4人の女性起業家による
「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション
-記事レポート- 前編
起業・独立のキッカケ

4人の女性起業家による 「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション 前編7

生き方や働き方は人それぞれ。大切にしたいことや価値観も違い、いろんな経験をされてきたと思います。特に女性の場合はお仕事だけではなく、結婚や出産といったライフイベントによっても生き方や働き方は大きく変わるもの。その時々で悩んだり、考え込んだりすることもあるのではないでしょうか。そんな女性たちに向けて少しでもヒントをお届けできたらと、2021年2月、公文教育研究会主催で『4人の女性起業家による「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション』を開催。このウェビナー(オンラインで実施するセミナー)では、これまでのお仕事や起業に至る経緯、起業のカタチ、今後のビジョンなどを話していただきました。自分らしい生き方、働き方のヒントがたくさん詰まっています。また、この記事レポートは、トークセッションの内容を、イラストレーター・ももこさんにわかりやすく表現していただきましたので、イラストもお楽しみください。前編では、起業・独立のキッカケについてお届けします!

4人の女性起業家による 「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション 前編6

<プロフィール>
■ファシリテーター
岩橋ひかり(株式会社MYコンパス 代表取締役・キャリアコンサルタント)
株式会社MYコンパス 岩橋ひかり

2017年に起業。オンラインを活用したキャリア講座を運営し、国内外1万人以上の女性をサポート。「女性がライフステージの変化に柔軟に、才能を活かしながら幸せに生きていける社会」を目指す。二児の母。

 

■パネラー
星田奈々子(フィットミー株式会社 代表取締役)

好みの生地×デザイン×ジャストサイズの洋服を1万円台で仕立てる「Fit Me Order made」を32歳で創業。副業をスタートし、40歳で出産を機に独立。一女の母。

 

簗田英代(公文式柿の木坂北教室 指導・運営責任者)
公文式 簗田英代

出産・育児を機に退職し、フランチャイズで公文式教室を開設。現在、幼児〜社会人の生徒を指導している。双子の母。

 

水瀬まい(人材系企業勤務×「“i”クリエイト」代表)
フィットミー株式会社 星田奈々子

平日は会社員として時短勤務で企業の採用コンサルタントをしながら、平日の朝と週末は“i”クリエイトの代表としてライフキャリア構築支援(キャリアカウンセリング/小さなひとり起業・副業用ビジネスコンサルティング/生年月日による資質鑑定/ママ向けメンタルサポート)などを行っている。一男の母。


いつか独立したいと思っていたけど、当時の上司の理解もあってパラレルキャリア(複業)からスタートしたんです。(星田奈々子さん)

ファシリテーターを務める岩橋さんがリードする形でスタートした、『4人の女性起業家による「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション』のウェビナー。それぞれの簡単な自己紹介をした後、まずは星田さんに起業したキッカケを伺っていきました。

「高校時代から留学したり、就職先も今では大手として認識されていますが当時はそうでもなかったりと、常に逆境というか、“山を登る系”に行ってしまうんです」という星田さん。ご両親も会社勤めしながら起業されていたそうで、いつかは独立したい想いをずっと抱いていたと言います。そんな星田さんが独立を考えたのが、32歳のとき。今後の自身のキャリアを考えた時に、マネジメント職をのぼりつめていくだけかもしれないと実感し、もっと誰かを幸せにできるビジネスをしたくて思いついたのが『フィットミーオーダーメイド』のビジネスモデルだったそう。そして、上司に退職の意志を示したところ、思いがけない返答があったとのこと。「当時の上司の方がすごく革新的というか、まだまだ小さいビジネスなのに会社を辞めるの?って言われたんです。素敵なビジネスだと思うから、左手でその事業をして、右手で今の仕事を回せばいいじゃないかと。そんなことを言われるとは思ってもみなかったので、ちょっと考えさせてくださいと言いました」。一晩じっくり考え、子育てしながらビジネスしている人がいるのであれば、自分の新規事業を育てながら勤めるのもありかなと決心したそうです。

4人の女性起業家による 「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション 前編5

しかし、リスクを抑えながら新規事業に取り組めるとはいえ、当時はまだまだパラレルキャリアが認められていない時代。それでも、勤めながら自分の事業を立ち上げるという選択は、ご本人が「逆境に飛び込んでいくタイプ」と語られている通り。自分の想いを大切にされているからこそ自然と導かれていったのかもしれません。


子育てをしながら自分の時間もつくれる仕事って何があるだろう。そう考えている時に出合ったのが、「くもんの先生」でした。(簗田英代さん)

続いては、くもんの先生として働いている簗田さんが起業したキッカケについて。大学卒業後は一般企業に就職し、出産と育児を機に退職したという簗田さん。何かやってみたいけど、一人で何からやったらいいか、どうしていいかわからず守りに入ってしまう部分があったと言います。これは多くの皆さんが同じように悩まれていることではないでしょうか。

簗田さんの場合、子育てをしっかり楽しみながら自分の時間も自由につくれる、そんなお仕事がないか模索していく中で出合ったのがくもんの先生のお仕事でした。「フランチャイズで事業を立ち上げられることにも興味があり、くもんの先生をしている親戚もいたのでちょっと聞いてみたんです。私自身のイメージでは子育てがひと段落した方がくもんの先生をやっているように思っていましたが、実はそうでもなくて。子どもが1歳や2歳の頃から始めている人も多いと聞いて、びっくりしました。子育てが落ち着いてからでは遅すぎるし、今できることを考えた時に、くもんの先生はピッタリなんじゃないかなと。それで、説明会に参加してみました」

4人の女性起業家による 「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション 前編1

説明会では教室の開設場所や収入など、不安に感じていたことを全て質問。不安も解消でき、開設前やその後もKUMONの担当スタッフによるサポートがあることを聞いて、改めて決意が固まったそう。そして、双子のお子さんが2歳の時に教室を開設したと言います。現在の働き方について聞いてみると、「教室があるのは週2日です。それ以外にも入会希望の方や保護者の方との面談があったり、教室の準備などもあるので週2日だけ働いているわけではありません。でも、午前中にやることもできるし、子どもが寝た後に作業することもできる。自分の中で時間をやりくりできるので、自分の時間が持てるのは確かだと思いますね」と語ってくれました。

4人の女性起業家による 「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション 前編4

ワーママは大変という社会の風潮を変えたいという想いから結果的にビジネス化し、起業に至りました。(水瀬まいさん)

もともとはメーカーで商品開発やマーケティングを担当していた水瀬さん。やりたいお仕事だったのでこのまま働き続けると思っていたものの、出産して復職した時にキャリアの壁にぶつかったそうです。「時短勤務で成果を出すのはすごく大変で、マーケターとして成功するのか、管理職になるのか、進みたい道が見えなくなってしまった」と、改めて自分の仕事やキャリアを見つめ直すことになったと言います。

水瀬さんは、ちょうどその頃に今回のファシリテーターである岩橋さんにキャリアカウンセリングを依頼。「自分の仕事やキャリア、大切なことを見つめ直すと、やっぱりマーケティングや商品開発の仕事は好きだと思ったんです。でも、自分みたいに悩んでいるワーママが楽しく生きられるようにしたい。ワーママは大変という社会の風潮を変えたい。そんな想いも芽生えてきたんです」と、起業に向けた小さな種も生まれてきたそう。そして、ママ仲間を集めて楽しく生きるための解決策を探り合いましょう、といったお茶会を開いたり、雑談できる場を設けたり、ひとまずは趣味の領域で1年くらい活動していました。すると、だんだんとキャリア相談や商品開発のレクチャーといった依頼が来るようになったそうです。

4人の女性起業家による 「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション 前編3

「最初はサービスでやっていたんですが、次第に自分の時間がなくなっていって…。子どもは2歳くらいだったので、ベビーシッターにお願いすると完全に赤字状態。このままじゃ続けられないなと思って費用をいただくうちに、いつの間にかビジネスになっていたという感じです。前職が副業禁止だったのと、もっと人のことを知ることができる自由な働き方がしたかったので、人材系の会社に転職して、現在はパラレルキャリアをしています」と話してくれました。自身の置かれた環境や状況に向き合うことで新たな想いが生まれ、その道をどんどん突き進むことが起業のキッカケとなった水瀬さん。自分の想いと向き合い、その想いを大切にしてカタチにされていく様子が伝わってきました。

4人の女性起業家による 「自分らしい生き方をかなえる」トークセッション 前編2

起業のキッカケは3人それぞれありますが、共通するのは自分の心の中にある想いを大切にしていることと、それをすぐに何かしらの行動に移されていること。女性は、結婚や出産、子育てなどのライフイベントによっていろんな変化が起きるかと思います。3人のエピソードが皆さんのヒントとなればと思い、お届けしました。後編では、パラレルキャリアやフランチャイズの起業のカタチにフォーカス。自分らしい生き方や働き方のヒントになるお話をお届けします。
 
後編はこちら

撮影/原田康雄 文/前出明弘  イラスト:ももこ

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