前編

「楽しそう!やりたい!」という
気持ちがあれば、何でも始められる

鈴木小百合さん(茨城県在住)

くもんの先生 鈴木小百合さん

9歳の長女と7歳の次女、3歳の長男をもつママ。大学卒業後、病院やアパレルショップで勤務し、結婚を機に動物病院で約10年勤める。2021年4月にくもんの先生として教室を開設。好奇心旺盛な行動派で、いつでも楽しむことを大切にするのがモットーです。

今回登場する自分らしく働くママは、いくつものキャリアチェンジを経てくもんの先生になった鈴木さん。仕事に対する向き合い方や子育てで大切にしていること、これまでの経験を生かした家事テクなど、楽しみがあふれている日常についていろいろとお話を伺いました。

くもんの先生 鈴木さん

3回のキャリアチェンジはすべて、
その時の自分と向き合ってきた結果

昔から好奇心旺盛、興味をもったらすぐに行動するタイプで、仕事でもいろんな経験をしてきました。がん治療に携わりたくて、食の面からがん予防を考え健康を支えようと思い、大学時代に栄養士の資格を取得。卒業後は病院に勤務し、栄養士として患者さんのために毎日献立を考え、ごはんを作っていました。とてもやりがいを感じていましたが、20代の頃はファッションにも興味があって…。よく通っていたショップの店長に憧れていたのもあり、スタッフ募集にお声がけいただいて応募したら、受かってしまったんです。改めて自分の気持ちと真剣に向き合って考えると、「今しかできないことだ!」と決意でき、両親を説得して転職。働き始めると接客が本当に楽しくて。店内のレイアウトをコーディネートしたり、社員育成をしたり、最後は3店舗で店長となって、気づいたら長く働いていましたね(笑)。

結婚して引っ越しすることになったため、アパレルの仕事は退職しましたが、次に選んだのが動物病院でした。小さい頃から犬や鳥を飼っていたので、動物の可愛さにもう一度触れたくなってしまったんです(笑)。動物診療助手の資格も取得して、わが子3人の産休もいただきながら約10年働いていました。動物の可愛さだけではなく、生死に向き合う仕事なのでつらい瞬間も多々ありましたが、手術助手・入院管理から飼い主さんへの対応や会計処理など広く仕事を経験でき、学びの多い時間だったと思います。そして、私にとって3回目のキャリアチェンジとなるのが、くもんの先生です。

わが子が通っていた教室の先生は、いつも親身に相談にのってくれる方で、ある日「くもんの先生に興味はない?」と声をかけられたのがきっかけでした。KUMONに通い始めてからわが子の変化や成長を実感していたので、「興味はあります!」と答えたんですが、経験も教員免許もありません。でも、「向いていると思われたから声をかけられたのかな?」と前向きに考えるとうれしくて、やりたい気持ちがあふれてきたんです。夫も後押ししてくれましたし、説明会で詳しく内容を聞くことでさらにモチベーションもアップ。それに、わが子やたくさんの子どもたちと一緒に過ごせるのはとにかく楽しそうだなと。私の中で「楽しそう!やりたい!」という気持ちがあれば、これまでも失敗だったとか後悔したことはなかったので、その気持ちを大切に、くもんの先生になることを決断しました。

様々なキャリア 栄養士 アパレル店員 動物診療助手

自分の心に余裕が生まれると、
子どもの心にもゆとりが芽生えていく

くもんの先生を始めてから実感したのが、子育てと仕事を両立していく上での時間的なメリットです。前職時代は7時には家を出ていたので、毎朝が本当に大変でした。子どもたちの準備もあるし、朝食も終わらせないといけないし、一番下の3歳の保育園児を朝7時に連れて出るのはまさに怒涛でした。長女や次女にも、毎朝「早くして!」しか言ってなかったと思いますね。でも、今は時間にゆとりがあるので小学生の2人を見送った後、3歳の長男の朝ごはんにゆったりと付き合い、一緒にKUMONのプリントをしてから登園もできる。すごく穏やかです(笑)。

私自身の心に余裕が生まれているため、ガミガミ言わなくなりましたし、そういう変化を察して子どもたちの心にもゆとりが芽生えているように感じます。朝だけではなく、1日を通して子どもたちとの会話もすごく増え、学校のことや友だちのことなど、たわいのない会話ができることの楽しさを改めて実感していますね。また、わが子の帰りも、教室日には教室で、教室がない日は自宅で迎えられるため、些細な変化を感じ取れるのも、親としてはうれしい限りです。

くもんの先生を始めてから、夫や子どもたちによく言われる言葉があるんです。「今日も楽しそうだね」って。動物病院で働いている時も毎日楽しんでいましたが、生死に関わるような診療に立ちあっていた日は険しい表情をしていた時があったのかもしれません。そう考えると、私自身の笑顔も増えたんでしょうね。毎日が賑やかで、自分時間にもさらに意欲的になった気がします。最近はオンラインヨガを始めて、教室へ出かける前に行うのがルーティンになっていますし、YouTubeを見たり電子書籍を読んだりと、気になることはすぐにインプットして、子育てや教室運営に取り入れる日々。年齢に負けずに若々しく生きたい、学びを止めたくない、私の中にあるそんな想いを実践できています。

くもんの先生 鈴木小百合さん

2週間分の献立を考え、食材の下準備もする。
後で苦労したくないための、私なりの家事テク

3人の子どもたちを育てている中で大切にしているのが、誰とも比べないことです。姉弟間はもちろん、友だちもそう。子育てをしていると、ついつい比べてしまうこともあるかもしれませんが、口には絶対に出さないようにしています。一人ひとり違うのが当たり前ですし、それが個性。その個性をしっかりと見て、支えるのが親の役目であり、くもんの先生としても大切にしたいと思っています。

わが家の場合、その個性がごはんにも現れてくるんです(笑)。ある日の話ですが、昼ごはんに何を食べたいか聞くと、オムライスとパスタとハンバーガーと、3人別々のメニューを言われてしまって…。リクエストにはできるだけ応えたいので、全部作りました。これは私なりの家事テクですが、いつも食材を下準備して冷凍しています。食材がそこにあるから、ちょっと手を加えれば簡単に作れて、すぐに対応できる。しかも、喜ばれるのが分かっているから、自然とやる気も出てきます。下準備などは土日にしているんですが、とにかく後で苦労したくない。2週間分の献立を考えて、そのスパンで動いています。栄養士経験のおかげとも言えますが、人一倍めんどうくさがりなのかもしれませんね。毎日、朝の時間に夜ごはんまで作っておくのも、同じ気持ちからです。

最近はグルテンフリーにハマっていて、グルテンを減らす工夫や添加物のことを考えて、子どもたちが家で食べるパンは基本的に私の手作りなんです。米粉やオートミール、全粒粉を使ったりして、食パンにメロンパン、チョココルネなど、いろいろ作っていますね。子どもたちはすごく喜んでくれるんですが、今では慣れてしまっているので、「これは当たり前のことじゃないよ」と、一応言わせてもらっています(笑)。料理をしている時間がリフレッシュになっているのも事実で、そのうえ子どもたちの笑顔が私に返ってくる。これも、家族の大切な時間だなと思っています。

手作りパンを食べる家族

撮影:栗原 康 イラスト:宮城 奈月  文:前出 明弘

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