前編

くもんの先生になることが、私らしい生き方だと感じています

横山 知美さん(長野県在住)

くもんの先生 横山知美先生01

17歳と12歳の2人の娘さんを育てながら、長野県で2つの教室を開設している横山知美先生。もともとは専業主婦として子育てに専念していた横山先生の人生を変えたBaby Kumonとの出会い、そして先生を志すまでの道のりをお届けします。

専業主婦・保護者から
くもんの先生になるまで

くもんの先生 横山知美先生2

短大卒業後、電機メーカーに入社しました。配属先の総務部では、管理職の補佐のような役割を担い、秘書検定資格も取得。多くの部署とのやりとりや来客対応を通して、ビジネスマナーや臨機応変な対応力を身につけるなかで、「まずは相手を受け入れる」ことの大切さを学びました。その後、取引先の商社に転職し、13年間営業職として勤務。結婚・出産後は育児休暇を取得しましたが、「しばらくは子どもと過ごしたい」という思いから退職し、6年間は専業主婦として子育てに専念しました。その間も、短期のお仕事での営業やイベント会社でのアルバイトなどさまざまな仕事に携わりました。

これらの経験を通じて、人との接し方やコミュニケーションスキルをさらに深めることができました。現在の教室運営にも、そうした経験は生かされていると思っています。

長女が2歳のとき、KUMONの教室でやっていた子育て支援プログラム “こそだてちえぶくろ(※)”に誘われたことが、KUMONとの最初の出会いです。先生がとても上品で、温かいお人柄や安心感が心地よく、保護者さんとの交流もとても楽しかった記憶があります。その後次女を出産し、2歳になった頃、再び“こそだてちえぶくろ”に参加したいと、先生にお電話をしました。すると今はBaby Kumonというサービスに進化したことを伺い、詳細のご説明を受けて、迷わず申し込みを決めました。

(※)0~3歳のお子様とその保護者がKUMONの教室に集まり、歌や絵本の読み聞かせなどを通して、親子の時間や交流を楽しめるプログラム。

くもんの先生 横山知美先生05

そんなある日、KUMONの担当スタッフから「くもんの先生に興味はありませんか?」と声をかけてもらったことが、くもんの先生を意識するきっかけに。最初は戸惑いもありましたが、説明会で出会った先生の輝く姿に心を動かされ、「私もこんなふうになりたい!」と思うようになりました。

夫は、くもんの先生という仕事にも理解を示してくれて協力的でしたが、当時同居していた義母は猛反対。義母を説得するのを諦めかけていた頃、小学生だった長女がかけてくれた「ママ、くもんの先生になって!私が応援するから」という一言が私の背中を押してくれました。夫とともに改めて義母に話をして、ようやく納得してもらうことができました。

KUMONの担当スタッフもそんな状況を見守ってくださり、最終的には家族の支えのもと、1年以上の準備期間を経て、2015年11月に念願の教室開設に至りました。

家族全員で乗り越えた
教室開設後の忙しい日々

教室開設当初は、本当に大変でした。子どもはまだ小さく、家のこともきちんとやらなくてはと思っていました。そのうえ、予想以上に多くの生徒さんが集まってくださって、想像していたよりもずっと多忙なスタートになりました。教材の準備に時間がかかり、夜遅くまで作業していたこともあります。教室スタッフに共有するために、一人ひとりの生徒について細かくメモを書いたりしていました。そんななかでも、教室スタッフが右腕以上の存在となり、支えてくれました。

そして、家族の全面的な協力も大きな支えになりました。最初はくもんの先生になることに反対していた義母も、次第に変わっていきました。特に、次女の保育園のお迎えをお願いしていたことで、孫と二人きりで過ごす時間を楽しんでくれているようでした。

教室の前に夕食の準備を行うことにしていましたが、“冷蔵庫から出すだけ”や“温めるだけ”の状態でスタンバイ。義母に「やっぱり無理だったじゃない!」と言われてしまったら悔しいので、手抜きも許されません(笑)。さらに、育ち盛りの子どもたちと義母とでは食事の好みが違うので、おかずも何品も用意するのが当たり前。宅配ミールキットや冷凍野菜なども活用しながら、どうにか工夫していました。

今でも覚えているのが、開設して1ヶ月後に次女が入院してしまったことです。「教室、どうしよう」と頭が真っ白になりましたが、家族が支えてくれて、なんとか教室を開くことができました。それ以降も、教室時間中に夫の緊急事態や義母の緊急手術、介護など、乗り越えなければならない場面も多くありましたが、私が教室を続けてこられたのは、家族の理解と協力があってこそ。本当に感謝しています。

くもんの先生 横山知美先生03

憧れの先生の教室を引き継ぎ
ますます忙しく、楽しい日々

開設から8年が経った2023年10月に、第2教室を開設しました。実はこの第2教室は、私がかつて“こそだてちえぶくろ”やBaby Kumonに通っていた頃に出会い、ずっと憧れている先生のお教室だったのです。その先生の教室を引き継ぐことになるなんて、本当に夢のようなお話でした。

ですが、お話をいただいたときはまだ娘の習い事の送迎もあり、第2教室のことは「もう少し先かな」と思っていたんです。家族に相談したら、夫は「やってみたらいいんじゃない?」と、娘たちも「なんとかなるよ!」と背中を押してくれて。その言葉に勇気をもらい、一歩を踏み出す決心がつきました。

尊敬する先生の教室を引継ぎましたので、その思いを大切にしながら「教室をさらに発展させたい」という強い気持ちで取り組んでいます。引き継いで2年目からは、思い切って教室を移転をしたり、少しずつ自分らしさも出せるようになってきました。ありがたいことに生徒さんもどんどん増え、相変わらず忙しい毎日を送っています。たくさんの生徒さんや保護者の方との出会いを通して、自分の指導の幅が広がっていることを実感しています。

日々、くもんの先生として「私に何ができるのかな」と考えながら過ごしています。お休みの日も自然とKUMONのことが頭に浮かんできて、完全に切り離すことはできないのですが、でも、そんなふうにKUMONと向き合っている自分のことが結構好きなんです(笑)。私はこの仕事に出会えて本当によかった。「私が生きていく道なんだなぁ」と感じています。

撮影:栗原 康 イラスト:宮城 奈月  文:阿部 里歩

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