食品添加物が体に悪い、は本当? 子どもの健康への影響や避けたい添加物

食品添加物が体に悪い、は本当? 子どもの健康への影響や避けたい添加物02

「食品添加物」というと、なんとなく身体に悪いイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。食品添加物が子どもの健康に及ぼす影響や見極め方を、一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事の中戸川 貢さんに伺いました。

<教えてくれた人>
中戸川 貢さん
中戸川 貢さん
一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事。加工食品ジャーナリスト。著書に『ワースト添加物 これだけは避けたい人気食品の見分け方』(ユサブル)。

食品添加物は避けたほうがいいの?

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スーパーやコンビニで買い物をする時、食品添加物を気にしていますか?
食品添加物とは、食品の製造や加工、保存の過程で使われる調味料、保存料、着色料、香料などのことです。
食品を作るうえで欠かせないものとそうでないものがあります。
例えば、豆腐やこんにゃくを作る際、食品添加物のひとつである凝固剤は必要です。賞味期限を伸ばすためのものや、品質保持のための食品添加物も必要なものが多いでしょう。
一方、甘みをつける、色をよく見せる、香りをつけるなど、味や見た目、食感の向上のための食品添加物は、必須とは言えないものが多いのです。

いずれにせよ、食品添加物はすべて国(厚生労働省)が許可しているもの。すべてを避けることは不可能ではないものの、相当なストレスになってしまいます。
現代の生活の中では、食品添加物を無理して避けるのではなく、上手く付き合うことが大切です。

食品添加物のデメリットとは?

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親として気になるのが、食品添加物が与える子どもの健康への影響ではないでしょうか。食品添加物の影響は個人差がとても大きいので、一概には言えないものです。
ただ、低カロリーにする食品添加物「人工甘味料」と呼ばれてきたものは、腸や腸内細菌に悪影響を及ぼすなどの論文が出ていますし、「合成着色料」と呼ばれてきたものには、発がん性リスク、肥満や糖尿病などと関連性があるという報告もあります。

食品添加物のデメリットは、身体のミネラル不足を招いてしまうことでしょう。食品添加物は化学物質なので、それを解毒、排出するために、体内ではミネラルがより使われてしまうのです。

食品添加物が気になる場合、どうすればいい?

食品添加物が気になる場合は、ミネラルが豊富な食材を摂るようにするといいでしょう。
ミネラルは、煮干、海藻、魚介類、野菜、雑穀、そば、ゴマ、大豆製品、きのこなどに多く含まれています。
手軽に摂るなら、納豆や豆腐、小魚、ゆで卵、ナッツ類(ミックスナッツやアーモンドフィッシュ)がおすすめです。
例えば、インスタント食品を食べる時は、ゆで卵を加えたり、煮干し粉末をふりかけたり、野菜ジュースを一緒に摂ったりすると、ミネラルが補充できます。また、コンビニ弁当を食べる場合は、アーモンドフィッシュなども一緒に購入して摂るようにするといいでしょう。

できるだけ避けたい食品添加物と表示の見方

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子どもの健康への影響や避けたい添加物01
「無添加」と表記された食品を見て、購入した記憶はありませんか?
実は、2024年から消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」が本格的に適用され、「○○無添加」「○○不使用」といった表記は大幅に減りました。
また、「人工」「合成」「化学」「天然」と添加物を組み合わせた用語も不適切とされています。

けれど、先に記した「人工甘味料」と「合成着色料」と呼ばれるものは、体内のミネラルをより消耗する食品添加物です。見極めるには、原材料表示を確認してみるといいでしょう。
食品表示法では原材料名の「/」以降に記されているものが食品添加物です。

人工甘味料(合成甘味料)と呼ばれてきたものを含んでいる場合、下記の6つのいずれかが必ず表記されています。
①アスパルテーム
②スクラロース
③アセスルファムカリウム
④サッカリンナトリウム
⑤ネオテーム
⑥アドバンテーム

また、合成着色料と呼ばれてきたものには、赤・青・黄色に番号がついていて、下記のように表示されています。
赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号
黄色4号、黄色5号
緑色3号
青色1号、青色2号

これらが表示されていたら、購入する際は他の品物で代替できないか等、検討してみてはいかがでしょうか。
ただ、覚えるのは大変ですので、スマホの待ち受けやメモに記しておくのがおすすめです。

人工的なうま味調味料を使う時のポイント

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子どもの健康への影響や避けたい添加物03
料理を作る際、うま味調味料を活用する方もいるのではないでしょうか。
「化学調味料」「たんぱく加水分解物」「酵母エキス」は、人工的なうま味調味料です。
化学調味料は、主にグルタミン酸ナトリウムのことで、食品添加物にあたります。
原材料表示では「調味料(アミノ酸)」「調味料(アミノ酸等)」と表示されています。
「たんぱく加水分解物」と「酵母エキス」は、食品扱いになるため、原材料表示には記されていない場合があります。

これらに頼っていると子どもの味覚に影響してしまうのでは…と思っている方もいるようです。確かに、この3つは強いうま味を持っています。けれど、そのものが味覚に影響するのではなく、これらを使うとだしをとる必要がないので、どうしてもミネラル不足になってしまいます。ミネラルが不足すると亜鉛不足にもなり、だんだんと味覚を感じなくなってしまうのです。

人工的なうま味調味料を避けようとすると、すべてを手作りしなければならなくなり、ストレスになってしまうため、無理して避けなくてもいいのではないでしょうか。ただ、活用する場合は、すりごまや煮干し粉末などミネラルを含むもの(下記参照)を”ちょい足し”することが大切です。そうすると、リスクが減って、よりおいしくなるでしょう。

*ちょい足しに便利なミネラルアイテム
ごま、煮干し粉末、昆布粉末、しいたけ粉末、野菜粉末、雑穀粉末

例えば、化学調味料が使われているカップラーメンを食べる時は、昆布粉末や煮干し粉末を加えるといいでしょう。子どもが大好きなソーセージにも、化学調味料が使われていることが多いので、ケチャップをプラスするのがおすすめです。
ケチャップは化学調味料を使っていないものが多く、ミネラルも摂れる調味料です。

毎日の食事の中で、ミネラルを補うことが大事

時に「お友だち同士で遊んだ際に、普段食べていないような食品添加物の多いお菓子を食べてしまった」といったことがあるかもしれません。
でも、自分自身や子どもを責めなくても大丈夫。その後の食事で、ビタミンやミネラル、たんぱく質が摂れる料理をつくって、子どもに食べさせればいいのです。人間の身体には解毒作用があり、リカバリーできるもの。気にすることはないのです。

毎日忙しい中で、食品添加物を避けようとするとストレスになってしまうため、できる範囲で気をつけてみるといいでしょう。また、先にも述べましたが、日々の食事では、ミネラルが摂れる食材をちょい足しするように心がけることが大事です。ミネラル不足は、心身の不調を招くだけでなく、集中力や感情のコントロールにも影響すると言われています。白米を雑穀米にしたり、白い食パンではなく、クルミパンや玄米パン、全粒粉パンにするのも一つの方法です。ただし、子どものクルミアレルギーやカシューナッツアレルギーは増えているので、ご注意を。

取材・文:サカママ編集部 取材協力:中戸川 貢(一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事) 参考文献:中戸川 貢著『ワースト添加物 これだけは避けたい人気食品の見分け方』(ユサブル)

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