お正月飾りや遊びのアイディア、七草がゆレシピ。子どもと楽しみたい新年の過ごし方

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<教えてくれた人>
杉浦さやかさん

杉浦さやか

絵本やママ雑誌などでイラストレーターとして活躍中。文章にも定評があり、イラスト&エッセイの著書多数。著書『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)は、季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事などを杉浦さんのスケッチにより紹介している。同シリーズとなる新刊『わたしたちの歳時記』が12月24日に発売。
Instagram:@sayaka_sugiura


1_干支人形&もちばなで、簡単でかわいいお正月かざり

玄関やリビングの棚に、その年の干支人形を飾るだけで一気にお正月のムードが漂います。子どもとの会話のきっかけにもつながります。

伝統的な陶器や張り子で作られた干支人形。小さなサイズ感なので、12種類の動物をコレクションして、その年のものを飾るだけ。土鈴などを購入すると付いてくる敷板や赤い布などを下に敷いて飾りましょう。その横に小さな花瓶を置いたり、民芸品の鞠を飾ったりするのもおすすめです。

また、和紙を切って作った紙垂(しで)をスワッグにつければ、簡単お正月かざりに。和紙がなければ、半紙やコピー用紙でも。

「私は民芸のお人形が好きなのでたくさんコレクションしています。動物が同じであれば、海外製の民芸品や他の人形も素敵だと思います。子どもと一緒に相談しながら、毎年買い揃えるのも楽しそうですね」(杉浦さん)

〈干支の豆知識〉
12種類の動物が1年ごとに割り当てられ、私たちにとって馴染み深い干支。もともと干支とは、「十干十二支(じっかんじゅうにし)」を省略した言葉で、古来中国から日本に伝わった考え方です。「十二支」は暦や時間を表すために使われていたそう。年賀状にその年の動物を描く風習が始まった理由は諸説ありますが、新年の始まりや送る相手の幸せを願う意味があったのではないかと考えられています。

「餅花」とは、日本の一部地域で行われていたお正月の風習です。ヤナギなどの木に小さく切った餅や団子をさして飾り、1年の豊作を願うお正月飾り。工作感覚で簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみましょう!

作り方
1.切り餅1個を4等分して、耐熱容器に入れて電子レンジで1分ほど加熱する。
2.容器にほんの少量の食紅をといた水につけて混ぜて、1の半分を入れてピンク色にする。
3.1のもう半分に、片栗粉をまぶす。
4.お餅が固まる前に、手早く小さくちぎって枝につけていく。花瓶が倒れないように、あらかじめ石をいくつか入れて重石をします。

「すぐお餅が硬くなるので、少しずつ温めて作りましょう。枝はなんでもOKですが、しなってきれいなので私はもみじの枝を使っています」(杉浦さん)

2_家族みんなで遊ぼう!簡単で楽しいお正月遊び工作

手作りのお正月遊びで、作る時間も遊ぶ時間ももっと特別になります。おうちにあるもので簡単にできる、素敵なお正月遊び工作のアイディアを2つ教えていただきました。帰省先で、おじいちゃんとおばあちゃん、従兄弟と一緒に遊んでみよう!

牛乳パック羽子板
お正月にしか使わない羽子板は、家にあるもので手軽に作りましょう。羽は風船、羽子板は牛乳パックと割り箸から作ります。風船が軽くて大きいので、小さな子どもも打ちやすいのがポイントです。

作り方
1.牛乳パックを平らに開いて、上下を切る。
2.二つ折りにして底の左右を斜めにカット。
3.油性ペンなどで好きな絵を描く。シール、折り紙などで貼り絵をしてもOK。
4.片側に割り箸(割ってないもの)をガムテープで貼る。ぐらつかないように、横に2本、縦にも貼ってしっかりとめる。
5.両面テープを片側の端にぐるりと貼り、両面を貼り合わせる。

紙皿のコマ
紙皿とミニサイズの紙コップだけで、コマを作ります。はさみを使わないので、小さい子と一緒に手作りするのも安心です。好きな絵を描いて、お気に入りの作品を作ってみよう!

作り方
*ここで使った紙コップはミニサイズのもの(高さ6センチ、直径5.5センチ)。紙皿は直径18cmのもの。

1.紙皿を縦、横それぞれ半分に折り、十字に折り目をつける。
2.お皿の中央に紙コップをおいて、フチを1周なぞって印をつける。
3.印の外側に好きな絵を描いたり、シールを貼ったりしてデコレーションする。同様に紙コップにも。
4.2でつけた印に合わせて、紙コップをつける。4ヶ所ほどテープで留める。

「コマを回すと色が混ざり合うので、模様や色はカラフルに、そして放射状に描くときれいです。紙皿のフチを花柄に切ったり、切り込みを入れても面白い!」(杉浦さん)

3_七草がゆ、なぜ食べる?種類と作り方

七草がゆは、毎年1月7日の人日の節句の行事食のことです。1月7日の朝に「春の七草」を入れた七草がゆを食べると、その1年を無病息災で過ごせるといわれています。

春の七草は、胃腸を労ったり、冬に不足しがちなビタミンを補う効果があります。年末年始の贅沢な食事で疲れた胃腸を休めたり、風邪や肌荒れ予防につながります。

最近では、スーパーで少量ずつ入ったパックも販売されているので、活用してみましょう。

作り方
1.すずな、すずしろは皮のまま細かく切って先に煮て、青菜を後から入れてさっとゆがく。青菜はしぼって細かく刻む。
2.鍋に、ご飯を茶碗一杯強と水を適量入れて、煮る。
3.お米が柔らかくなったら七草を入れ、塩、白だし(お好み)で味を整える。

「塩だけで作る方も多いようですが、わが家は味が欲しくて白だしを少々入れます。子どもも食べやすくなります。また、娘が野菜嫌いだったので、ちんげん菜とベーコン、小さく切って焼いたお餅を入れた青菜粥を作っていました」(杉浦さん)

〈春の七草の豆知識〉
「春の七草」とは、ちょうどこの時期に若菜が生える7種類の草のこと。せりは“競り勝つ”、すずなは“神を呼ぶ鈴”など、それぞれ縁起のよい意味合いが込められています。時代や地域によって、使う草には違いもあるそうです。


日本古来の風習を大切にしながら、お正月を楽しむ工夫をご紹介しました。杉浦さんに教えていただいたアイディアで、どうか素敵な新年を迎えてくださいね。

ゆず湯の入り方や冬至かぼちゃのレシピ。子どもと楽しみたい冬至の過ごし方

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<教えてくれた人>
杉浦さやかさん

杉浦さやか

絵本やママ雑誌などでイラストレーターとして活躍中。文章にも定評があり、イラスト&エッセイの著書多数。著書『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)は、季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事などを杉浦さんのスケッチにより紹介している。同シリーズとなる新刊『わたしたちの歳時記』(ワニブックス)を12月発売予定。
Instagram:@sayaka_sugiura


1_冬至っていつ?伝統的な冬至の過ごし方

二十四節気のひとつで、1年で最も昼の時間が短くなる日。冬至の日は、天文学的に定められており、毎年12月21日か22日とされています。

冬至の日、日本で古くから行われてきた伝統的な習慣としてよく知られているのが、「ゆず湯に入ること」と「かぼちゃを食べること」の2つ。

・なぜ冬至にゆず湯に入るの?
昔は冬至を境に、どんどん昼が長くなるので太陽の力が強くなり、運気が上昇するといわれていました。当時は毎日入浴する習慣がなかったため、運気を呼び込む前に“無病息災を祈り、入浴で体を清めよう”という習わしが広まりました。ちょうど旬を迎えるゆずは香りが強く、これが邪気を払うと考えられていたのだそう。ゆず湯に入れば、風邪をひかずに冬を越せるといわれています。

・なぜ冬至にかぼちゃを食べるの?
夏に旬を迎える夏野菜のかぼちゃ。昔は今に比べて保存技術が発達していなかったため、野菜を長期保存することは難しく、1年中野菜を食べることはできませんでした。ですが、かぼちゃは、比較的長期保存ができる貴重な野菜。ビタミンや食物繊維など多くの栄養を含むので、風邪予防ができる食材として、冬至に食べる習慣が生まれたそうです。

2_「ゆず湯」のおすすめのやり方と効能

ゆずの果皮に含まれるリモネンという成分が、血行を促進し体を温めてくれます。また、果皮にはビタミンCも含まれていて、肌荒れ防止や美肌・アンチエイジング効果も。さらに爽やかな香りは、リラックス効果などうれしい効果もたくさん。

杉浦さんからおすすめのゆず湯の入浴方法と、余ったゆず果汁の活用方法を教えてもらいました。
ゆず湯

<ゆず湯のやり方>
ゆずの果汁を絞って、ガーゼやお茶パック、水切りネットなどに入れる。湯船に浮かべて完成。

「ゆずは種が多いので、茶漉しを使うとスムーズに絞れます」(杉浦さん)

ゆず湯に使ったゆず皮には、クエン酸が含まれているため、水まわりの掃除に使ってから処分してもOK。

<ゆずの果汁を使って、ゼリーづくり>
材料
・ゆず果汁…3個分(大さじ3)
・砂糖…50g
・水…200cc
・ゼラチン…3g(大さじ2の水でふやかす)

つくり方
1.果汁、水、砂糖を鍋に入れて、弱火にかけて砂糖を溶かす。溶けたら火を止める。
2.ふやかしたゼラチンを、1の鍋に入れて完全に溶かす。
3.冷蔵庫で2~3時間冷やし固める。

3_「冬至かぼちゃ」の作り方は?おすすめのレシピ

どうせなら、楽しく、おいしく、冬至かぼちゃを食べたい!小さな子どももパクパク食べられるかぼちゃグラタンの簡単レシピを教えてもらいました。

材料
・かぼちゃ…1/6(種を取る)
・ベーコン…2枚
・タマネギ…1/2
・小麦粉…大さじ1
・牛乳…300cc
・コンソメ…1つ
・塩・胡椒…少々
・バター…20g
・ピザ用チーズ…お好み

1.かぼちゃを一口大に切り、電子レンジ600wで4~5分加熱する。ベーコンは細切り、タマネギは薄切りにする。
2.フライパンにバターを溶かし、1のタマネギとベーコンを炒め、火が通ったら小麦粉を加えて炒める。
3.牛乳を少しずつ加え、コンソメ、塩・胡椒も加えてとろみをつける。
4. かぼちゃを加えて混ぜ、耐熱皿に入れる。チーズをかけ、200℃に予熱したオーブンで10分焼く。
*火が通っているので、オーブントースターで5分程度、チーズに焦げ目をつけるだけでもOK。

4_真冬の風邪対策について

風邪っぽいかも?と感じたら、体をしっかり温めることが大切だと杉浦さん。ここでは、杉浦さんがおうちでやっている冷え対策について教えてもらいました。

夜寝る前や朝起きたとき、足湯をするだけで、足元からぽかぽかに。悪寒を感じたときにもぴったりです。徐々に温度を上げていくので、お湯を沸かしながらスタートします。

<足湯のやり方>
1.足がすっぽり入る、バケツや琺瑯の大きな鉢などの容器とお湯を用意する。
2.冷えのツボ・三陰交(くるぶしの上指3本の高さ)まで浸かるようにする。
3.普段のお風呂の温度の少しぬるいくらい(約40℃)でスタート。3分間浸かる。2回目は少し熱め(約41℃)、3回目はもう少し熱め(約42℃)と各3分間ずつ、計3回浸かる。

ポイント
・熱湯を扱うので、常に子どもにしぶきなどがかからないように気をつけてください。
・温度は感覚でみているので、適当でも大丈夫です。

「わが家では、娘が小学校入学時の緊張で頻尿になり、整体師さんに勧められてスタートしました。夏場以外は6年生になった今も平日はほぼ毎朝続けている習慣です。温かくて気持ちよく、目を覚ますのにもちょうどいいよう。そのおかげか風邪もひきかけでほぼ治ります。私も他の家族も、“風邪気味かな?喉が痛いかも…”いうときには、早めに漢方を飲んで足湯をします。風邪で寝込むことはありません」(杉浦さん)

体を内側からぽかぽか温めてくれるジンジャーシロップも、冷えには効果的。杉浦家のレシピを教えてもらいました。

<つくり方>
1.皮付きのしょうがをスライスして、鍋に入れ、同量の三温糖(きび砂糖でもなんでも可)を入れ、30分ほど置いて水を出す。
2.弱火で30分ほど煮る。煮沸消毒した瓶に入れる。お好みでレモン汁を入れても。


冬至に楽しみたい、ゆず湯や冬至かぼちゃについてのことから、真冬の冷え対策まで、暮らし上手な杉浦さんのアイディアをご紹介しました。ぜひ家族と一緒に試してみてください♪

【行楽の秋や食欲の秋、芸術の秋】
親子で楽しむ、秋のいろいろ。レシピや工作も!

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<教えてくれた人>
杉浦さやかさん

杉浦さやか

絵本やママ雑誌などでイラストレーターとして活躍中。文章にも定評があり、イラスト&エッセイの著書多数。著書『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)は、季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事などを杉浦さんのスケッチにより紹介している。同シリーズとなる新刊『わたしたちの歳時記』(ワニブックス)を12月発売予定。
Instagram:@sayaka_sugiura


「◯◯の秋」の由来、知ってる?

秋分の日を過ぎると、少しずつ夜の時間が長くなります。暑さも徐々にやわらぎ、何をするにもちょうど快適な気温。ここでは、さまざまな「◯◯の秋」の由来について解説します。

1.食欲の秋

お米をはじめ、さまざまな農作物が収穫シーズンを迎える季節です。秋に旬を迎える食べものといえば、さつまいも、かぼちゃ、秋刀魚、栗、ぶどう、りんご、きのこ、柿など、おいしい食べ物ばかり。

2.行楽の秋/紅葉狩り

日本の秋は、見事な紅葉が楽しめます。この景色を楽しむため、登山やハイキング、ピクニック、キャンプなど、外で過ごすアクティビティがぴったり。また、全国各地で大規模イベントも多く、旅行にも適した季節です。

3.芸術の秋、アートの秋

美しく豊かな自然を身近に楽しめる時期。「芸術の秋」という言葉は、1918年に発行された文芸誌が由来とされています。展覧会や芸術祭など、多くのアートイベントが開催されています。

4.スポーツの秋

運動会や体育祭も多く、スポーツを行いやすい気候ですが、もともとの由来は、1964年に開催された東京オリンピック。開会式が行われた10/10であったことから、10/10が「体育の日」として祝日が制定されました。現在は、10月の第2月曜日になり、名称も「スポーツの日」に変わっています。

5.読書の秋

秋の夜長で、静かに過ごせる時間が増えることから読書にぴったり。もともとは、8世紀ごろ中国から伝わった「時秋積雨霽 新涼入郊墟 燈火稍可親 簡編可卷舒(秋になって長雨が終わって空も晴れ、涼しさが丘陵にもきている。ようやく夜の灯に親しんで、書物を広げられる)」という詩に由来するといわれています。これを夏目漱石が引用し、「読書の秋」という言葉が定着したそうです。

ここからは、親子におすすめしたい秋の楽しみ方を杉浦さんに教えていただきます。


【簡単親子工作】秋の落としもので遊ぼう

秋の公園やお庭には、きれいに紅葉した落ち葉や木の実、枝など、宝物がいっぱい。つくる時間も完成したものもスペシャルになる、とっておきの工作アイディアを教えてもらいました。

1.押し葉

きれいな落ち葉を見つけたら、押し花のように保存してみよう。

つくり方:図鑑などの重い本のページにティッシュを広げて葉っぱを並べ、その上にもう一枚ティッシュをのせて本を閉じ、その上に何冊か本をのせて重しにする。1週間ほどで水分が抜けてきれいな押し葉になる。

2.貼り絵

落ち葉や木の実を主役にして、好きなモチーフを完成させよう!

つくり方:つくりたいものを決めて、落ち葉や木の実を画用紙に貼り付ける。クレヨンなどの画材で、背景を追加したら、完成度がUP。

3.リース

クリスマスのリースのように、秋バージョンもつくってみよう!

つくり方:100円ショップで小さいサイズのリース台を用意する。落ち葉や木の実を、木工用ボンドで貼る。木の実を貼るときは、しばらく手で押さえて固定させると◎。

4.オーナメント

秋の落としものたちをつなげて、世界にひとつのオーナメントづくり。

つくり方:100円ショップで買えるコットンレース糸(色もきれいで、しなやかで強く、結びやすくておすすめ)を用意する。好きな色でOK!枝や茎に、糸を5回くらいくるくる巻いて、2回固結びする。松ぼっくりは、傘の上の方に糸をぐるっと引っ掛けて結ぶ。オーナメントをひもで結ぶのは、大人がやる。


【レシピ】秋の食べもので簡単スイーツ&ジャムづくり

甘くて、ほくほくのかぼちゃは、秋を代表する食べものです。免疫力向上、風邪予防、疲労回復など、豊富な栄養素がたっぷり。そんなかぼちゃが主役のマフィンと、さらに、秋のくだもののりんごとぶどうを使ったフルーツジャムのレシピを教えていただきました。特にジャムは、フルーツを切って煮るだけなので、子どもとのお菓子づくり入門にぴったり!

材料(6個)
・かぼちゃ(種、ワタなし)…180g
・ホットケーキミックス…150g
・卵…1個
・砂糖… 50g
・牛乳…100ml
・バター… 40g

つくり方
1.皮をむき、乱切りに切ったかぼちゃを電子レンジ600wで4分加熱する。皮は細く切ったものを6つ分つくっておく。
2.1をフォークでつぶし、溶かしバターを混ぜる。
3.ボウルに砂糖、牛乳、溶き卵を入れ、ホイッパーでよく混ぜる。
4.2とホットケーキミックスを入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜる。
5.4を型に入れ、真ん中に1の皮をさす。180℃に予熱したオーブンで20分焼く。

「ホットケーキミックスを使うので、簡単にできますよ。かぼちゃの皮も活用して、かわいくておいしいかぼちゃマフィンを作ってみてくださいね。ハロウィンスイーツにもおすすめです!」(杉浦さん)

材料(つくりやすい分量)
・りんごまたはぶどう(ぶどうは種無しで皮ごと食べられるもの)…好きな量
・砂糖…フルーツの分量の30%
・レモン汁…1/2個

つくり方
1.りんごはよく洗い、皮ごとイチョウ切りにする。ぶどうは1粒を2~4つに切る。
2.鍋に入れてレモン汁と砂糖をまぶし、1時間ほど置いて水分を出す。
3.中火にかけて煮立ったら弱火で20分ほど煮る。もし、水分が足りなくなったら、100%のフルーツジュースを足す。
※ジャムを保存する瓶は、煮沸消毒後よく乾かしてから、ジャムを入れてください。

「フルーツは、単体で作っても、いくつか混ぜてもおいしくなりますよ。完成したジャムは、クリームチーズと一緒にクラッカーにのせたり、ジャムパフェをつくれば贅沢なおやつに!」(杉浦さん)


旅行やお出かけで、芸術の秋を堪能しよう!

「娘が幼児の頃、一緒に絵画展に連れて行ったことがありますが、静かにさせられて何もできず退屈な娘と、ゆっくり落ち着いて鑑賞できない私。お互いにストレスがたまっただけでした。そんな時、親子一緒に思い切り楽しめたのが“現代アートの展覧会”。参加体験型の展覧会なら、自由に作品に触れることができたり、体験したり、小さい子もうんと楽しめる!秋は、展覧会や芸術祭があちこちで開かれるので、気になるものを探して出かけてみてくださいね」(杉浦さん)

1.インスタレーションを探す

空間全体を作品として体験できる芸術、インスタレーション。「インスタレーション 展示 地域名」と検索して、探してみましょう。開けたり、覗いたり、描き込んだり……と作品に参加して、忘れられない体験ができるかも。

2.旅先で現代アートの美術館に行く

全国各地には現代アートの美術館がたくさんあります。たとえば、青森県『十和田市現代美術館』、石川県『金沢21世紀美術館』、鹿児島県『霧島アートの森』、群馬県『原美術館ARC』など。ぜひ旅のついでに訪ねてみましょう。特に、神奈川県『箱根 彫刻の森美術館』はアスレチックのように遊べる作品もあり、子どもも大喜び間違いなしです!

3.芸術祭やアートフェアへ

新潟県の『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』のような大規模なものから、地域の魅力を感じる小規模なものまで、全国各地でさまざまな芸術祭やアートフェアが開催されます。近くで開催された時は、お散歩がてら、街の日常の風景に突然アートが現れるおもしろさを堪能してみてください。


秋だからこそ楽しめるたくさんの素敵な過ごし方をご紹介しました。杉浦さんが教えてくれたアイディアを参考に、家族でとっておきの秋を楽しんでみてくださいね。

「中秋の名月(十五夜)」のお月見を親子で楽しもう!簡単お月見レシピや飾りつけを紹介

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<教えてくれた人>
杉浦さやかさん

杉浦さやか
絵本やママ雑誌などでイラストレーターとして活躍中。文章にも定評があり、イラスト&エッセイの著書多数。著書『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)は、季節ごとの小さな幸せ、家族と楽しむ年中行事などを杉浦さんのスケッチにより紹介している。
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1_中秋の名月(十五夜)とは?いつのこと?

秋の夜空に浮かぶ、まんまるの満月を鑑賞して、秋の収穫物のお供えをする風習「中秋の名月」すなわち「十五夜」。月が一年のうち一番きれいに見える日といわれています。平安時代に中国から伝わりました。

・中秋の名月の意味と由来は?
「中秋の名月」とは、中国から伝わる旧暦(月の満ち欠けが基準で、新月が1日になる)の8月15日の夜に見える月のこと。旧暦では7・8・9月が秋とされていたので、秋の真ん中の日ということで「中秋の名月」と呼ばれています。

・毎年日付が変わる理由は?
カレンダーは、太陽の動きを基準にした新暦(太陽暦)。旧暦と新暦とでは1年間で11日のずれがあるので、中秋の名月と満月の日は、毎年日付が変わります。ちなみに2024年は、中秋の名月が9月17日(火)、満月が9月18日(水)です。同じ日に重なる日もあります。

ここからは、日本古来の風習を大切にしながらも、今の暮らしに合わせて「中秋の名月」を楽しむ方法を杉浦さんに教えていただきます。

2_月見団子よりも簡単!親子でお月見デザート作り

中秋の名月といえば、お月見団子!ですが、お月見団子を上手においしく作ることは意外と大変な作業。もっと簡単で、もっとおいしい、お月見デザート「フルーツ大福」の作り方を教えてもらいました。

大福の中に入れるフルーツは、ぶどう、輪切りにしたバナナなどなんでもOK!アレンジして楽しんでくださいね。今回は季節のフルーツとして、シャインマスカットをチョイスしました。

お月見にぴったりなマスカット大福
材料(大福8個分)
・シャインマスカット…8粒
・あんこ…100g
・白玉粉…100g
・砂糖…30g
・水…150ml
・片栗粉…適量

用意する道具:耐熱ボウル、ヘラ、バット(ここでは23×14cmを使用)、茶こし

<作り方>

1.シャインマスカットをあんこで包む。
2.耐熱ボウルに白玉粉と砂糖を入れてヘラなどで混ぜ、水を少しずつ加えてよく混ぜる。
3.ラップをかけて、電子レンジ600Wで1分加熱。取り出して一度かき混ぜて、再度ラップをかけ、電子レンジ600Wで1分半加熱する。
4.バットに片栗粉を広げて、3を出す。生地に片栗粉をかけて手で伸ばし、8等分する。
5.1を4で包む。閉じ口を下にして丸めていく。

子どもと一緒に、楽しくまぜまぜ、こねこねしていたらあっという間に完成!カットすると、マスカットが見えて断面がかわいい。

「お月見団子をお供えする三宝(神饌物をお供えする台)は、購入してもなかなか使わないもの。お椀とお盆があれば、即席で三宝が完成します!」(杉浦さん)

完成したフルーツ大福は、ぜひお月さまを見ながら味わってくださいね。

お月見団子の豆知識
お団子を供える習慣は、江戸時代から始まったとされています。ちょうど、中秋の名月が穀物の収穫時期と重なっていたため、お米の粉から月のようなお団子を作り、供えることで、お米が無事に収穫できたことに感謝しました。積み上げる理由は、お月見団子を通して感謝の気持ちを月まで届かせたいという意図があったからだそう。

3_ススキと季節のお花+市販の月見団子を飾ろう

お月見に欠かせないススキ。ススキは秋の七草の一つです。ススキを季節のお花と一緒に、素敵に飾ってお供えしましょう。

「秋のお花のおすすめは、ケイトウやリンドウ。スーパーやお花屋さんで、お月見用の花束が売っていることもありますよ! 私はそこに、庭の緑や雑草のメヒシバも合わせて華やかに。もちろんススキだけ、お気に入りの花器に生けるのもかっこいいです!」(杉浦さん)

杉浦さんは、市販の月見団子や陶器のうさぎを一緒に飾ります。玄関やリビングの棚が、あっという間にお月見仕様に。ここに、りんごやぶどうなど秋のフルーツをお供えしてもいいですね。

どうしてススキを飾るの?
ススキは茎の内部が空洞になっていて、月の神様の宿り場と考えられてきました。また、穀物の収穫に感謝を表すために、本来は稲穂をお供えしたいところ、ちょうど稲刈り前なので、稲穂に似たススキをお供えするようになったとか。また、ススキは切り口が鋭いので、魔除けになるともいわれています。

4_雨でもOK!お月見の過ごし方いろいろ

「中秋の名月」の当日に、くもりや雨などの悪天候でお月さまが見えないということもしばしば。そんな時は、おうちのなかでお月見を楽しみましょう!ここでは、おうちの中でも楽しい、杉浦さんの素敵なアイディアを2つ紹介します。

1つ目はお部屋でお月見パーティ。色画用紙で、まんまるの満月や雲を作って、壁や窓に貼り付けてみましょう。

キラキラの星は、金や銀の折り紙で作って彩るのも素敵。月や星にお顔を描いても楽しい!

2つ目は、満月のように、まんまるの食べ物だけを用意した「まんまる月見パーティー」。

「スーパーで買える市販のピザ生地に、好きな具材をトッピングして乗せるだけピザが簡単。丸い具材や、野菜などを丸く切っても楽しいかも?! ピザだけではなく、お好み焼きやたこ焼きもまんまるです♪」(杉浦さん)

デザートには、シャインマスカットやぶどうなどの丸いフルーツ、スプーンで丸くすくったスイカやメロン、バナナなどを入れたフルーツポンチもおすすめです。ぜひ好きなフルーツでアレンジしながら、楽しんでくださいね。


杉浦さんが教えてくれた素敵なお月見の過ごし方はいかがでしたか? お月さまがよく見える日も、悪天候で見えない日でも。家族で楽しい「中秋の名月」を過ごしてくださいね。