006‐前編

いろんなことを体験させて、
知的好奇心を育んできた

平原 久永さん(広島県在住)

くもんの先生 平原先生interview6

大学で英語教育を学んだ後、くもんの先生になり、教室を続けながら結婚、出産を経験。大学3年生の長女、高校3年生の長男、高校1年生の次女、中学1年生の三女の4人の子どもをもち、子育ても仕事も趣味も常にアクティブな姿勢で充実の毎日を過ごしています。

今回のママは、4人のお子さんをもつ平原さん。子育てで大切にしてきたことや子どもたちと一緒に取り組んできたこと、仕事と両立するための時間の使い方など、今を自分らしく楽しむための秘訣を伺いました。

くもんの先生 平原先生interview5

知的好奇心を育むことで、子どもの興味はどんどん広がる

4人の子どもを育ててきた中で、私がずっと大切にしているのが、何でも体験させてみるということです。博物館や美術館、海に山に川、ワークショップでのものづくりなど、とにかくいろんな所へ遊びに行き、「体験させてナンボ!」の精神で子育てしてきました。その甲斐あってか、どの子も知的好奇心にあふれているんです。主人が中学校の教員で部活の顧問もしているため、週末は私1人で子どもたちとお出かけしていたのでちょっと大変でしたが、今となっては好奇心旺盛な子どもに育ってしめしめと思っています。

例えば長男は、小学生の時に公文式の国語のプリントに出てきた「ソメンヤドカリを飼いたい!」と言い出したんです。「それは難しいんじゃない?」と諭したんですが、本人は諦めきれないので水族館の飼育員さんまで聞きに行き、そこでようやく納得しました。やはり親に言われるよりも、その道のプロの言葉の方が説得力もありますし、本人的にも気持ちの整理がついたんだなと。

でも、そうした結果も、知的好奇心があったからこそ。知的好奇心はいろんなことに興味を持つだけではなく、探究心を生み、自己解決していく力を身につけることもできる。叶えたいことを実現するためには、「どうすればいいか?」という行動力につながるんです。子育てについてたくさんのママさんたちとお話しする機会もありますが、その際はいつも「とにかくいろんな体験をさせてあげて!」と言っていますね。

 

くもんの先生 平原先生interview8

「言わなくても伝わる」という考え方が苦手

知的好奇心を育むこと以外では、料理が私の子育てキーワード。食に興味のある子になってほしかったので、4人とも幼少期からごはんやおやつを一緒に作っていたんですが、それには理由があるんです。くもんの先生として働いているため、週に2日はどうしても帰宅するのが遅くなってしまいます。だから、子ども自身が料理を作れるようになれば、私のためにもなるなと(笑)。みんな小学校2年生の頃にはごはんを炊いて、みそ汁も自分で作れるようになっていましたね。

さすがに幼少期は母や義父母にごはんを作ってもらっていましたが、料理ができる子に育てることは、子育てと仕事を両立していく上では一つのポイントだと思っています。そして、絶対に忘れないようにしていたのが、感謝の気持ちです。私自身、「言わなくても伝わるでしょ」という考えが大嫌いなので、主人や子どもたちはもちろん、母や義父母にもその時々の気持ちを伝えるようにしています。

特に子どもが幼いうちは、教室がある日に母や義父母にサポートしてもらえて本当に助かったんです。義父母からは「あなたが感謝の気持ちを持ってくれているなら、私たちは大丈夫だから!」と言っていただけて。今もそうですが、感謝しかありませんね。今日まで仕事をしながら4人の子どもたちを育ててこられたのは、やっぱり周囲の支えがあったからこそだと思います。

 
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自分が優先したいこと順に、時間をやりくり

くもんの先生をしていて常々思うのは、時間を自分でコントロールできるなと。仕事、子育て、趣味など、自分が優先したいことがあれば、そのために時間をやりくりできるんです。この日は子どもたちとお出かけするから、保護者面談は入れないでおこうというように。それって、時間をとても贅沢に使えることだなと思っています。今は月に一度の友禅教室に通っているんですが、その時間はありのままの私になれる時。ずっとやりたかったことを楽しめる時間が作れているので、本当に幸せですね。

実は絵を描くことがすごく苦手で、初めて教室に行った時に「友禅はスケッチがすべてです!」と言われて冷や汗をかいたんですが、続けているうちに何とかカタチになってきました。失敗しながら成長していくことは、子どもと同じ!仕事とはまた別の次元かもしれませんが、成長できる喜びを私自身も実感していますね。今はまだ友禅でタペストリーを何とか作れているレベルですが、中学1年生の三女が成人するまでには着物を作りたいと思っています。間に合うかどうかは分かりませんが(笑)。でも、趣味でも目標を持って過ごせている毎日は、とても充実していますね。

 

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撮影:上原 朋也 イラスト:宮城 奈月  文:前出 明弘

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