<教えてくれた人>
柳川由紀さん
家庭教育アドバイザー・柳川由紀

家庭教育アドバイザー(日本家庭教育学会認定)。国家資格キャリアコンサルタント。日本心理学会認定心理士。「子どもを伸ばすための家庭教育」について「親の力」に視点を置き、保護者向けに講座やセミナーを開催。メルマガ「子どもを伸ばす親力アップの家庭教育」は6年目を迎え好評発信中。


“柳川流お小遣い制度”とは?

お小遣いというと、毎月の金額が決まっていて、その金額の範囲内で子どもが自由に使うという認識が一般的です。一方、柳川流の場合、親がお金を渡す段階で、買う物の種類によってお小遣いを『基本金額』と『必要経費』の2項目に分けて考えます。
「たとえば、お菓子や漫画など今ほしい物を買うためのお金や、ゲームやオモチャを買うために貯めるお金は『基本金額』、自分でほしいと思っている文房具(教育費)や読みたい本(教養費)、友だちへのプレゼント(交際費)は『必要経費』です。どう分類するかは、各家庭で捉え方が異なるので、はじめに話し合って決めるといいでしょう」

 

1.お小遣いの金額の平均は? 相場は? いくらがいい?

柳川流では、まず『基本金額』を年齢×100円で計算します。次に、『必要経費』は3年生までが『基本金額』の半額、4年生以上は『基本金額』と同額とします。この合計を1ヵ月のお小遣いとして現金で手渡します。たとえば、小学1年生の場合、7歳×100円+700×1/2=1000円(100円単位に切り捨て)になります。
「あえて『必要経費』をプラスして渡しているのは、本当にそれが必要かどうか、子どもに考えさせるきっかけになるからです。親が子どもにその都度買ったり、子どもから必要と言われたままの金額を渡したりしていたら、『とりあえず買っておこう』や『友だちが持っているからほしい』など、浪費癖がついてしまいます。それを防ぐためにも、あらかじめ決まった『必要経費』を設定して渡しておくのです。もし本当に必要なものがあり、現時点でお金が足りないのであれば、貯金して買うことを薦めてみましょう」

 

2.“柳川流お小遣い制度”の進め方

柳川流お小遣い制度1

お小遣いを管理するための封筒を2種類用意します。1つは「使えるお金」、もう1つは「貯金するお金」とします。「使えるお金」には入金額や先月からの繰越金、祖父母などからの臨時収入、そして裏面には買った物の日付と金額を書きこみます。「貯金するお金」には目標金額や入金した日付と額を書きこんでいきます。
「お小遣い帳はノートとお財布をそれぞれ出してきて計算しなければならず、小さい子にはとても手間がかかります。一方、封筒を使えば動きが1つで完結し、分かりやすいでしょう。封筒に書くスペースが足りなくなったら、メモ用紙を上に重ねて貼っていきます」

柳川流お小遣い制度2

“柳川流お小遣い制度”で大切なのは、子ども自身にお金を管理する意識をもたせることです。親は「このお小遣いは、将来お金を上手に使えるようになるための練習だから、自分できちんと管理しようね」と子どもにあらかじめ説明し、「でも何かあったらサポートするよ」と子どもを信頼して温かく見守る姿勢を見せます。そうすることで、子どもは安心して、かつ楽しんで“お小遣い制度”に取り組むことができるのです。


親はどのようにサポートしたらいい?

子どものお小遣い 親のサポート

お小遣いを渡す日を「会計監査の日」とし、子どものお小遣いの使い道や封筒への記載洩れがないかなど親子一緒にチェックしましょう。
「まずは1ヵ月お小遣いをやりくりしたことをほめてあげると、子どもの『次もがんばろう』というやる気に繋がります。もし書き漏れがあったとしても、頭ごなしに注意せずに、『思い出して書いてみようね』と励ましたり、お小遣いが足りなくなってしまった時は、次はどうするか考えさせたりします。無駄に思えるような物を買っていたとしても『無駄遣いをして』と叱るのではなく、本当にそれが必要な物だったかを一緒に考えてみましょう。このように、会計監査の場や時間を親子の楽しく豊かなコミュニケーションの場や時間にすることが、“お小遣い制度”を成功させるコツです」


「マネー教育において親ができることは、教えることではなく体験させること」と柳川さんは言います。「そのためにも親からお金を適当に渡すのではなく、親子間のコミュニケーションをきちんと取り、サポートをして、“お小遣い制度”を進めていきましょう」。そして最後に柳川さんからこんなアドバイスも。「親のお金の使い方を子どもは間近でよく見ています。よきお手本になれるように、親自身もしっかりとしたお金の使い方を心がけましょう」