前編

仕事と子育てを両立するだけではなく、
生活スタイルも変えたくなかった

中嶌三奈さん(三重県在住)

高校3年生の長女と中学2年生の長男をもつママ。2019年4月に教室を開設してくもんの先生に。「ごはんは必ず出来立てを食べてもらう!」ことを大切にし、仕事を始めてからも生活スタイルを変えることなく子育てとの両立を楽しむ日々。

今回インタビューさせていただいたママは、専業主婦から教室スタッフを経て、くもんの先生になった中嶌さん。これまでの生活スタイルを続けたいからこの仕事を選んだそうで、両立のポイントや家事のこだわり、中嶌さんが実践してきた子育てのことなどを伺いました。

教室スタッフを始めたのは、
KUMONが子育ての延長にある存在だったから

私自身、そんなに器用なタイプではないので、子育てと仕事が両立できるとは思ってなかったんです。子育てに専念したい想いも強かったですし、主人もその意向だったため、長女の出産を機に退職して専業主婦をしていました。KUMONとの出会いは、長女が小学2年生の時に姉の勧めで入会したのがきっかけで、その1年後には「教室スタッフとして働きませんか?」と先生から誘われて…。その時は「はい!お願いします」と2つ返事で答えてしまうほど、私にとってKUMONは子育ての延長にある存在だと思えるようになっていたんです。

「まだ帰ってこないかな?」と家で待っているよりも、わが子が学習している姿を間近で見ることができるし、時間も共有できます。学校へ迎えに行って教室に入り、終わったら一緒に帰る。これまでの生活スタイルを変えることなくできる仕事だと思ったので、私にとっては本当にありがたいお話だったんです。結局、6年ほどスタッフとしてお世話になりましたね。その間、先生から「くもんの先生になりませんか?」と声もかけていただき、説明会にも参加しました。とはいえ、当時はわが子が幼くて子育てとの両立ができないと感じていたので、やるつもりはなかったんです…。

でも、長女が中学3年生、長男が小学4年生の時に近所の別の教室で先生が引退されることになり、「またとないチャンスだから!」と引継ぎのお話をいただきました。家での私の役割はまだまだありましたが、わが子も大きくなって自分のことはできるようになっていたタイミングでしたし、何よりもその教室が家から車で5分の場所。家のことをする合間に行き来できる利便性にも、心を動かされたんです。主人に相談すると「大丈夫!向いていると思うよ」と背中を押してくれて、隣に住んでいる母にもサポートしてもらえることになりました。長女からは「高校生になったら採点を手伝うよ!」と、頼りになるエールをもらえて…。2019年4月に教室を引継ぎ、くもんの先生として新たなスタートを切りました。

晩ごはんの時間はバラバラだけど、
必ず出来立てを食べてもらいたい

くもんの先生の仕事を始める前は、本当に子育てとの両立ができるか不安な部分もありましたが、実際に働き出すと日々の生活にすんなりとハマったなと思っています。これまでの生活は、朝起きて子どもたちのお弁当を作り、学校まで送ってから家事をして、長女の塾用のお弁当を作って2人を学校まで迎えに行き、長女を塾まで送る。それから晩ごはんを作って長男と食べ、主人が帰宅したタイミングでまた晩ごはんを作る。そこにKUMONが入ってくるわけですが、教室が家から5分の場所なので、学校に送った帰りや昼間の家事の後に少し寄って、30分だけでも教室で仕事ができるんです。これまでの生活スタイルを変えたくはなかったので、この近さは本当によかったと思いますね。

「晩ごはんをその都度準備するのは大変そう」と言われることもありますが、時間がバラバラでも出来立てを食べてもらいたいのでそこだけは守っています。サラダやスープはまとめて作っていますし、メイン料理を揚げたり、焼いたり、炒めたりするだけですから。さすがに教室のある日はカレーやシチューを作り置きすることも多いですが、主人の休みが重なった時は代わりに作ってくれるので、出来立ての味を逆に堪能させてもらっています。私の中では、とにかくごはんだけはこだわりたかったんです!それ以外は手抜きしたり割り切ったりして、「今日の掃除は無理かな!」と、潔くあきらめたりもしています。

教室の学習日とそうでない日で多少の違いはありますが、やることのパターンは決まっているので、仕事と子育ての両立は意外とスムーズにできるようになりましたね。私の場合、日々のスキマ時間に生徒さんの学習の準備ができているので、働く前は随分とのんびりしていたのかなと思うほどです(笑)。また、教室日以外は、わが子が学校に行っている間に仕事ができるのも、子どもとの時間を大切にしたい私にとってはポイントでした。

読み聞かせの本は図書館を活用。
今でも毎回40冊借りています

私が子育てで大切にしてきたのは、どんな時でも子どもの行動や対応を待つこと。特に幼い頃は、なるべく親が口を出さずに見守ることを意識していました。マイペースになると言われるとそうかもしれませんが、ゆっくりでも自分の力で考えられる子に育ってほしかったんです。それと、子育てには大いに図書館を活用してきました。読み聞かせを始めた頃は絵本を購入していましたが、何十冊、何百冊ともなると大変ですからね。近所の図書館では1人10冊まで借りられるので、最初は私と娘で20冊借りていたんです。でも、20冊だとすぐに読み終えてしまうので、最終的には母も含めて家族5人みんなでカードを作り、1度に50冊も借りるようになっていました(笑)。

絵本だけじゃなく童話や小説などいろんな本を借りて、読み終わったらまた借りに行く。そんな図書館ライフはずっと続いていて、今でも毎回40冊借りていますね。長女は中学生になった頃からあまり読まなくなりましたが、長男は小学2年生の頃から寝る前に1人で読むようになりました。そんなに難しい本ではないですけど、「もう全部読み終わるからまた次の本を借りておいて!」と言ってきますし、「寝る前の10分だけでも本を読まないと何だか気持ち悪い」と言うほどに。

私自身、実は本がそこまで好きではなくて、マンガすら読まなかったんです。読み聞かせしていてもすぐに眠くなるタイプだったので、子どもたちには本好きになってほしくて始めたことが、結果的にはよい習慣になったのかなと思っています。図書館の活用は子どもが幼い時には特に便利ですし、私の実体験としても話せることなので、KUMONの生徒さんの保護者の方々にもおすすめしていますね。

撮影:栗原 康 イラスト:宮城 奈月  文:前出 明弘

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