子どもの習い事として人気のバスケットボール。バスケットボールを習うことで身につく力やチーム選びのポイントについて、元バスケットボール女子日本代表として活躍した間宮佑圭さんに伺いました。
<教えてくれた人>
間宮佑圭さん

元バスケットボール女子日本代表。現役時代はリオ五輪8強に貢献するなど、数々の舞台で活躍。バスケットボール界ではママアスリートのパイオニア的存在。現在はバスケットボールの普及活動などに尽力している。
子どもの習い事に人気のバスケットボール
動き続けるスポーツだから、おもしろい!
バスケットボールはネットをはさまないので、走る・跳ぶ・ぶつかるといったダイナミックな動きが多いスポーツです。得点が入る場面が多く、攻守の展開も早いため、子どもは楽しさを感じやすい競技でもあります。観戦していても、飽きにくく、見応えも感じられるのではないでしょうか。
一方、攻守が目まぐるしく入れ替わり、どのポジションの選手も常に動き続けるので、運動強度は高い競技です。でもそれは“難しさ”ではなく“チャンスがつくりやすい”ということ。5人対5人という少人数の競技だからこそ、一人ひとりがボールに関わる機会が多く、子ども自身が活躍を実感しやすいと言えるでしょう。
バスケットボールで子どもに身につく力とは?

バスケットボールはチームスポーツです。声を掛け合い、助け合いながらプレーするため、自然と協調性や仲間を思いやる気持ちが育まれていきます。コミュニケーションが欠かせない競技だからこそ、友人関係の築き方を学ぶ機会にもなるのです。
また、走る・止まる・方向転換・ジャンプなど、バスケットボールではさまざまな動作が求められます。これらの動きを組み合わせることで、基礎体力や身体の使い方が自然と養われるのはもちろん、身体を動かすことの楽しさを知ることにもつながるのです。
シュートが入った、仲間につなぐいいパスが出せた、試合に出られたなど、わずかな達成を積み重ねることで自信も身についていくでしょう。
バスケットボールは何歳から始めればいい?身長は関係する?

バスケットボールを習い始める年齢に正解はなく、3歳から始める子もいれば、中学生から始めて日本代表になった選手もいます。子どもが興味を持った瞬間こそが、最も良いタイミングだと言えるでしょう。
子どもが小柄な場合、「バスケットボールは向いていないかも」「習っても活躍できないのでは」と思う保護者もいるかもしれません。確かに、バスケットボールは身長が高いほうが優位とされるスポーツ。でも、それがすべてではなく、技術や戦い方、フィジカルの強さなどでも勝負できるので、身長を問わず活躍できるチャンスは誰にでもあるのです。
NBA(世界最高峰として知られる、北米のプロバスケットボールリーグ)や日本代表を見ても、小柄な選手が活躍しています。子どもの身長や体格を気にして選択肢を狭めてしまうのではなく、子どもの可能性を信じてチャレンジさせてあげるといいでしょう。
ミニバス?クラブチーム?教室・チーム選びのポイント

チーム選びには、様々な選択肢や考え方があります。例えば、下記のようなチームで習うことができます。
・小学校のミニバスケットボールチーム(子どもの体力や体格にあわせて、リングの高さや試合時間など、細かいルールが調整されている形式のバスケットボール)チーム
・民間のクラブチーム
・スクール(習い事教室)
どれが良い・悪いではなく、“子どもがどういう環境でプレーしたいか”が大切です。また、チームを選ぶうえで、以下のポイントも確認するといいでしょう。
・チームの方針やレベル
競技志向のチームもあれば、楽しさを重視するチームもあります。方針が合わないと習い始めてから子どもが「イメージと違った」「もっと上のレベルでやりたかった」などと感じてしまうことに。また、名門と呼ばれるようなチームに行けば、実力は磨かれますが、試合に出るためには厳しいメンバー争いがあります。一方、楽しさを重視するチームに行けば、出場機会や経験を積みやすくなるという側面もあります。必ず体験に参加し、チームの雰囲気やレベルを確認しましょう。
・保護者の関わり方
送迎や練習試合の付き添いなど、保護者の関わり方はチームによって大きく異なります。「思っていたより保護者の負担が大きかった…」ということにならないように、入る前に確認することが大切です。
「今日の目標」を決めて練習しよう

先にも述べたように、バスケットボールは動きが多いため、最初は上手くできず「楽しくない」「おもしろくない」と感じてしまう子もいるかもしれません。低学年なら、なおさらそう感じやすいものです。
そんな場合は、「周りと比べず、今日の目標をひとつだけ決めよう」と提案してあげるといいでしょう。「今日はダッシュを少し速くする」「ドリブルを少し長くする」など、小さな目標を立てて練習すれば、今日できたことが成功体験となり、バスケットボールが好きになっていくはずです。何よりも、成功体験を積み重ねることで、自然と自信が育まれていくでしょう。
また、子どもがバスケットボールを始めたからといって、特別な目標を持たせなくても大丈夫。子どもは一度そのスポーツを好きになれば、「上手くなりたい」という気持ちがどんどん強くなっていき、自ら目標を見出していくはずです。
ケガを防ぐためにも、親子でストレッチ!
バスケットボールは接触の多いスポーツである以上、ケガを完全に防ぐことはできないものです。それだけでなく、最近は動画サイトなどで手軽に一流選手のプレーが見られるので、そういったプレーに憧れるあまり、身体ができていないのに無理な動きをしてケガをしてしまうケースも多いと言えます。
ケガを防ぐためには、準備運動はもちろん、練習が終わった後はストレッチを習慣にすることが大事。身体が硬いとケガにつながってしまうので、柔軟性を高めるストレッチを取り入れるといいでしょう。おすすめは“お風呂の後に親子でストレッチ”を行うこと。ケガ予防だけでなく、親子のコミュニケーションやスキンシップになり、子どもの心も満たされるでしょう。
子どもの成長につながる保護者の関わり方
子どもがバスケットボールを習い始めると、子どもの成長を願うあまりに必要以上に関わりすぎてしまうとくに保護者がバスケットボールを習っていた場合、試合などでヒートアップしてしまい過度な口出しをしてしまうケースもあるでしょう。
保護者が言いすぎてしまうと、子どもは伸び伸びとプレーできなくなり、考える力を奪ってしまうことにもなってしまいます。理想は“子どもが助けを求めたときに初めてアドバイスをする”こと。干渉しすぎず、子どもの選択や挑戦を尊重し、見守る姿勢が大切です。くれぐれも保護者自身の経験や思いを、無意識のうちに子どもに重ねてしまわないようにしましょう。
子どものうちは、“まず経験すること”が何より大切です。バスケットボールを経験したからこそ、「自分には向いていない」「他の競技をやってみたい」など、わかることもあるはずです。
子どもが本気でバスケットボールに取り組んだうえで「やめたい」と言った時は、否定せず、話を聞いてから、保護者の気持ちを伝えることが大事です。続けることだけが正解ではなく、自分で考え、選択する経験も成長につながるのです。たとえ続かなかったとしても、その経験が子どもの将来の選択肢が広がり、次のステップにつながっていると捉えるといいのではないでしょうか。興味を持ったことに挑戦する、その積み重ねが子どもの成長の土台になり、人生を豊かにしていくでしょう。
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取材・文:サカママ編集部 取材協力:間宮佑圭(元バスケットボール女子日本代表)





























