かさばる学校のプリントや書類の整理・収納術
【整理収納アドバイザー水谷妙子さんに学ぶ】

セクションタイトル

<教えてくれた人>
整理収納アドバイザー・水谷妙子さん

整理収納アドバイザー水谷妙子さん

無印良品を運営する株式会社良品計画の生活雑貨部企画デザイン室に13年間所属し、主に生活雑貨の企画・デザインを行ったのち、整理収納アドバイザーへ転身。5人家族が整う片づけ&モノ選びを発信している著書やSNSが大人気。10歳8歳6歳の3きょうだいを子育て中。
https://taekomizutani.com/


【子どものプリント編】
持って帰ってきたプリントを整理・収納する手順

子どもが学校でもらってくるプリントは、学習プリントなど”子ども用のもの”と、”保護者へのお知らせのもの”の2種類があります。

まず、子ども用のプリントの整理術を教えてもらいました。

【1】子ども用のプリントは、棚のファイルボックスで仕分ける

子どものプリント整理収納術
▲写真一番左のファイルボックスがプリントコーナー。その横には教科書やノートを収納。

水谷さんは上のお子さん2人が小学生です。水谷家の子ども部屋には、学用品を収納している棚があり、その一画にプリントコーナーを設けています。帰宅後、持ち帰ってきたプリントを子ども自身が仕分け、子ども用のプリントは、このファイルボックスの中に入れるルールになっているそうです。

「わが家では、写真のようにスタンドファイルボックスを倒して、前面に壁がない状態で使っています。こうすることで、さっとワンアクションでプリントや教材などを入れることができるのでおすすめです。使うアイテムはファイルボックスに限らず、ブックエンドでも何でも大丈夫ですが、子どもがワンアクションで入れやすいものがいいと思います」

保管用は学期末にまとめて整理

子どものプリント整理収納術2

先ほどのファイルボックスは、学期末には満杯になるそう。長期休みを利用して、子どもと一緒に保管しておきたいものを整理しています。主に保管するものは、100点のテストやよくできた作文、子どもが思い入れのある作品など。保管用は、1年ごとにまとめてクリアファイルへ。きょうだい別で「2年生とっておく」「5年生とっておく」などラベリングしています。

・POINT・
1年生は家に持ち帰ることを徹底!

1年生のうちは、学校でもらったプリント類は必ず家に持って帰ってくることを伝えるそうです。その上で、プリントが自分のものか保護者のものか、すぐに判断することも難しいので、「漢字が多いものは渡してね」と言えば、伝わりやすいと水谷さん。慣れないうちは、毎日一緒に仕分けをやっていくと、徐々に判別できるようになっていくそうです。

【2】保護者用のプリントは、子どもから渡されたらすぐ整理

水谷家では、帰宅後に子どもが仕分けた、保護者用のプリントは、ダイニングテーブルの上に置いておくことがルール。水谷さんは、保護者用のプリントを渡されたら、すぐに目を通し、整理することを心がけているそうです。

「たくさんあるプリントも、一度読んだらすぐに処分できるものがほとんどだったりします。平日は忙しくて、どんどん溜めてしまう方も多いかと思いますが、溜め込んでしまうほうが必要なものを探す際に手間と時間がかかることも。提出するものはすぐに記入するなど、できるだけその日のうちに処理対応するのがおすすめです。そして、保管が必要なものは保管用のバインダーへ挟んでいきます(記事後半で紹介します)」


【大人の書類編】
契約書や仕事用など、書類の管理方法

次に、おうちの契約書類や仕事関係の書類など、大人用の書類の整理・収納術を教えていただきました。

【1】6つの分類にラベリングして収納する

書類の整理収納術

水谷さんは、保管用の書類を以下の6つに分類しています。細かくしすぎず、ざっくりとした仲間で分けるのがポイントだそうです。

・保育園(黄色)
・学童(オレンジ)
・小学校(ピンク)
・事務(青)
・仕事(水色)
・子ども(黄色)

それぞれの分類で色を決めてラベリングしている水谷さん。ラベリング方法はマスキングテープやフィルムタイプのインデックスを使って簡単に。さらに全てが6つの分類の中に入るように、小分類をラベリングしたのち、クリアファイルに入れて保管しています。

例:大分類は「小学校」、小分類は「給食費」など

書類の整理収納術2

「書類をひとまとめにしてしまい、探したいときになかなか見つからず、苦労した経験がある方も多いのではないでしょうか。分類することは大変なように思えるかもしれませんが、ファイルボックスとクリアファイル、ラベルがあればすぐに着手できる仕組みです。がんばりすぎず、必要なものにすぐにアクセスできるので、結果として快適になると思います」

・POINT・
保管は「確認しやすい場所」へ

書類の保管

水谷さんはダイニングテーブルのすぐそばの棚に保管しています。ポイントは「確認しやすい場所」に設置することだそう。キッチンや仕事部屋など、自身がよくいる場所でOK。

【2】一時用にはバインダーを活用する

書類の整理収納術3

水谷さんは【1】で紹介した保管用のクリアファイルに入れる前、一時保管用のプリントはバインダーを活用しています。ファイルボックスと同じ色でラベリング。書類は新しいものが上に来るように挟んでいきます。紙が挟みきれなくなったら、整理することを目安にしているそうです。

「バインダーに挟んでおけば、紙がバラけないので、チェックがしやすいです。下が古く、上が新しいものなので、時系列もわかりやすくなりますよ。バインダーは、棚の中ではなく、棚上のよく見える位置に置き場を作り、すぐ確認できるようにしています。また、郵便物は、すぐに封筒から開封します。三つ折りになった書類などは、開いて一時用のバインダーに挟むなど、早めに処理するようにしています」


[コラム]
散らかりがちな文房具の整理収納

文房具の整理収納

水谷さんが書類を保管している棚内には、文房具置き場があります。もともとは6段あった引き出し式のケースをあえて外し、写真のように3段で使っています。

「引き出しを外すと、中身がよく見えます。自分や家族にとって、どこに何が入っているのか一目でわかることが重要です。また、引き出しを開けなくても、そのまま出し入れすることができるのもポイントです。この仕組みにしてから、私も家族もちゃんと片づけができるようになりました」


全3回にわたって、水谷妙子さんに整理・収納術を教えていただきました。忙しい毎日でも、ちょっとした仕組みづくりや工夫で、片づいた空間を目指すことができます。水谷さんのアイディアで、悩みのタネが少しでも軽減し、快適な暮らしが叶いますように。

料理がしやすく、時短も叶うキッチンの整理・収納術
【整理収納アドバイザー水谷妙子さんに学ぶ】

セクションタイトル

<教えてくれた人>
整理収納アドバイザー・水谷妙子さん

整理収納アドバイザー水谷妙子さん

無印良品を運営する株式会社良品計画の生活雑貨部企画デザイン室に13年間所属し、主に生活雑貨の企画・デザインを行ったのち、整理収納アドバイザーへ転身。5人家族が整う片づけ&モノ選びを発信している著書やSNSが大人気。10歳8歳6歳の3きょうだいを子育て中。
https://taekomizutani.com/


アイディア #01
ものを「最短で」取れる配置にする

キッチンの整理・収納術
▲水谷家のシンクとコンロの間にある作業台下、上段の引き出し。水切りネットは、小さめの収納ケースに輪ゴムを2本付けて、輪ゴムの間から取り出すようにすると1枚ずつ取り出せる。真似したいアイディア!

キッチン備え付けの収納は、シンク下の収納、コンロ下の収納、引き出しタイプや観音扉タイプなど、さまざまな環境に分かれています。どんな収納でも、使う場所とシーンに合わせて、できるだけ大きな動作をせず、ワンアクションで出し入れできる仕組みづくりをすると、作業が効率的になると話す水谷さん。

「調理中も最短移動で済むように、ものの収納場所とそれを使う場所の距離は、1歩でも10cmでも、近づける努力をします。例えば、シンクでよく使う水切りネットやポリ袋は、引き出しを全て開けず10cm引けば取り出せるように、引き出しの最前列に収納しています。まずは、よく使う場所から最も手が届きやすいところに収納することを心がけましょう。その際に、自分のクセや普段の動線も考えながら決めると、さらに使い勝手が良く、片付くキッチンになりますよ」


アイディア #02
見えるから探さない!
収納内は一目でわかるように

キッチンの整理・収納術
▲水谷家のシンク下、下段の深い収納。写真奥が、ジッパー付き袋や食品袋用のクリップを収納しているところ。

水谷さんによると、各収納の中身を普段どの角度から見るのかを考えながら、整理していくといいのだとか。例えば、シンク下などの深い収納なら、「上から」見ることになります。中身が一覧できるように、ファイルボックスなどで空間を仕切り、さらに小さいものを入れる場合は埋もれないよう底上げするのがおすすめです。また、観音扉タイプの収納は「正面」から見ることになります。なので、できるだけ浅め、かつ半透明の収納を使うと、中身が見えやすくなります。どの収納内も「探さないこと」を意識すれば、使うときに出し入れもしやすく、在庫チェックも一発でできると話します。

「食品袋用のクリップやジッパー付き袋は、子どもたちもよく使うものなので、子どもが1人で取り出せるように場所や入れ方を工夫しました。また、食品のパッケージや洗剤などのラベルは、ごちゃっとして見えるかもしれませんが、できるだけ隠さないようにしてください。ストックの買いすぎ防止にもつながりますよ」

・POINT・
フタ付きの収納を上手に使い分けよう!

キッチンの収納ケース

収納ケースのフタは、密封することで、湿気やほこりから守り、ニオイ移りを防ぐためのものなので、きちんと使い分けをすることが大切だと話します。逆に言うと、フタをする必要がないものには、中身が一目で分かり、すぐに取り出せるフタなしのケースを使うようにするといいそうです。

水谷家では、個包装されたティーバッグ類はフタなしのケースに。個包装ではない麦茶のパックは、片手で開閉できるフタ付きのケースに。麦茶のパックは買った時の袋から全て取り出し、あらかじめ切り離して、片手で取り出せるようにしています。


アイディア #03
調理道具やフライパンは自立させる

調理道具の整理・収納術
▲コンロ下の収納。使用頻度の高いものを、作業台やコンロにより近いところに収納する。

水谷家のコンロ下の収納には、よく使うフライパンや鍋、お玉やフライ返しなどの調理器具が入っています。ここでは仕切りスタンドなどを使い、1マスに1つを収納。多くの場合、この収納内では、フライパンやお鍋を重ねがちですが、できるだけ1つずつ立てて収納すれば、片手でサッと取り出せます。

「使用頻度の高いものを厳選し、作業台に近いところに収納しています。調理器具も、ツールスタンドなどにまとめて入れてしまうと、取り出すときに絡まってしまい意外と取りにくかったりします。この引き出しの他にも、使用頻度の低いお鍋やフライパンなどをしまっている引き出しもありますが、その引き出しの中は重ねてたくさん収納しています」


アイディア #04
お弁当セットは、1つにまとめておく

お弁当グッズの整理・収納術

毎朝使うお弁当グッズ。水谷さんは、お弁当箱をはじめ、お弁当で使うピックやおかずカップ、抜き型など、一式全てまとめて半透明のボックスへ収納しています。お弁当を作る際、このお弁当セットを取り出して作業台におけば、使うものをすぐ選ぶことができるからだそう。

「朝はとにかく忙しいので、お弁当グッズをあちこちから取り出す手間を省きたくて、この方法になりました。使ったあとの、片付けもスムーズです」


アイディア #05
省スペースで分別しやすい
縦置きのゴミ箱を使用

キッチンの整理・収納術
▲冷蔵庫と棚の隙間に収まる、縦置きタイプのゴミ箱を使用。奥行きも浅くて省スペース。

家族みんなが分別に迷わず、ストレスなくゴミ捨てとゴミ出しができることも、家が散らからないコツだと話します。水谷家では、スペースを考慮し、縦にスッキリと収納できるスリムなゴミ箱を使用しています。全5段で上から、ペットボトル、プラスチック、可燃ごみ、生ごみ、プラスチック(予備)。捨てやすい高さで決定したそうです。

「開閉はワンプッシュ式で、片手でもゴミを入れられるのが使いやすいポイントです。また、使用済みの乾電池などの不燃ごみは、玄関の収納内に小さなケースを設置して管理。こまめに捨てられるようにしています」


水谷さんに教えていただいたキッチンの整理・収納術を実践して、忙しくてもきちんと片付く、快適なキッチンを目指しましょう!

最終回は、水谷さんのところにも多くのお悩みが寄せられる「子どもが持ち帰ってきたプリントと大人の書類」について。水谷さんが実践している整理・収納アイディアを教えていただきます。

子どもの片づけが習慣化する整理・収納術
【整理収納アドバイザー水谷妙子さんに学ぶ】

セクションタイトル

<教えてくれた人>
整理収納アドバイザー・水谷妙子さん

整理収納アドバイザー水谷妙子さん

無印良品を運営する株式会社良品計画の生活雑貨部企画デザイン室に13年間所属し、主に生活雑貨の企画・デザインを行ったのち、整理収納アドバイザーへ転身。5人家族が整う片づけ&モノ選びを発信している著書やSNSが大人気。10歳8歳6歳の3きょうだいを子育て中。
https://taekomizutani.com/


わが子が片づけられない問題は、きっと多くの方が悩んでいると思います。「片づけなさい!」と毎回言うことも、お互いイヤな気持ちになりますよね。実は、片づけの邪魔をしてしまっているのは、今の収納方法かもしれません。片づけまでのプロセスが複雑化するほど、片づけ=マイナスのイメージに。どの収納でも “大人に聞かなくても、所定の位置に戻せるようになること”に意識を向けてみましょう。


アイディア #01
おもちゃはざっくり分類して収納する

おもちゃの収納
▲水谷家のおもちゃ収納棚のラベルは、写真上からブロック、お人形、いろいろ、くるま、カププラ(電車のおもちゃ)、プラレールの6種類にジャンル分け。

おもちゃ収納を分類するときは、できるだけ広義的に、近しいもの同士でざっくりと分類するようにするようにしているそう。大人が良かれと思って、細かく分類してしまうと、子どもはどこに何を戻したらいいのか混乱します。水谷家では、おもちゃを全6つに分類し、それぞれラベリング。

「片づけに慣れていないうちは、分類は1〜3つくらいで様子見を。また分類を決めるときは、ぜひお子さんと一緒にやってみてください。『このおもちゃはどこに分けられる?』『どの仲間になるかな?』などと1つずつ聞きながら。子どもがおもちゃに対して責任を持ち、物の住所を把握しやすくなります」

<水谷さん流・おもちゃ棚のラベリング術>

クリアの養生テープ+油性ペンを愛用。養生テープは、すぐに剥がせて、跡が残りにくいのがポイントです。子どもに合わせて、ひらがなやカタカナで分類を記入し、合わせてイラストも書いておくと、よりわかりやすくなります。

・POINT・
ジャンルが分けにくい「いろいろボックス」も作る


分類が難しいものは、全て1つにまとめて「いろいろ」に。片づけする際、これはどこに入れる?という疑問をなくしましょう。

「おもちゃを収納ボックスの中に戻せても、子どもにとっては、収納ボックス自体を棚などに戻すことは意外と難しかったりします。おもちゃの分類を収納ボックスにラベリングしたあと、それを戻すべき場所を決めて、スペース自体にも直接ラベリングしましょう。これをするだけでも、子どもが1人でボックスまで元に戻せるようになります。子どもの収納のイメージは、保育園や児童館のような公共施設だと考えるとわかりやすいと思います。実際に私も公共施設をヒントにして、棚自体にもラベリングをするようにしました」


アイディア #02
収納は10cm以上の隙間を空けて
ものを投げ込めるようにする

子どもの整理収納術

棚からボックスを引き出すことですら、子どもにとっては大変だと感じてしまう要因になります。水谷家では、収納棚とボックスの間に10cm以上の隙間を空けて、上からおもちゃをぽいぽいと放り込める仕組みにしています。

「隙間が充分に空いていれば、ボックスを引き出すことなく、遊んだおもちゃをそのまま収納ボックスに入れることができます。10cm以上、空けられるだけ空けるようにしてください。これだけで片づけのハードルが大きく下がりますよ」


アイディア #03
絵本は出し入れしやすさを重視!
ずれない工夫をする

絵本の整理収納
▲ファイルボックスは、ワイドな15cm幅のものを愛用中。棚のサイズや本の量に合わせて、ファイルボックスの個数やサイズの調整を。無色でインテリアにもあまり影響しないところもポイント。

絵本や図鑑などは、大きく厚みがあり、子どもにとって重いものも多いですよね。できるだけスムーズに、本が出し入れできる収納を心がけているそう。水谷さんは、書類整理のためのファイルボックスをブックエンドとして活用しています。ファイルボックスの背が下、底が奥側になるように、倒して使うのがおすすめだそうです。

「大人も経験があると思いますが、本棚で倒れた本を直すのは億劫ですよね。倒れた結果どんどん平積みになってしまったり、読みたい本が見つからなかったりする原因になります。ファイルボックスを使えば、本をしっかり支えてくれるので自立しやすくなります。さらに、転倒防止用のジェルマットなどで固定すると、ずれないので使いやすいと思います」


アイディア #04
洋服棚は子ども目線の棚選び&
ラベリング

洋服棚の整理収納 ラベリング
▲きょうだい3人で、1人につき1列の棚を使用。おもちゃ収納同様、剥がしやすい養生テープを活用してラベリング。

子どもが乾いた洗濯物を片づけたり、毎朝1人で身支度できる環境を整えるために、棚選びも重要です。水谷さんは、子どもたちが使うことを考えて、引き出しの軽さを重視しました。引き出しがプラスチック製なので、養生テープ+油性ペンを使って、引き出しの中身をラベリング。

「小さな手でも握りやすく、引き出しやすいものを選ぶようにしましょう。さらに引き出しが浅いものなら、衣服が埋もれていかずに一目でわかります。こちらの棚は、引き出しの上部に隙間があるので、閉まっていても中身が少し見えるところも、子どもの片づけを助けてくれるポイントです」

・POINT・
マイカラーを決めて、きょうだいで色分け


水谷家は3人きょうだいなので、それぞれ担当の色を決めてラベリング。子どもの成長に合わせて、表記も変えてくださいね。


アイディア #05
全ての衣服を「子どもが」
把握できる量にする

衣類の整理収納
▲引き出しが浅い分、収納力は下がりますが、 “ここに入る量だけ”を徹底。

特に衣服は、子どもが自分のものをきちんと覚えられるくらいの量だけを持つことが大切だと話す水谷さん。水谷家では、洗い終わった自分の洗濯物を棚に戻すのは、子どもたちの役目。毎朝、カゴの中に入れられた自分の洗濯物をそれぞれが洋服棚へ収納してから、登校&登園するのがルール。

「たたみ方は完璧ではないですが、全く問題なし! まずは所定の位置に戻してもらうだけでも、大人の負担は一気に減ります。できるようになるコツは、いきなりやってもらうのではなく、できるところから少しずつレベルアップさせてください。マンションか戸建てか、間取りによっても変わるものなので、住環境に合わせて、親子で話し合いながらルールを決めていきましょう」

朝やるべきことのルール表
▲水谷家の子どもたちが朝やるべきことのルール表

また、スムーズに片づけることができれば、1人で身支度することも自然とできるようになるという水谷さん。

「わが家では、その日に着る服も自分で選んで着替えています。組み合わせが気になるときもありますが、1人でできるようになることを重視し、干渉しないように気をつけています」


[コラム]
身支度グッズを忘れない工夫

身支度グッズを忘れないための工夫

ハンカチやティッシュなど、園や学校で必要な身支度グッズ。忙しい朝はついつい忘れがちです。水谷さんは長女と相談しながら、ハンカチ・ティッシュ・移動ポケットを入れている引き出しに、毎日必ず履く靴下を1つにまとめて収納することにしました。すると、身支度グッズを忘れることがなくなったそうです。

「子どもが忘れものをしたとき、『忘れちゃだめ!』と言って終わりにしがちなのですが、『どうして忘れたのか?収納場所を変えることで、忘れないようにできないかな』と、現在の収納について、子どもと一緒に解決策を考えてみてください。親子ともに、客観的に物事を考えるトレーニングにもなりますよ」


水谷家の子ども部屋の整理・収納術をご紹介しました。片づけができる能力は、大人になっても必ず役に立ちます。子どもの疑問や負担をなくし、スムーズに片づけできる環境を整えてあげることが大人の役割。水谷さんが実践している工夫や仕掛けを取り入れて、家族みんなで協力しながら、忙しい日々を乗り切りましょうね。

次回は、水谷さんがキッチンで実践している整理・収納アイディアを教えていただきます。