洗濯機の使い方が決め手!
子どもの服についたガンコな汚れの落とし方

洗濯機の使い方が決め手!子どもの服についたガンコな汚れの落とし方

洗濯機の正しい使い方を知っていますか?洗濯王子の愛称でも知られる洗濯家・中村祐一さんによると、洗濯前に「衣類」「水」「洗剤」の量を調整するだけで、子どもの服についたガンコな汚れや臭いが今までよりも断然落ちやすくなるそうです。中村さんに洗濯機の正しい使い方や洗剤選び、干すタイミングについてお聞きしました。

<教えてくれた人>
洗濯家 中村祐一さん

中村祐一さん
洗濯家。長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯から、セカイを変える」という信念のもと、2006年から「洗濯アドバイス」という分野を切り開いてきたパイオニア。「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など各種メディアにも多数出演。https://www.sentaku-yuichi.com/


洗濯物の「量」がポイント。衣類の入れすぎはNG

洗濯機の使い方 衣類の量
最近では、全自動洗濯機を使っている方が多いのではないでしょうか。
でも、ボタンを押してお任せモードで洗っても、汚れがきれいに落ちていない場合があります。
洗濯機を使って汚れをしっかり落とすには、洗濯前の3つの量がポイントです。

まず1つは、洗濯機に入れる「衣類」の量です。
ドラム式洗濯機なら、半分くらいが理想。多くても2/3程度の量にすることです。
ドラム式洗濯機の場合、洗濯物を上に持ち上げて、落ちてくる作用で汚れを落とすのですが、衣類を上まで詰め込んでしまうと、その作用が働かず、ぐるぐる回っているだけになってしまうのです。
縦型洗濯機は、洗濯物をかき混ぜて、揉み合わせたりすることで汚れが落ちていくので、7分目くらいまでにするといいでしょう。

水量は基本設定より1~2段階上げて

2つ目は「水」の量です。
最近の全自動洗濯機は、水量が少なめに設定されていたり、節水タイプも多くみられます。ほとんどの洗濯機の水量は、衣類の重さを量って決めるのですが、縦型の洗濯機はおまかせモードにすると水量が足りず、まわっている時に水面より衣類が出てしまい、しっかり洗えていなかったり、洗いむらが起きてしまうことがあります。
そのため、基本の設定よりも、水量を1~2段階上げることがポイント。そうすれば、水面が衣類より上にくるので、しっかりと洗えます。

ドラム式洗濯機の場合、細かく水量を設定できないのですが、「多め」「高め」などがあれば、変更するといいでしょう。また、すすぎを「注水すすぎ」に設定するとすすぎの水の量が増えるので汚れやニオイをしっかりと流しやすくなります。

洗剤の規定量はしっかり守ること

洗剤
3つ目のポイントは「洗剤」の量です。
汚れがひどい衣類を洗う時、つい洗剤の量を増やしていませんか?
規定量より多く入れてしまうと、無駄が多くなり、すすぎ残しもでやすくなってしまいます。
反対に、あまり汚れていないからと、洗剤の量を減らしてしまうのもキレイに洗濯できない原因になります。

洗剤は、ある程度の濃度がないと汚れを包み込めず、衣類から汚れを剥がすことができません。また、衣類から汚れが剥がれても、洗剤で汚れを包んだ状態をつくっておかないと汚れが衣類に戻ってしまうのです。汚れを包むことが洗剤の大きな働きにも関わらず、濃度が薄くなるとその働きが発揮できなくなってしまいます。

ドラム式洗濯機は、衣類の量に合わせた洗剤量、縦型洗濯機は、水量に合わせた洗剤量に設定されているので、それぞれの規定量を入れることが大事です。

なお、粉末洗剤と液体洗剤では、アルカリ度が高いのが粉末洗剤です。アルカリ度が高いと油汚れやタンパク質汚れ、そして色素の汚れなども落としやすくなり洗浄力が上がります。しっかり洗いたい場合や、白いアイテムを白く洗い上げたい時は粉末洗剤が適しています。一方、液体洗剤は、粉末洗剤よりマイルドな洗浄力のものが多いので、色合いや風合いを守りたい時に使うといいでしょう。また、ボール型の洗剤については楽ではありますが、洗剤量が調整しにくいことと、フィルムの溶け残りも気になるため、キチンと洗濯したい場合、個人的にはおすすめしません。

また、柔軟剤は「衣類を柔らかくすること」と「静電気を防止すること」が、基本的な機能で、香りはプラスαの役割です。2つの機能はどの柔軟剤も持ち合わせているので、香りの好みで選べばいいのです。洗剤が毎回の洗濯に必要なのに対して、柔軟剤は必要ないと感じるのであれば使わなくてもいいでしょう。

洗濯の前に、洗濯機に入れる「衣類」「水」「洗剤」の量を調整することが、汚れをしっかり落とすための洗濯の基本になります。さらに、次に紹介するすすぎの量も見直すことで、汚れも臭いも、今までより落ちやすくなるでしょう。


すすぎは、最低2回は必要

最近、「すすぎ1回」を謳っている洗剤が増えていますよね。でも実は、すすぎ1回では、すすぎきれていないことが多いのです。すすぎは、洗濯の工程の中で、洗剤で包んだ汚れを薄めていく・流していくのが役割。1回のすすぎでは、どうしても汚れや洗剤が残りやすくなってしまいます。ですので、すすぎは最低2回、できれば3回に設定することをおすすめします。本来、すすぎ1回は、忙しい時などの簡易的な使い方で、それが標準になるものではないのです。

どうしても忙しい時などに、すすぎ1回で済ませるときがあってもいいと思いますが、その際、柔軟剤を入れると、すすぐべき汚れと柔軟剤がくっついて一緒に残ってしまうので、もしすすぎ1回で設定する場合は、柔軟剤は使わずにすすぎを行いましょう。


洗濯は朝しなくてもOK!忙しい方には部屋干しがおすすめ!

部屋干し
洗濯をするタイミングは、ご家庭により生活スタイルが違うので、朝でなくてもかまいません。洗濯しやすいタイミングでいいと思います。

また、部屋干しは臭ってしまうなどネガティブなイメージを持っている方も多いのですが、先にお伝えしたように、洗濯前に「衣類」「水」「洗剤」の量を調整して洗い、キチンとすすげば、しっかり汚れが落ちているので、部屋干しをしても臭わなくなります。というのも、部屋干しをして臭う最大の原因は、汚れが落ちてないからであって、部屋に干すことが原因ではないからです。

最初から、部屋干しをする前提であれば、いつ洗濯してもいいですし、天気にも左右されないなどメリットになることが多く、実は忙しい方にはおすすめです。
部屋干しをする時は、室温をできるだけ上げて、湿度はできるだけ下げることが大事。また、空気の流れを作ると、より乾きが早くなるでしょう。換気扇や扇風機、エアコンや除湿器などを使えば、より早く、効率的に乾かせます。

さらに、乾きをよくするためには、表面積を広げて干すのがポイントです。シャツなら、衿を立てた状態にして、ボタンは全部はずして、空気に触れる面積を増やすと、乾きやすくなります。

なお、洗濯後、すぐに干さないと臭いがこもってしまうと思いがちですが、しっかり汚れが落ちていれば、多少干すまでに時間があっても大丈夫です。


いかがでしたか?前編では、洗濯機の使い方のコツや洗剤の選び方、干すタイミングなどをお届けしました。後編では、泥汚れや食べ物のシミを落とすワザをご紹介します。

後編はこちら

取材・文:サカママ編集部 取材協力:中村祐一(洗濯家)

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