後編
一人の人生に10年、20年と関わっていけるこの仕事は、本当に素敵だと思う
植本 瑛子さん(大分県在住)
大学生の娘をもつママ。大学卒業後に旅行会社に就職し、出産を経て生まれ育った大分県に戻る。自分の中で仕事に求める条件を整理し、かねてより就きたいと思っていたくもんの先生に。2008年6月に第1教室、2017年6月に第2教室を開設。いつも笑顔で、子どもたちの長所を見つけることをモットーにしています。
インタビューの後編では、くもんの先生の日々について語っていただきました。この仕事を長く続けていきたい理由や教室での日々のエピソード、子どもたち一人ひとりへの想いなど、植本さんらしいお話がいっぱいです。
成長を長く見守ることができて
すぐそばで応援できるのが、幸せ
現在は2008年6月に開設した教室に加え、スタッフとして10年間働いていた恩師の教室を2017年6月に引き継ぎ、2つの教室を運営しています。これまでたくさんの子どもたちと出会ってきましたが、くもんの先生になってよかったなと思うのは、やっぱり一人ひとりの成長を長く見守ることができ、すぐそばで応援できることです。2〜3歳で通い始め、一緒に歌ったり、ひらがな読みからスタートした子どもたちが今では高校生や大学生に、当時は小学校高学年や中学生だった子どもたちは社会人になっています。そんな教え子たちからは盆や正月のタイミングで連絡があり、先日も一緒に飲みに行ってきたんです。
昔はやんちゃで落ち着きのなかった子が、しっかりした社会人になっていて…。私がお水をこぼしてしまったら、ササッとおしぼりで拭いてくれるスマートな男子になっていました(笑)。そんなこともできるようになったんだと驚きつつも、当時のいろんな思い出が交錯して、立派な大人へと近づいている姿を間近で見ることができ、すごく幸せな気持ちになったんです。くもんの先生は長く続けられる仕事ですが、続ければ続けるほどにその楽しさがあるんだなと思いました。
そんな特別な体験ができているからこそ、教室に通っていただいている生徒の保護者の方々にも伝えるようにしているんです。今できないことがあったとしても、みんな成長して立派になっていますよって。私の実体験や教え子が大人になっていく様子を具体的に伝えることで、今抱えている不安を少しでも解消できたらと思います。子どもたちの日々の成長の瞬間を一つひとつ心に刻み、一人の人生に10年、20年と関わっていけるこの仕事は、本当に素敵でやりがいがありますね。
達成感を一つひとつ積み重ねて
いつか大きな自信を身につけてほしい
私は、教室は生き物だと思っているんです。子どもたちの学習する環境として、常に最善の状態で迎えられるように教室の準備をしています。例えば教室のレイアウトも、ただ整然と机を並べるのではなく、教材の進度ごとに配置したり、幼児の席もあえて少し先の教材をしているお兄さん、お姉さんの近くにしたり。そうすることで、幼いながらにもステップアップしていくイメージが伝わり、「こっちの席で学習したい!」という感覚を持ってもらえるようにしているんです。実際に保護者の方からも「席が移ってすごく喜んでいました!」と報告をいただくこともあり、私たちの意図が伝わっているんだなと実感します。
ちょっとした意識づけではありますが、教室は子どもたちが学習に向き合うための大切な場所なので、常に試行錯誤しています。第1教室は公民館を借りているため、毎回机の出し入れがあるんですが、そこで実験的なレイアウトを試し、効果がありそうな場合は第2教室にも取り入れるようにしているんです。それも2つの教室を運営しているからこそのメリットですね。
また、高教材を学習している生徒さんの近くには、最終教材までの教材一覧を掲示するようにしているのもポイントです。卒業していった教え子たちも「KUMONを最後までやったことが自信になっている」と言ってくれているので、そんな風に自信が持てる子どもたちが増えてほしいと思って掲示しています。
教え子が増えていくにつれて
楽しいこともきっと増えていく
くもんの先生の仕事が本当に楽しくて、実を言うと、教室内で一番テンションが高いのは私かもしれません(笑)。子どもたちのことを考えるとだいたい笑顔になりますし、そんな状態だから、保護者の方々も半分友だちのような感覚で接してくださる方もいらして、ありがたいなと思っています。教室での出来事は詳細に伝えるようにしているので、家での様子などいろんなことを話していただけたり、送迎時に言えないことを打ち明けてくれたりもするんです。それはすごくありがたいことで、子どもたち一人ひとりの向き合い方の参考にもなりますし、長所をさらに見つけられるきっかけにもなりますからね。
ただ、子どもたちに注意することももちろんあります。それは物事の良し悪しをちゃんと伝えたいし、ケジメをつけることも必要だから。自信を身につけること以外にも、くもんの先生が子どもたちの成長をサポートできる部分はまだまだたくさんあると思いますね。
私はくもんの先生になって16年目ですが、ご勇退された前任のお二人の先生方は、この仕事を41年、36年も続けてこられました。まだ半分にも及びませんが、これからも教え子たちが増えるにつれて、楽しいこともどんどん増えていくんだろうなっていう期待感はすごくあるんです。生まれ育ったこの街で、たくさんの子どもたちの人生にずっと関わっていけるくもんの先生でありたい。それが、私の理想の姿です。そのために身体も頭も健康でいて、いつも明るく教室での日々を過ごしていきたいと思っています。