007‐前編

やりたいことにチャレンジする、
そんな生き方を選びたかった

中村 奈美さん(大阪府在住)

くもんの先生インタビュー 中村先生3

大学を卒業してKUMONに就職。教室をサポートする事務局をはじめ、さまざまな部署を経験した後、退職して2015年10月にくもんの先生として教室を開設。高校1年生と中学2年生の男の子をもち、仕事もプライベートもチャレンジすることを大切にしています。
※KUMONは、フランチャイズで全国に公文式教室を展開。各教室の先生は社員ではなく、個人事業主として教室を開設しています。

今回登場するママは、KUMONの元社員である中村さんです。先生をサポートする社員の立場から先生に転身しようと思ったキッカケや教室開設時の不安、仕事と子育てを両立させるポイントなど、「くもんの先生を支える立場」と「くもんの先生としての立場」の両方を知る中村さんならではのお話を伺いました。

くもんの先生インタビュー 中村先生4

育児で悩んでいた時、
頼りになる存在がくもんの先生でした

私は、元々KUMONの社員として働いていたんです。最初の配属先では、地域の教室サポートを担当。教室現場に行く機会も多く、子どもたちが成長していく瞬間を目の当たりにしたことで、KUMONという会社は教室があってこそなんだなと心から実感しました。入社して4年目に結婚し、長男が3歳半、次男が1歳3ヶ月になるまで育休を取得。復帰後は時短勤務をしながら、さまざまな部署でKUMONに携わってきました。わが子も自然と公文の教室に通わせるようになったんですが、実は思うようにいかない育児に悩むこともけっこうあったんです。でも、その時に頼れる存在だったのが、くもんの先生でした。

学習のことだけではなく、子育てのアドバイスや励ましの言葉もたくさんいただけて…。社員として教室現場を見てきましたが、先生は保護者にとっても本当に大きな存在なんだと思いましたね。そして、わが子も成長し、私自身もキャリアを重ねていく中で自分の人生を考えた時、一番の「現場」である教室で直接指導に関わりたいという思いがどんどん強くなっていったんです。わが子がお世話になった先生もそうですし、仕事を通じて出会った先生たちがキャリアを重ねるごとにイキイキと輝いている姿を見て、くもんの先生としての生き方に憧れが生まれました。子どもたちも保護者の方々も支えられる先生になることで、私も輝き続けられる女性になりたいなと。

もちろん、すごく悩みました。社員としてそのまま残るか、退職してくもんの先生になるか。それぞれのメリットとデメリットを徹底的に書き出して、知り合いの意見も参考にしながら客観的に判断するようにしました。偶然、就活中に使っていた自分のライフプランを記した紙も見つかって、そこには「会社員として経験を積んで、40歳前に独立する」と書いてあったんです。夫も「やりたいなら思いきってチャレンジしてみたら!」と後押ししてくれたので、退職してくもんの先生になることを決心しました。何事も始めるまではすごく考えて悩む性格なんですが、やると決めたらとことん行動するタイプ。2015年10月に教室を開設し、くもんの先生としてチャレンジすることを選んだんです。

くもんの先生インタビュー 中村先生5

子育てで大切にしてきたのは、自立を促すこと

教室開設時は長男が小学4年生、次男が小学2年生。会社員時代とは違って、週2日の教室日は帰宅が遅くなってしまう不安があり、仕事と子育てを両立させる生活のイメージがなかなかつかめませんでした。そこで、隣の市に住む両親に事情を説明し、「週2日だけ夕方から家に来て、子どもたちとごはんを食べてほしい!」とお願いしたんです。主人も教室日はなるべく早く帰宅できるように仕事を組み立ててくれたので、私も仕事に打ち込むことができました。子どもたちの成長とともにその不安は解消されましたが、今でも家族みんなに支えてもらっているおかげだなと感謝しています。

そんな不安があった反面、くもんの先生になったからこそのメリットもありました。教室があるのは週2日なので、その日以外は時間を自分でやりくりできます。次男が「空手を習いたい!」と言った時も、会社勤めなら平日の夕方に送迎したり、見学することはできませんが、この仕事だからできるようになりました。また、まだわが子が小さいときに準備のために教室に出かける時は一緒に連れて行き、そばで宿題をさせていたこともありました。会社員ではできないことができるようになり、わが子と過ごす時間が長くなったことは、くもんの先生だからこそだと思いましたね。

また、わが家は共働きなので、子育てする上で大切にしていたことがあります。それは、自立を促すこと。子どもたちには、幼い頃からお手伝いも含めていろんな役割分担を与えていました。子どもたちは寂しいけどいつかは家を出て行きます。家事ができないと将来困るだろうし、家族だからこそみんなでシェアするべきだと思うんです。今では洗濯と風呂そうじ、ゴミ出しは子どもたちが担当。私は平日のごはん担当で、週末は主人が腕を振るってくれています。

くもんの先生インタビュー 中村先生6

仕事も子育ても、常に理解と協力を求めていく

両親にサポートしてもらったり、家族で家事をシェアしたり、働く環境の変化に応じて何事も1人で抱えないようにしてきました。やっぱり、自分1人で全てをやりきることはできません。無理をしすぎて倒れてしまうと意味がないので、常に理解と協力を求めることが、仕事と子育てを両立するポイントかなと思います。それは子育てや家事だけではなく、仕事の面でもそう。理解と協力を求めて現状をみんなで把握すれば、それに応じた動き方ができますからね。

また、母として、くもんの先生としての自分を見つめ直す時間も大切。私の場合、1日の終わりにその日を振り返る時間を作るようにしていて、手帳に仕事のことやプライベートのことを記録として書いています。その日あったことと向き合うことで気持ちが整理できるようになりますし、また新たな気持ちで翌日を迎えられるんです。以前と比べて、気持ちを引きずることはかなり減りましたね。

これは私の性格かもしれませんが、ただ時間が経過するような過ごし方が苦手なんです。だから、のんびりする時間さえも決めています(笑)。「さぁ、この時間はのんびりする!」という感じで。自分を見つめ直す時間もそうですし、教室のことを考える時間も同様です。そうやって切り替えながら時間を有意義に使っているから、その時間に集中できるし、マインドをリセットできているんだと思います。

手帳 くもんの先生 中村先生

撮影:栗原 康 イラスト:宮城 奈月  文:前出 明弘

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