後編

自分の力で道を切り拓ける、
そんな子どもたちを育てたい

鈴木小百合さん(茨城県在住)

くもんの先生 鈴木小百合さん

9歳の長女と7歳の次女、3歳の長男をもつママ。大学卒業後、病院やアパレルショップで勤務し、結婚を機に動物病院で約10年勤める。2021年4月にくもんの先生として教室を開設。好奇心旺盛な行動派で、いつでも楽しむことを大切にするのがモットーです。

鈴木さんの後編では、くもんの先生として働くことへの想いや生徒との関わりの中で感じるやりがい、これからの目標などにフォーカス。楽しいことや好きなことにいつも全力で取り組んできた鈴木さんならではの考え、言葉があふれています。

くもんの先生 鈴木小百合さん

保護者の方の負担は最小限に、
悩みがあれば一緒に解決できるように

私がくもんの先生を始める時に思ったのは、子どもたちの成長を支えるのはもちろんですが、保護者の方にも気遣えるようになりたいということでした。フルタイムで働いているとギリギリまで仕事をしていますし、送迎だけでも大変。私がお世話になった教室の先生は、そうした部分にまで感謝と労いをもって接してくれる先生だったので、私もそうなりたいと思ったんです。くもんの先生としての経験はまだ浅いですが、働きながら子育てしてきたからこそ、家庭で行う宿題一つにしても、できる限り保護者の方の負担にならないように考えています。

その上で大切にしているのが、コミュニケーションです。話せば相手の考えていることを知ることができますし、アパレルショップや動物病院でのいろんな接客経験が生きていて、私から積極的に声をかけるようにしています。悩んでいるなら一緒に解決したくて。KUMONのこと、学校のこと、全部含めて寄り添いたい気持ちがあるんです。私の中では、生徒みんなをわが子のように大切に思っていますからね。

例えば、教室に入ってきた時の表情がいつもと違う生徒がいれば、必ず話しかけるようにしています。まずは聞くことで気づけますし、気づきって早ければ早い方がいいと思うんです。教室で気づいたことはどんな些細なことでも保護者の方に伝えているんですが、「いつも見てくれていてありがとうございます」という言葉をいただけたり、電話で相談を聞いてほしいと言われることも多いので、そんな時は本当にうれしいですね。決して聞き上手なわけではないですが、寄り添いたい気持ちの強さのおかげもあって、生徒たちからもいろんな話をしてくれるようになりました。

一緒に働いている3人の教室スタッフとも、生徒の状況などを共有し、いつでも誰かが対応できるようにしています。また、それぞれの家のことや子どものことも把握し合っているので、困った時は助け合えるんです。私の中での教室運営とは、支え合ってできているものだと感じますね。

くもんの先生 教室運営

私自身も学び直しながら教材を解いておくことで、
一人ひとりの進度や解き方のプロセスに共感できる

くもんの先生として働く毎日には、本当にたくさんの喜びや驚きがあります。苦手だった科目が自分の力で解けるようになるという学習面の成長はもちろんですが、子どもたちの内面的な成長にはいつもハッとさせられます。小学校低学年の時は落ち着きのなかった生徒が、しっかりと集中して学習するようになったり、反抗期で保護者の方とケンカしていた生徒が、前向きに取り組むようになったり。そんな内面的な成長を間近に見て、実感できるのが、くもんの先生の仕事の魅力だと改めて思います。

生徒みんなをわが子のように思うと言ったのも、こうした成長の瞬間に立ちあってきたからこそなんです。生徒たちの成長は、私の成長の原動力でもあるので、これからも支えて導いていける指導力を磨いていきたいと思っています。くもんの先生を始めてまだ3年目ですが、学習を重ねていくと生徒それぞれの教材進度も当然進むため、実は私自身も先回りして教材を解き、ファイルにして教材見本として教室に置いているんです。

教材を解くことは教室開設時からやってきたことですが、学び直せる貴重な機会になっていますね。「こんな公式あったな!」と思い出し、楽しみながら解いていくことで、生徒が悩んでいる時にも共感できるんです。「ここ難しいよね」とか「つい間違ってしまうよね」と話しかけると、「先生も解いているんだ!」みたいな反応が返ってきます。その積み重ねが信頼関係にも繋がって、学習面でも内面のことでも、一緒に乗り越えていける絆が生まれるんじゃないかなと思っています。

くもんの先生 鈴木小百合さん

くもんの先生をできるだけ長く続けたい。
子どもたちの日々の成長が、そう思わせてくれました

私はキャリアチェンジを重ねて、くもんの先生の仕事に辿り着きました。いろんな経験をして悔しい思いもしましたが、その時々を自分らしく楽しんできたからこそ今があると思っています。子どもたちにも、自分の力で何でもできる大人になってほしい。自分の力で選択肢を広げ、自分らしい道に進める子どもたちを育てていきたい。私の描いている理想はとても大きなものかもしれませんが、生徒たちの日々の成長を見ていると、その想いが一段と強くなり、そう思わずにはいられなくなってしまうんです。多くの先生方が長く続けている理由も、実際にくもんの先生として働いてみたことで、納得できました。

私も長く続けたいと思いますし、今の生徒たちがお父さんやお母さんになり、その子どもたちを通わせてくれたらどれほど幸せなことか。未来のことを考えるだけでワクワクしますし、結婚式にも呼んでほしいなって(笑)。私からすれば、わが子がどんどん増えていくような感覚にもなるので、もう楽しみしかないですね。生徒や保護者の方、教室運営のためにやりたいことはまだまだあるので、これからも教室での一日一日を大切に積み重ねていきたいと思います。

仕事も子育ても、楽しいことや好きなことって苦じゃないんです。もちろん大変なことはあったとしても、それは必ず充実に繋がっていくもの。もし、今の充実度を聞かれたとしたら、私は限りなく100%に近い状態だと言えるかなと。残りのほんの数%は、まだできていない分の余白みたいなものですし、その余白があることで私の楽しみは尽きないんだろうなと思います。私がお世話になった先生に導いてもらったように、もし機会があれば、私も誰かを導いて、くもんの先生という仕事の楽しさを分かち合える仲間を増やしていきたいですね。

子どもの成長

撮影:栗原 康 イラスト:宮城 奈月  文:前出 明弘

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