ライフオーガナイザー中村佳子さんに教わる
「子どもが片づけない」を解決する5つの工夫

ライフオーガナイザー中村佳子さんに教わる 「子どもが片づけない」を解決する5つの工夫

散らかしっぱなしの子どもたちに、「なんで片づけられないの?」とイライラしていませんか? そこで、ライフオーガナイザーの中村佳子さんに、「子どもが片づけない」を解決する5つの工夫を教えてもらいました。片づけのしくみや言い方を変えるだけで、子どもが自分で片づけられるようになり、ママも笑顔になれるはずです。

 

<教えてくれた人>
ライフオーガナイザー 中村佳子さん
ライフオーガナイザー中村佳子さん

家族が快適に過ごせる住まいをお手伝いする「Drawer Style」運営。一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会認定講師。2児(14歳長男、10歳次男)の母。片づけのプロとして、さまざまな個人宅や企業へのアドバイザー、セミナー講師として活躍している。アメブロ公式トップブロガー。著書に『男の子がひとりでできる「片づけ」』(KADOKAWA)。https://drawer-style.com/


「子どもが片づけない」は、親の工夫で解決できる!

「『子どもが片づけない』とお悩みのママ、子どもに片づけの“基本のやり方”を教えていますか? たとえば、自転車の乗り方、料理、勉強もそう。子どもが初めて何かにトライするとき、“基本のやり方”やコツを教えますよね。片づけも同じです。“基本のやり方”を教え、子どもが片づけやすいように工夫することが大切です!」

工夫1.“探しやすさ”より、“戻しやすさ”を重視

「片づけのしくみをつくるときに重視したいのは、“戻しやすさ”です。探すときは、そのモノが必要なので、多少見つけにくくても頑張って探し出します。ところが、使い終わったモノを元の場所に戻すときは、そうはいかない。いま、そのモノは必要ないので、ついついその辺に置きっぱなしにして戻さない……。子どもが戻しやすくするには、簡単にしまえる収納がいちばん!1ボックス1カテゴリーのようなざっくり収納がおすすめです

工夫2.子どもが自分で片づけられる、収納のしくみづくり

「『なぜ、何のために片づけをするのか?』を理解させることができたら(「片づけの必要性」記事にて紹介 )、早速実践! 親の役割は、子どもが自分でできる片づけのしくみをつくることです。子どもの動きをよく観察し、子どもがモノをしまう収納場所・方法・グッズを選びましょう」

1.モノの住所を決める

子どもが片づけないを解決する工夫
「すべてのモノの定位置を決めることは、片づけの基本中の基本です。たとえば、子ども部屋に片づけた映画パンフレット(大)の置き場は、『本棚の下段の右から3番目のボックス』といったように、『◯丁目◯番地の◯』まで住所を決めておきましょう。モノの住所を決めることで、子どもが自分で探して、元に戻せるようになります」

2.ワンアクション収納

子どもが片づけないを解決する工夫 ワンアクション収納
「フックにかけるだけ、ボックスに放り込むだけ、棚に置くだけなど、“だけ”で片づけられる収納を意識してみてください。取り出したり片づけたりする動作が少ない、ワンアクションが理想です」

工夫3.脳のクセ“利き脳”で、収納方法を変える

「ライフオーガナイズの片づけでは、“利き脳”という脳のクセをヒントに、その人に合う収納を提案しています。“利き脳”は、小学生になるころまでは特徴が出にくいと言われ、一般的に小さな子どもは右脳が優位であるため、感覚的に判断できる収納が使いやすいと考えられています」

<右脳タイプの収納>

子どもが片づけないを解決する工夫 右脳タイプの収納
イメージ力や記憶力、想像力、ひらめきを司る右脳が優位の場合、感覚的に判断できる収納が片づけやすい。色違いのお片づけボックスに、文字ではなく、イラストやアイコンを描いたラベルを貼って、パッと見てわかる収納を。

<左脳タイプの収納>

子どもが片づけないを解決する工夫 左脳タイプの収納
言語や計算力、論理的思考を司る左脳が優位の場合、合理的でシンプルな収納が片づけやすい。同じ白いボックスに、おもちゃ名のみを書いたラベルを貼って、文字情報だけの収納を。

<両タイプ折衷の収納>

子どもが片づけないを解決する工夫 利き脳片づけ術
家族に右脳タイプと左脳タイプがいる場合の折衷案。正面からの見た目はスッキリさせながら、ボックスの底に色違いのフェルトなどを敷き、視覚的に片づけやすい収納を。これなら、インテリアに調和したボックスでそろえられるという利点も。

「利き脳片づけ術」は、坂野登京都大学名誉教授の「しぐさ利き脳理論」をベースに一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会が片づけに応用しまとめた、行動やくせを知るためのライフオーガナイズの手法の一つです。
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工夫4.“捨てるモノ”ではなく、“大切なモノ”を選ぶ

「子どもの成長とともに増えていくおもちゃ。ある日、おもちゃ箱をひっくり返すと、オモチャの多さにびっくり! さすがに量を減らしたいと考えたとき、子どもに何と声をかけますか?
『A. 捨てるのはどれ?』
『B. 大切なおもちゃだけをおもちゃ箱に入れて』。
正解はBです。Bの言い方だと、子どもは喜んでおもちゃ箱に入る分だけ好きなおもちゃを選び、片づけるようになります」

工夫5.“Youメッセージ”の声かけで、片づけを後押し

「子どもが何か危ないことをしたときに、どんな言葉をかけますか?
『A. あなたはどうしてそんなことをするの?』
『B. 危ないことをしたら、ママはとっても心配』
正解は、Bです。子育てでは、子どもを責めることなく、気持ちに焦点を合わせることができる“Iメッセージ”が有効と言われています。でも片づけは違います! 子どもを主体にした“Youメッセージ”が効果的です。片づけを一緒にするときは、『あなたはどう思う?』『あなたはどっちのほうが使いやすい?』と声かけしましょう」

片づけないのが当たり前だった子どもが、片づけられるようになるなんて夢のよう! 5つの工夫、ぜひ試してみたいですね。次回は、いよいよ実践編。年齢別の片づけ実例をお届けします。

撮影/津島修平 文/金子恵美子 監修/HugMug編集部

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