後編

縁に恵まれて、今がある。
次は私が、たくさんの縁を繋ぎたい(後編)

髙松 浩子さん(神奈川県在住)

くもんの高松先生

高校3年生の長男、高校2年生の長女、小学校6年生の次男をもつママ。2011年4月にくもんの先生になり、子育て・仕事・趣味をアクティブに楽しんでいます。

後編は、髙松さんのくもんの先生としての一面に迫ります。ご主人の転勤を経て開設した経緯から生徒さんと過ごす日々で得たこと、大切にしていることなど、いろいろとお話を伺いました。

くもんの教材

やりたい気持ちを抑えていたのは、自分自身だった

KUMONとの出合いは、1冊のドリルでした。病院に行った際、待ち合いにあったKUMONのドリルを長男が偶然見つけ、そこから夢中になって解き始めたんです。それ以降も通院する度にドリルを持ってきては解くようになったので、同じものを購入しましたが、今度は1冊を解き終わったら消しゴムですべて消して、また解き直すんです。しかも、それを何度も…。新しいものを何冊か買い足しても、ずっと飽きずに続けていて…。私自身も「どうして飽きないの?」と不思議に感じ、思い切って説明会に参加。そのときに、くもんの先生という仕事があることも知りました。

一人ひとりに合わせて進める学習方法にも共感しましたし、チャンスがあれば私もくもんの先生をやってみたいなと思ったんです。でも、わが家は転勤族なので、無責任なことはできないという気持ちもありました。そうした足踏み状態が続いていましたが、わが子たちは静岡、栃木、神奈川と転勤先でKUMONに通ったため、私自身もいろんな教室を見ることができたんです。そして、神奈川で子どもたちがお世話になっている先生に相談したところ、「迷っているなら、これからも迷い続けることになる。やりたいと思うなら、今すぐ進んだ方がいい!」と背中を押されました。そのとき、気づいたんです。今までは転勤を理由にして、できないことを肯定していただけなんだなって。気持ちが一気にスッキリしましたね。

もちろん一人で決められることではないので、主人にも相談しました。主人は「俺も応援する!やるからには、日本一のくもんの先生になれ!」と言ってくれて…。決心できたとともに、大きな夢をもつこともできたんです。幼稚園の年少だった次男の預かり先も、自治体のファミリーサポートセンターにお願いして見つけてもらい、不安のない状態でチャレンジできるようになりました。そして、2011年4月に前任の先生から引き継ぐカタチで、念願の教室を開設しました。

くもんの高松先生

一人ひとりの顔つきが変わる、その瞬間に立ち会えるのが幸せ

実は、わが子が各地でKUMONに通っている頃から、私もこっそり教材を解き続けていたので、指導することの不安はありませんでしたね。もし悩みが出てきても、それはそのときの状況で考えようというスタンス。それよりも、大きな震災後のタイミングだったため、生徒さんたちを預かっている以上、教室は子どもたちを守る場所でもある!そう強く認識するようになったんです。

教室が始まってからは、毎日が本当に楽しくて、おもしろい。生徒さんたち一人ひとりの顔つきが変わる瞬間に立ち会えることは、こんなにもやりがいがあるのかと実感しています。やんちゃで落ち着きのなかった生徒さんが、導き方を変えることでイキイキと取り組むようになったり。向き合い方、関わり方、導き方ひとつで、可能性が大きく広がっていくので、とても意義のある仕事だと思っています。

だからこそ、一人ひとりをしっかりと観察し、ちゃんとほめることが大切だなと。保護者の方々もわが子のためを思ってKUMONに通わせていただいているので、日々の成長や変化は必ず伝えるようにしています。「先生に任せる!」と保護者の方から言っていただいたときは、嬉しくて仕方なかったですし、責任感もさらに強まりましたね。

くもんの高松先生

教室のチームみんなで、成長を支えていきたい

くもんの先生として私が大切にしているのは、生徒さんたちがわからないことに対して、多くは語らないこと。わかってもらうために多くを語り、説明するのは本当の力にはならないと思っています。何がわからなくて、どこまではわかっているのか、まずは生徒さんが自分自身で語ることができるようになってもらいたいんです。賢くなるのは先生ではなく生徒さんなので、自分の言葉で語ることができるまでとことん待つようにしています。自ら学ぶことが自分の力になりますし、成長のキッカケにもなりますからね。

教室スタッフにもその意識を浸透させて、チームみんなで生徒さんたちと向き合うようにしています。やっぱり同じ志を持ったメンバーがひとつになって取り組めば、可能性をもっと大きく広げることもできるし、生徒さんたちも楽しみながら成長できるはず。そんなチームとして、これからも生徒さんたちを支えていきたいですね。

私自身は、次男が成人したら一区切りかなと考えつつも、多分ずっと続けていると思います。くもんの先生には定年がないですし、子育てと仕事がリンクする今の状況が本当に楽しいんです。それに、私がくもんの先生になれたのも、たくさんの人との縁が繋いでくれたおかげ。恩返しの想いも込めて、くもんの先生という仕事を通じて私自身がたくさんの縁を繋いでいきたいと思っています。

くもんの高松先生

撮影:川原崎宣喜 文:前出明弘

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