今どきママのリアルトーク
私らしく働くには?[後編]

「私らしく働く」ためにはどうしたらいいの? 子育てをしながら働いている、もしくは働きたいと思っている全てのママにとって、このテーマは最大の関心事です。[前編]では具体的なママたちの今の悩みや想いを聞きながら、キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんにそれぞれアドバイスをいただきました。そこで[後編]では、理想の働き方を実現するための具体的なアドバイスを岩橋さんにお話いただきます。

参加者のプロフィールは前編をチェック!

過去の思い込みを取り払い、
0からスタートしよう!

岩橋さん:私がキャリア相談にのる時には大事な順番があります。まず最初に、今の自分の思い込みや制約を全て取り払って、本当は何を望んでいるのかを知ることです。例えば、「子どもの髪に毎日ドライヤーをかけなきゃ」というような些細なことから、「家族にご飯を作らなきゃ」「私は女性でママだから」なども思い込みに当たります。つまり、自分が本当に思っていることと、世の中的なよいことが混在してしまっている状態です。子どもが小さいから一緒にいた方がよいと社会的に言われているから一緒にいたいのか、本当に自分が一緒にいたいのか。そういった混在を一つずつ解きほぐしていくと、自分の本当の気持ちが現れてきて、ようやく理想の自分が見えてくるはずです。

近江谷さん:私も次の仕事について考える時、必ず「元美容部員だから」と考えてしまっていました。思い込みなんですね。

岩橋さん:既存の情報に引きずられた理想や思い込みを取り払ったら、美容とは関係ないところからスタートできるかもしれませんね。今の私たち世代は、過去の経験よりもこれから先の生きていく時代の方が長いので、今0からのスタートでもいいんです。

自分の中の決意を
仮決定していこう!

星さん:仕事への復帰時期については、例えば小学校入学のタイミングなどがいいのでしょうか?

岩橋さん:一概に「小学1年のタイミングで」といったマニュアルに左右される必要はありません。前にもお話したように、女性の選択肢は無数にあって答えは一つではないんです。ちなみに私の場合は、長男が保育園に通っていた時代が、夜まで子どもを預かってくれるので、安心して仕事に打ち込める時期だと捉えていました。そこで、準備を整えて、子どもが小学校に入るタイミングで独立し、自由のきく働き方ができるようにと考えていたんです。どこかのタイミングで自分の中でこうしようと仮決定して、やってみてうまくいくか、もしうまくいかなかったら仮決定を修正しながらどんどん更新していくのがいいと思います。本決定だと重すぎてしまうので、仮くらいだと行動しやすいと思いませんか?

館石さん:確かに、仮決定だと新しいことにも挑戦しやすいかもしれません。

岩橋さん:あと大事なのは、「たぶん難しいと思うけれど」などのように言い訳をつけないこと。そう口にすることで、自分に暗示してしまうことにもなるんです。仮決定だけを口にして、自分に言い聞かせることで叶いやすくなります。

自分のやりたいことを
世の中のニーズとつなげていく

石渡さん:やりたいことが見つかっている場合に、次にすべきことは何でしょうか?

岩橋さん:石渡さんのようにすでに明確に見つかっている場合は、それが世の中のニーズに合うか、世の中にどうつなげていくかに視点を置いていくことが必要です。どんな仕事をするにしてもお客さんは必要ですよね。

近江谷さん:私はアクセサリーを作るのが趣味で、時々友人に販売することもあるんですけど、売れなくて在庫を抱えたら……と考えると仕事には結びつけにくいんです。

岩橋さん:在庫を抱えるのが怖いなら、小規模からスタートして、限定品や完全受注生産といった付加価値をつけて販売していくこともできます。お客さんの視点を最優先に考えることは大切ですが、自分の価値は自分でコントロールすることも大切です。もし先に自分と同じことをやっている人がいても、すでにやられていると諦めるのではなく、道を作ってくれてありがとうとプラスに考えると、逆に学ぶ機会にもなりますよ。

専業主婦は真っ白なキャンバス。
一番若い今こそ挑戦を!

岩橋さん:「私らしく働く」ことは、今の時代的なテーマでもあります。例えば、既存の仕事に自分を合わせるのではなく、自分の生活に仕事を合わせていくこともその一つです。私たち世代のママが恵まれているのは、子どもが「幼稚園に入ったら」「小学生になったら」と、子どもの成長の区切りに応じてスケジュールを考えられることです。一直線に進んでいく仕事の流れの中で、子どもを妊娠した瞬間からスタートするこうしたスケジュールは、実はとても貴重な区切りになるんです。男の人は、あまりそんな風に考えないでしょう。しかも専業主婦は退職・転職に関係しない0ベースなので動きやすいですし、真っ白なキャンバスと同じです。これからの自分の中で一番若い時に、さまざまなことに挑戦できるのはラッキーですよね。専業主婦という事象をプラス思考で捉えられると、生き方がぐっと充実してくるはずです。

星さん:やりたいことはいっぱいあっても、「でも」とストップしてしまいがちでした。0からスタートできるという先の目線で捉えると自己否定も消えますね!

近江谷さん:私は今日ここで自分の気持ちをいろいろ言葉にして、モヤモヤとしていた考えが少しクリアになった気がします。自分にも自信がもてそうです。

館石さん:岩橋さんのお話を聞いて、成功している人は考え方がポジティブなんだと実感しました!

石渡さん:子どもとの時間を大切にしつつどう理想を実現させていくか、それがわかった気がします。今日から「私らしく働く」ためにスタートしたいと思います!


―結婚・妊娠・出産などでライフステージが変わっていく時には、誰にも悩みはつきものです。でも、それはとても大きなチャンスでもあり、楽しみでもあり、ポジティブに捉えていくことが大切だとわかりました。今回ママたちは一人ひとり自分を振り返りながら考えを発信したことで、理想の生き方・働き方への次の一歩が見えてきたのではないでしょうか。

撮影/有坂政晴 取材・文/鈴木志野

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