「自分ばかり家事・育児の負担が多い気がする……」「現在の家事分担に満足できていないけれど、パートナーと喧嘩しないためにはどうしたらいい?」など、毎日忙しい共働きの夫婦が抱える家事・育児シェアのお悩み。共働きで3人の男児を育てた尾崎友吏子さんに、分担をスムーズにする工夫や考え方、会話術、思いやりを指南いただきます。
<教えてくれた人>
尾崎友吏子さん
3人の男の子を育てたワーママで、ミニマリスト。家事や暮らしのことなどを発信するブログや書籍が人気。主な著書に『3人子持ち働く母の「追われない家事」』、『3人子持ち 働く母の モノを減らして 家事や家計をラクにする方法』(ともにKADOKAWA)など。
https://www.cozy-nest.net/
相手に強要はせず、
優先順位の高い家事と得意なことをやりましょう
共働き夫婦はお互い忙しい毎日だと思います。ですが、「共働きだから、家事や育児も半々に分担すべき」という考えを一旦やめてみましょう。「やってもらおう」「シェアすべき」という一方的な考えは、ストレスが溜まりやすくなります。家族にとって最優先すべき家事だけを行うようにして、お互いが得意なことを夫婦で考えてみましょう。「たくさん仕事をしたい」「料理が得意」「掃除や洗濯が好き」など、意見が出てくるはずです。その中で、自分と他人を比較しないということも大切。自分/パートナー、わが家/他の家庭で比べないようにしてくださいね。
細かくルールやスケジュールを決めないという方法もあります
家事シェアシートや分担表など、「作ったほうがいい」という思い込みをまずやめてみること。可視化することでお互いの負担も見えやすく、約束を守れなかった時も悪目立ちしてしまいケンカの原因に。あえて平等に分担しようとせず、優先すべき家事と得意な家事をざっくり分担でOK。各家庭で状況が違うので、トライアンドエラーを繰り返して、うまくいかなければ別の方法で試してみるのがいいでしょう。また、「もしパートナーが困っていたら、手伝う」という気楽な意識を心がけましょう。「早く一緒にくつろぎたいから、何か手伝うことない?」とやさしく声をかけるようにしてみてください。
できたことに目を向けて、とにかく感謝をすること
パートナーに対して「家事をやるのは当然」と思っていても、「小さなことでも、やってくれたら助かる」と考えを切り替え、まずは感謝するようにしてみましょう。「私も大変なんだから…」「私も忙しいんだからやってほしい」という言葉は禁物です。無理やり褒める必要はありませんが、できるだけネガティブな言葉をかけないようにし、とにかく感謝することが円満の鉄則です。
パートナーにはまず自分自身のことをやってもらうことから
こちらはパートナーに対して「1人暮らしの経験があるから、できるはずなのにやらない…」などと困っている場合です。子育てと同じように、もし自分がいなくなっても困らないように、まずは自立してもらうことを目指しましょう。進んで家事に取り組んでいる姿は、子どもの見本にもなれます。
パートナーができそう、かつ簡単に始められそうな家事を、子どもと一緒にやってもらうのも良いですね。たとえ上手にできなくても、すぐに手出しや口出しはご法度。「お願いしてもいいかな?」「やってみてくれる?」「自分でやってくれると嬉しいな」「私も最初はできなかったよ」「器用だから、私より上手にできるんじゃない?」などとうまく声をかけてみたら、実はパートナーや子どものほうが上手にできるようになることもたくさんありますよ。
便利家電やサービスなど、遠慮なく使いましょう
「自分のことは自分でやるべき」という考えの方も多いと思いますが、あまり抱え込みすぎないようにしてください。ロボット掃除機やガス乾燥機などの便利家電、家事代行サービスなど、頼れるものはどんどん取り入れてみましょう。夫婦喧嘩するより、よっぽどストレスフリーな暮らしが実現するはずです。家電は文句も言わず、いやな顔もせず、気持ちよく働いてくれる相棒みたいに思ってくださいね。
ここ数年で、働く女性や共働きの夫婦の家庭が大きく増えました。忙しい毎日だからこそ、ストレスを溜め込むのではなく、円滑なコミュニケーション術や前向きな考え方で、楽しい日々を。尾崎さんに教えていただいたアイディアをぜひ実践してみてはいかがでしょう?
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イラスト:コナガイ香 編集・文:阿部里歩