ミニマリストの暮らしや家事に関する書籍を多数上梓し、共働き夫婦で3児を育てた尾崎友吏子さん。仕事と子育てを両立する忙しい日々のなかで、少しでも無駄や負担を減らし、家事が効率的にまわる秘訣を教えてもらいました。「力を抜いて、少しでもごきげんで過ごしたい」と、尾崎さんが心がけていた考え方とは?ミニマリストの尾崎さんならではの視点にも注目です。
<教えてくれた人>
尾崎友吏子さん
3人の男の子を育てたワーママで、ミニマリスト。家事や暮らしのことなどを発信するブログや書籍が人気。主な著書に『3人子持ち働く母の「追われない家事」』、『3人子持ち 働く母の モノを減らして 家事や家計をラクにする方法』(ともにKADOKAWA)など。
https://www.cozy-nest.net/
1:家事に優先順位をつける
わが家の家事全体を見直してみると、「親がそうしていたから」「やった方がいいと思っていた」など、意外と慣習的になってしまっている家事があります。「その家事を本当にやる必要があるのか?」「何のためにその家事をやるの?」と考えてみるようにしましょう。
どうしてもやらなきゃいけない家事以外は、思い切ってやめてみるのも一つの選択肢。そして決めたことだけに、労力と時間を使うようにしましょう。大切なことだけに集中できると、より効率的になると思います。
2:「気が楽になる」選択肢を見つける
1つの家事に対して「完璧にやらなきゃ!」と、こだわりや細かい工程に囚われすぎないように注意しましょう。もし頑張りすぎて、暮らしがいっぱいいっぱいになっているなら本末転倒。もし大変だと感じているのなら、「どうしたら、自分の気が楽になるか?」と考えてみて、気が楽になる方法を模索してみることも大切です。代わりの選択肢や、手抜きしてもOKなポイントなど、解決の糸口が見つかるかもしれません。
3:「時間簿」をつけてみる
多くの人は、未来の予定をスケジュールに書き込みますが、過ぎた時間のことは意外と振り返らないものです。家計簿のように、過去の自分が何にどれくらい時間を使ったか一度書き出してみるのをおすすめします。1日や3日間、1週間単位などで振り返ってみて、「何時から何時に何をした」と細かく自分の行動を書き出してみましょう。すると、何をしていたのかわからない空白の時間に気づくことができます。家計簿も、実際に使ったお金を細かく記録することで、無駄に気づいたり、反省が生まれたりしますよね。
4:終わりの時間を守る
私たちは、仕事や会議、待ち合わせなど、開始時間を厳守することには慣れているのですが、終わりの時間には意外とルーズなものです。家事を始めるときに「何時には必ず終わらせる」というのを決めて、さらにその時間を守ることを心がけましょう。決めた時間内にぐっと集中して、取り組めるようになると思います。
5:コントロールできるところだけ頑張る
特に子どもが小さいときは、子どもの急病や融通が利かない行事、調整することが難しい仕事のことなど、自分ではコントロールできないことも多く、辛い…と感じてしまうことも多いと思います。ですが「予定通りにならなくて当たり前!」と、いち早く気持ちを切り替えましょう。予期せぬことが起こったときこそ冷静に。イライラ、モヤモヤする代わりに、自分自身で時間配分ができる家事の時間に、集中して一気に終わらせてしまいましょう。やるべき時間にとことんやる!と、時間の使い方にメリハリをつけることで、気分転換にもつながります。
「子どもたちに口うるさく注意をしたくないので、まずは親の行動や態度で子どもの見本になりたい」と語ってくれた尾崎さん。一つの軸を持つことで、時間や体力を無駄にすることが圧倒的に減ったそう。尾崎さんが実践している方法や考え方を取り入れて、皆さんが少しでもゆとりを持って暮らせますように。
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イラスト:コナガイ香 編集・文:阿部里歩