「今の仕事をこのまま続けるべき?」と思いながらも、転職をするのは不安……。そんなモヤモヤを抱える会社員ママのお悩みに、先輩ママがお答えします。お悩みに答えてくれるのは、2児の母で、IT企業に勤務しながら育休コミュニティ「MIRAIS」を主宰する栗林真由美さん。仕事と育児を両立しながら、自分らしいキャリアを築く栗林さんの言葉に、悩みが解消するヒントが見つかるかもしれません。
<教えてくれた人>
新ワーママ革命コンサルタント
栗林真由美さん
IT企業に勤務する傍ら、育休コミュニティ「MIRAIS」を主宰。第一子の育休中に、「子どもがいるからこそキャリアを諦めない働き方を」という思いから、育休の勉強会の立ち上げなど精力的に活動。復帰後、社内で初めて時短での昇格を果たす。第二子の育休中に、育休コミュニティ「MIRAIS」を設立。ブログやインスタグラムなどで、ワーママのための情報を発信中。
Instagram:@mayumin_view
<ワーママのお悩み1>
小学校に上がったら子どもが早く帰ってくるので、働き方を変えるべきですか?
小学生になると保育園よりも早く帰宅するので、家で「おかえり」と出迎えてあげたいという方も多くいらっしゃいます。また、低学年のうちは、音読チェックなど保護者が見るべき宿題も多いと思います。まず「優先したいことは何か」を考えてみてほしいなと思います。
以前、子どもが小学校に上がったタイミングで、在宅ワークを増やした方の話をお聞きしました。仕事中に「遊ぼう」「お腹すいた」「宿題教えて」などと話しかけられて業務に集中できなかったり、宿題をやっていると思ったら遊んでいたのでイライラしてしまったり……。思い描いた通りにはならなかった、というお話でした。実際、わたしもコロナ禍の在宅ワークの経験から、仕事をしながら同時に子どもを見ることは難しいと感じていました。わたしの場合、優先すべきなのは、短時間でもいいからお互いに笑顔で楽しい時間を過ごすことだと思ったので、民間の学童に預けることにしました。自身の中に優先順位があったから、この選択ができたのです。
同時に、どういう働き方ができるのか事前に調べることも大切なことです。会社の制度として、在宅ワークは週に何回できるのか、習いごとの送り迎えなどで中抜けはできるのか、民間の学童についてなど。優先したいことと叶えられる働き方に必要なことを、調べたり、試したりしてみてくださいね。
<ワーママのお悩み2>
もうすぐ40代です。転職するなら今のタイミングしかないでしょうか?
コロナ禍で、働く場所や時間を問わず、フルリモートで仕事ができる企業も増えましたよね。これは、ワーママにとって追い風ではないでしょうか。
それでも、求人には「35歳まで」と記載している企業もまだまだ多いのが現状です。もし今が転職のタイミング!と思うのであれば、一刻も早く行動した方がいいと思います。実際、転職活動をしたからと言って、必ず転職先が決まるわけではありませんよね。思い立ったのなら、転職サイトに登録して求人を見るなど、肌感覚で情報を得てみてください。
また、他社を見て、自社の強みを知るということもあると思います。転職活動をするメリットもあると思うので、まずは行動に移してみましょう。
<ワーママのお悩み3>
今、転職するか2人目の出産を考えるか悩んでいます。どっちを優先すべきか決められません。
30代くらいの方に多いお悩みだと思います。みなさんたくさん悩まれることだと思いますが、ひとつ言えるのは、妊娠・出産には、時間的に制限があるということです。転職はやろうと思えば、あまり年齢は関係ありません。その事実を踏まえて、今どちらを優先すべきか。パートナーともよく話してみてほしいと思います。
<ワーママのお悩み4>
同期が昇進していくなか、自分はなかなか昇進の機会がありません。キャリアは諦めた方がいいでしょうか?
昇進していく同期と自分を比べて、自信をなくしてしまうことはありますよね。ですが、それを理由に、キャリアを諦めなくてもいいと思います。昇進したからと言って、将来安泰という保証はないですし、あなたに今後一切昇格の機会がないとも限りませんよね。
まず、「なぜ働くのか?」「なぜ昇進したいのか?」という軸を持つようにしてほしいと思います。その軸がないと、ことあるごとに悩んだり、「やっぱりワーママだから難しい」などと諦めやすくなってしまいます。軸があれば、きっと今やるべきことが明確になり、自分自身に集中することができるはずです。
<ワーママのお悩み5>
今の会社でこの先もずっとやっていけるか不安ですが、転職するのも不安。なかなか決断できません。
ただ不安を抱えているだけなのはもったいない! もしまだ何もアクションをとっていない状態であれば、まずは、社内公募や異動など、会社の制度や事例を調べたり、上司に相談をしてみたり、何か行動してみることをおすすめします。今見えている景色の中で決断できないのであれば、まだ見えていない景色を見たうえで判断するということでも遅くないと思います。現状の不安を解消するため、できることをすべてやり切ってから、場所を変えることを考えてみるのはどうでしょうか。
そして、わたしは「会社が変わらずにずっとある」という前提も考え直してみてほしいなと思います。突然、会社が売却されて株主が変わったり、分社化したり、大量解雇されたり……いつ何が起こるかわからないご時世ですよね。会社員こそフリーランスのマインドで、会社に依存せず自立する意識を持つことが大切だと思っています。
キャリアに関する悩みや不安は誰にでもあるものだと思いますが、思考を切り替えて、行動をするならきっと今。栗林さんのアドバイスで、悩みを解消するために一歩踏み出せる方が少しでも増えることを願って。
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イラスト:macco 編集・文:阿部里歩 監修:HugMug編集部