国の昔話と、日本の「棚機」の行事がひとつになり、今の「七夕」の風習ができたといわれています。そして、天の川に願いが届くようにと、短冊に願い事を書いて笹の葉に飾るようになりました。7月7日の夜は、夜空を見上げて、天の川を探してみましょう!
2_簡単でかわいい「七夕飾り」の作り方
織姫や彦星、ちょうちんを折り紙で作ったり、夏のモチーフを切り貼りしてみましょう。完成したら、願いごとを書いた短冊や輪飾りと一緒に、笹の葉に飾って楽しみます。
「イラストの作り方や折り方を参考にして、たくさん作ってみてください。家の中がお祭りみたいに華やかになって楽しいですよ!」(杉浦さん)

作り方のポイント
・輪飾り以外はパンチで穴を開けて、紐を通すと笹の葉に飾りやすくなります。
・短冊の上に、星形やハートに切った紙を合わせたり、アレンジして賑やかな飾りにするのも楽しい。
・いろんな色や柄の折り紙を三角に切って繋げるだけの飾りもおすすめ。
「いつも笹の葉は生花店で手に入れています。6日の夕方に飾り、7日の夜にしまうのがしきたりのようですが、いつも5日の夜か6日の放課後に娘と飾りを作ることが恒例になっています。1日だけ飾るのではもったいないので、細長く大きめの花瓶の中に入れて、しばらく飾りを楽しんでいます。花瓶の中には水は入れず、代わりに石を入れると倒れにくくなり安定します」(杉浦さん)
3_「七夕そうめん」の簡単レシピ
七夕の夜に食べたい、簡単でかわいい「七夕そうめん」の作り方を教えていただきました。
「大きなお皿に茹でたそうめんを川に見立てて細長く置き、星形のオクラやきゅうりなど、お好みの具材をトッピングするだけ! 簡単ですが豪華に見えますし、子どもにも喜ばれます」(杉浦さん)
作り方
1.そうめんを時間通りに茹でる。茹で上がったら、流水でゴシゴシ力強く、時間をかけて洗うのがコツ。水でしめてコシを出す。
2.材料は全てお好みで。オクラやきゅうり、ネギやミョウガのほか、細かく切ったトマトやオクラ、錦糸卵、グリルで焼いたナスをトッピングして完成。
「わが家は娘が納豆好きなので、納豆もトッピングします。そうめんパーティーと称して、友だち家族を招いたときにもよく作るレシピです」(杉浦さん)
4_「海の日」の由来や海水浴の楽しみ方は?
海の日とは、毎年7月の第3月曜日にある祝日。島国である日本は、海に囲まれ、さまざまな恵みを受けてきました。そんな海への感謝の気持ちを込めて、全国各地ではイベントが開かれたり、海に出かけて楽しむ人も多く見られます。
もともとは、1941年に制定された「海の記念日」(毎年7月20日)という日があり、それが1996年に国民の祝日「海の日」となりました。さらに2003年からは、現在の7月の第3月曜日に移行しています。
「毎夏、海に遊びに行って、ビーチコーミングを必ずやります。昼間は太陽がギラギラしていて暑いので、夕方の海岸でビニール袋を片手に、シーグラスと貝殻を中心にきれいなものを探します。お気に入りを棚に並べたり、瓶に入れておくだけでもきれいだけど、工作にも使います」(杉浦さん)

海で拾った宝物でリース作り
材料
・拾った貝殻やシーグラス
・100円ショップで買える小さめのリース土台(直径11センチくらいがおすすめ)
・木工用接着剤(ガラスや木にも使えるもの)
・追加のデコレーションとして、パールビーズなどお好みで
・飾る用の紐
作り方
1.リース土台に、飾る用の紐をあらかじめ結んでおく。
2.拾った貝殻やシーグラスを、木工用接着剤で自由に貼る。しばらく手で押さえて、固定させるのがコツ。
3.アクセントとして、パールビーズなども入れるとよりかわいく仕上がる。
5_「暑気払い」におすすめの夏野菜カレー
体の中にこもった暑気を、食べ物や飲み物で冷ましたり、水遊びでリフレッシュしたり、風鈴の音で涼を感じたり。暑さを乗り切るためのさまざまな工夫が昔から受け継がれています。
冷たいそうめんやスイカ、かき氷などのひんやりメニューもいいですが、きゅうりやトマト、ナス、オクラなどの夏野菜にも、体の熱をやわらげる働きが期待できます。
「一度にたくさんの夏野菜を食べられる万能レシピといえば、やはりカレーです! 暑さで食欲が落ちやすい季節だからこそ、スパイスの力と夏野菜の豊富な栄養で、元気をチャージしてくださいね」(杉浦さん)

おすすめの夏野菜
・ナス
火照った体をクールダウンしてくれる、代表的な夏野菜です。体の熱をやわらげ、むくみを取ったり、胃腸の働きを助けたりする効果が期待できます。
・ピーマン
ビタミンCが豊富で、夏バテ対策にぴったり。疲労回復や、紫外線によるダメージの予防にも役立ちます。
・ズッキーニ
水分が多く、消化を助けてくれるので、胃腸にやさしい野菜です。整腸作用もあり、夏バテ防止にも◎。
・ヤングコーン
食物繊維が豊富で、腸内環境を整えてくれます。ビタミンB群も含まれており、疲労回復をサポートしてくれるのもうれしいポイント。
・オクラ
特徴的なぬめり成分には、胃腸の粘膜を守る働きがあります。整腸作用があり、食欲アップにもひと役買ってくれます。
「娘は中学年くらいまで、嫌いな野菜がとても多くて苦労したのですが、カレーにすればよく食べてくれました。野菜が苦手な子には、すべての野菜を1センチ角ほどのサイコロ状にカットし、ひき肉などと一緒に炒めて、トマト缶と甘口のルーで煮込むのがおすすめです。
余裕のあるときは、最初に玉ねぎだけを15分ほどじっくり炒めると、旨みがぐっと増しますよ」(杉浦さん)
年々暑さは増しますが、七夕や海の日、暑気払いなどの夏イベントをきっかけに、家族で季節を楽しむ暮らしを味わってみてはいかがでしょう? 杉浦さんに教えていただいた楽しみ方や暮らしの知恵を通して、家族の時間がもっと楽しく、思い出深いものになりますように。
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イラスト:杉浦さやか 編集・文:阿部里歩