共働きの子育て家庭に必要なお金の知恵vol.3
計画的な学費準備の方法

セクションタイトル

〈教えてくれた人〉
山崎俊輔さん

ファイナンシャルプランナー 山崎俊輔さん

フィナンシャル・ウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。分かりやすく読みやすいお金のコラムが人気で、各種メディアで多数の連載を抱える人気FPのひとり。一男一女の父で、ご自身も家事育児の分担をほぼ5割実行している共働き子育て夫婦。


共働き夫婦こそ学費準備を計画的に

学費準備に関して共働きであることのネックは「すでに共働きである」ということです。会社員と専業主婦の夫婦であれば、「子どもが進学するからパートに出る」という選択を取ることもでき、学費などで年80〜100万円の出費が増えたとしても、妻の収入で賄うことができます。しかし、共働き夫婦の場合は、子どもが高校に入学するからといって、突然収入を増やすことは不可能に近いでしょう。また、もともとある程度の収入があるため、生活水準が高くなり、出費も多くなりがちです。子どもが進学を希望した際に「学費を準備していなかった」では困りますよね。共働き夫婦こそ、計画的に準備を行いましょう。

教育費の負担が増える高校入学までに
学費の準備をしておこう

高校入学から大学卒業までにかける費用
出典:日本政策金融公庫 令和3年度『教育費負担の実態調査結果』
高校入学から大学卒業までにかける費用 (子供1人当たりの費用〈年間平均額の累計〉)より引用・改変

学費としての最大の難関は、高校と大学の入学金や授業料。進学先や選ぶ学部によっても変わりますが、高校と大学の7年間でかかる学費は、1,000万円程度と言われています。高校入学時に全額まとめて用意する必要はありませんが、入学初年度までには、ある程度まとまった額の教育費を準備する必要はあります。それではいつからどのように準備をはじめたらいいのでしょうか。

高校と大学にかかる教育費は、入学金と毎年かかる学費をそれぞれ準備しておくのがおすすめです。図の統計調査によると、高校では約35万円、大学では約81万円が入学金として必要となり、さらに受験勉強のための塾や予備校の費用も加算されますから、まずはじめに入学のために必要な教育費として120万円程度は準備しておきたいところです。その次に学費の何割かを準備する計画を立てます。まずは大学で増える分の確保を目指し、もう少し余裕があれば、さらなる準備を目指すというように、段階的に考えていくといいでしょう。高校入学以降はまとまった教育費が必要になってきますから、高校入学時を目指して子どもが幼いうちから準備をはじめるのが理想的です。

学費の準備のタイミング

子どもが幼いうち、と言っても、赤ちゃん期はなにかと出費がかさみ保育料も高く設定されますから、学費準備をはじめるとしたら、「幼児教育・保育の無償化」のタイミングがおすすめです。これは、2019年10月からスタートし、3〜5歳児クラスのすべて子どもの、幼稚園・保育所・認定こども園などの利用料が無料になるという制度のこと。これまでかかっていた利用料が無料になりますから、その分を教育費にまわすことができます。また、中学校に入学すると高校受験のための塾代がかかることもありますよね。つまり、高校入学をタイムリミットの目安としながらも、「幼保無償化」がはじまったタイミング〜中学校入学までの間に、ハイペースで準備をするのが得策です。

子ども2人目以降の
学費準備のポイント

子ども2人目以降の学費準備のポイント

子どもが2人・3人と増えれば、教育費も単純に2倍・3倍とかかってくるもの。ですから、2人目以降は、より計画的に準備をしていきましょう。

①児童手当を活用

中学校卒業までの児童を養育している家庭には、児童手当が支払われます。0~3歳未満は月額一律¥15,000、3歳以上〜小学校修了前までは¥10,000(第三子以降は¥15,000)、中学生は一律¥10,000(年収による制限あり)。これは約200万円の給付に相当し、もしまったく手をつけずに子ども名義の通帳に入金したら、高校と大学の入学金、さらには塾や予備校の費用がここから賄えるのです。しかし、教育費が比較的かからなくて済むと言われる小学校のときであっても、入学準備や進級のタイミングで、まとまったお金が必要になることも。ですから、児童手当は「できる限り貯金をする」というスタンスでよいでしょう。

②家計をクリアにしつつ
節約できる部分は賢く節約を!

学費を捻出するにあたって必要なのが、現状、何にいくら使っているのかを夫婦で把握して共有すること。vol.1「家計の分担方法」でもお伝えしましたが、支払いが多様化している今の時代、支出が不明瞭になりがち。ですから、教育費を捻出するには、家計をクリアにする必要があるのです。まずは、家計簿アプリなどを活用して、「何にどれだけ使っているか」を把握しましょう。なんとなく毎月自動引き落としにしているものはありませんか? 不要なサブスクを継続してはいないでしょうか? 不要なものを解約すれば、それが将来の学費に回せるのです。

また、学費としての貯蓄を毎月少しずつでも増やしたいのであれば、支出を減らす、つまり節約することも考えましょう。今と同じ生活を、より低コストでやりくりできれば、確実に手元にお金が残ります。節約=お金を出し惜しむことだと誤解されがちですが、なんでもかんでも切り詰めることが節約ではありません。それはそれでお金は貯まりますが、家族の幸福度は下がってしまいます。満足度やクオリティはキープしつつ、全体として低コストでやりくりを実現するのが節約の醍醐味。ときどきはごほうび予算もOK。楽しみながらお金が貯められるように、節約をポジティブに捉えてみましょう。

一人っ子はお金のかけすぎに注意

共働きである程度の収入があれば、子ども1人に相当の費用がかけられます。習い事にいくつも通わせたり、小中学校は当然のように私立を選んだり、服や食事も高価なものを選んだり……。一つひとつは大した金額ではないかもしれませんが、子育て費用の総額は、あっという間に跳ね上がってしまうでしょう。ファミレスやファストフードを楽しんだりファストファッションを活用したりすることで、食費や被服費は大きく下がります。一人っ子の予算については「予算はあるけど支出はワンランク落とす」くらいの感覚を持つのがおすすめです。

前向きに捉えたい
奨学金という選択肢

高齢出産が年々増加傾向にあり、子どもの学費はなんとか準備できたが、自分たちの老後の準備が間に合わないままリタイアする、という夫婦も増えているようです。だからといって老後の仕送りを20代のわが子には求められないという方も多いでしょう。自分たちの老後資金の確保も同時に検討し、学費の一部については奨学金を活用してもらうことも検討してみましょう。もちろん、できる限り学費準備をしてあげたいのが親心。だからこそ、将来の進学を視野に入れて、早めに学費準備をスタートすることが大切なのです。

進学の前に子どもが何をしたいのかを
話し合うことが大切

子どもの進路についての話し合い

ここまで、大学進学を前提に話をしてきましたが、進路はこの限りではありません。就職したり、専門学校に入学するという選択肢もあるでしょう。まずは高校や大学を受験するタイミングで、お子さんがどうしたいのかを、きちんとコミュニケーションをとりながら話し合ってみましょう。話し合った結果、大学進学を選択した場合、その時点から学費を貯め始めるのは無理があります。ですから、子どもが幼い頃から教育資金の準備をするのが理想的です。

共働きの子育て家庭に必要なお金の知恵
vol.2 貯蓄のはじめ方

セクションタイトル

〈教えてくれた人〉
山崎俊輔さん

フィナンシャル・ウィズダム代表 山崎俊輔さん

フィナンシャル・ウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。分かりやすく読みやすいお金のコラムが人気で、各種メディアで多数の連載を抱える人気FPのひとり。一男一女の父で、ご自身も家事育児の分担をほぼ5割実行している共働き子育て夫婦。


なぜ貯めるのか、いくら貯めるのか。
まずは、夫婦で貯蓄のイメージを共有

結婚生活はあらゆるシーンでお金がかかりますから、貯蓄するのは至難の業。ですが「貯められないのはしょうがないよね」と過ごしてしまうと、あっという間に時間が経ち、必要なときにお金がない、ということにもなりかねません。また、「相手がやってくれているだろう」という思い込みも禁物。いざ必要になったときに「貯金していなかったの?」では困りますよね。ですから、家族の将来を豊かにするためのライフプランをまずは夫婦で共有し、なぜ貯めるのか、いくら貯めるのかを、できるだけ早い段階で話し合っておくことが大切です。「ゆくゆくは住宅を購入したいよね」「子どもが生まれたら教育資金がかかるよね」だから「とりあえず貯めておこうよ」で最初は構わないのです。


貯蓄の目標額を設定し
「世帯年収の○割は貯める」を目標に

世帯年収に応じた貯蓄

夫婦のライフプランにおいて、何にお金が必要になるのかをクリアにしたら、貯蓄額の目標を決めましょう。「○年後までに物件取得価格の○割を貯める」のように、具体的な必要額にこだわるよりも、「世帯年収の○割は貯める」という目標を軌道に乗せるほうがおすすめです。なぜなら、いつ住宅を購入するのか、いつ子どもができるのか、子どもが何人で教育費がいくらかかるのかなど、将来かかる費用を、現段階で具体的に決めるのは難しいからです。決めたとしても、計画通りに事が運ばないことも考えられます。ですから、「これくらいは貯めておきたい」をイメージしつつ「毎年いくら貯めるのか」という、年間の目標額を設定しましょう。


毎年の貯蓄額は
具体的な金額を設定

年間の貯蓄額は、「世帯年収の○割は貯める」のように、できるだけ具体的な金額を設定します。これまで貯蓄をしたことがない夫婦は、まずは年収の10%を目標にしてみましょう。これより少な過ぎてもお金が貯まりませんから、10%はがんばりたいところでしょうか。ですが、税金や社会保険料が引かれた手取り額から10%を貯蓄に回すことになるので、ちょっと厳しいな、と感じるかもしれません。その場合は5%くらいからスタートしてみましょう。すでに貯蓄が軌道に乗っている場合は、年収の15〜20%をひとつの目安にしてみてください。もちろん、住宅購入時、出産、子どもの進学など、支出が多くなるタイミングは、一時的に目標割合を変えるなど、調整できるとよいでしょう。


具体的な貯蓄額を決める際にも
家計の見える化が役に立つ

年収に応じた貯蓄の割合

毎年の貯蓄額を、年収の10%と設定した場合、夫の年収が600万円、妻が400万円であれば、貯蓄額はそれぞれ、60万円と40万円とするのがまずは合理的です。もし、生活費などの家計のシェアがきっちり収入比でない場合、負担額の軽い方が貯蓄額を多くすることで調整するという手もあります。「生活費の固定費負担+貯蓄目標」の合計で、夫婦が年収比でバランスよく負担する、と考えましょう。

貯蓄に関しても、vol.1でお話しした「家計の見える化」が役立ちます。貯蓄の目標額を設定しても、現状の生活で毎月の貯蓄が難しいと感じている場合は、そこから月に数万円を貯めるのは難しいでしょう。その場合は、家計簿アプリを活用するなどして、節約可能な項目を検証します。あまり活用していないサブスクを解約する、賞味期限切れで捨てている食材を半減する、終電後のタクシーは控えるなど、ひとつひとつは数千円であっても、積み重ねるとまとまった金額になるものです。削った分がそのまま貯蓄額になります。

貯蓄の目標・金額の分担割合・貯蓄の余地をクリアにしたら、さっそく貯蓄をはじめます。仕事に家事に忙しい毎日を送っている共働き夫婦が多いと思いますので、お金の貯め方は「自動的」に行うのが効率的。給与口座から毎月自動引き落としにする方法が確実です。ボーナスで一気に貯蓄することもできますので、年間の貯蓄目標を設定したら、貯め方はそれぞれにまかせるのがおすすめです。貯められているかどうかの確認は1年に一度行い、夫婦できちんと共有を。


老後のための貯蓄。
フリーランスや自営業はより計画的に

長い人生において、夫婦の生活をより豊かにするためには、老後資金の準備も必要です。会社員の場合は国民年金に厚生年金が上乗せされますから、老後の日常生活を概ねまかなえるほどの定期収入が生まれます。一方で、フリーランスや自営業の場合は、それがありません。より計画的に老後資金の準備をする必要があるのです。また、収入に波がありますから、増えたときにはしっかり貯蓄しておきたいところ。「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「つみたてNISA(積立型の少額投資非課税制度)」「小規模企業共済」を上手に活用することも考えましょう。iDeCo・小規模企業共済は、掛け金の全額が所得控除になるという、フリーランスや自営業にとって嬉しいメリットも。


貯蓄が軌道に乗ったら
投資の力でより豊かに資産形成

投資の方法

日本では銀行の金利が低いままである一方、物価高も続いています。この状況下では、普通に貯金をしていては、実質目減りしているのと同じ、という状態です。物価の上昇に負けないくらいのリターンを得るには、「投資」を考えてみるのもひとつの手です。日本で投資というと、なぜかギャンブルのようなイメージが根強く残っていますが、一部のお金持ちが行う「マネーゲーム」ではありません。投資は「企業に出資する→企業が成長→社会が豊かになる→経済の成長を通じて自らの資産が増える」という仕組みです。また、iDeCoやつみたてNISAは税制の優遇がありますから、運用の収益を全額手元に残すことができます。貯蓄額がはっきりしてきたら、その一部を投資にも回してお金を増やすことにチャレンジしてみてもよいのではないでしょうか。実は100円から数千円といった少額で投資をすることもできるんですよ。

家計をクリアにしたら、貯蓄の余地を検討し、年収比や家計の分担比によって、お互いの貯蓄額を設定しましょう。また、金利が低くて物価が上昇している今だからこそ、投資というカードを切って、資産を増やすという手もご紹介しました。幸せな未来を築くためにも、貯蓄は計画的にしていきたいところですね。


さらに知りたい方へ
「共働き夫婦 お金の教科書」

今回お話を伺った山崎さんの著書。共働きの夫婦の、家計・貯蓄・投資・住宅購入・学費といった、お金のルールをまとめた一冊。お金のことはもちろん、夫婦の将来のことを話し合うきっかけづくりにも。(プレジデント社)

共働きの子育て家庭に必要なお金の知恵
vol.1 家計の分担方法

セクションタイトル

〈教えてくれた人〉
山崎俊輔さん

ファイナンシャルプランナー 山崎俊輔さん

フィナンシャル・ウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。分かりやすく読みやすいお金のコラムが人気で、各種メディアで多数の連載を抱える人気FPのひとり。一男一女の父で、ご自身も家事育児の分担をほぼ5割実行している共働き子育て夫婦。


共働きの家庭は家計管理が複雑化しやすく
まずは夫婦での見直しを

共働きの子育て夫婦 家計の分担法

ひとつの家計に対して、収入源がふたつある共働き夫婦。どちらかいっぽうが生活費すべてを負担していれば家計管理もシンプルですが、固定費は妻・光熱費は夫、のように、それぞれが支払いをしているパターンも少なくありません。また、自分のお小遣いからちょっとした生活費を支払うこともあり、何にいくら使ったのかが不明瞭になりがちです。

共働き夫婦の場合は、細かく家計管理をしなくても、なんとなくやりくりできてしまうこともあるのですが、そのままのペースで10年過ごしてしまうと、まったく貯金できていないまま時間だけが過ぎてしまった……なんてこともあり得ます。目の前の家計がやりくりできることと、夫婦の将来が安定することとは、まったく別の話なのです。

結婚当初に家計の分担ルールを決めておくのがベターですが、ルールを決めてこなかったご夫婦も多いでしょう。しかし将来的に、出産や子育て、車や家の購入などに大きなお金が必要になるタイミングもあるかもしれません。そんなときのために、複雑化した家計管理をどこかのタイミングで見直してみることをおすすめします。


お互いの収入と現状の負担額を見える化し
年収を考慮して負担割合を設定

共働きの子育て夫婦の家計の分担法

まずは、「どちらがどれだけ負担して」「何にどれだけ使っているか」をクリアにします。次に、源泉徴収票などを見せ合って、お互いの収入を把握しましょう。その年収を考慮して、適切な負担の割合を設定。子育て中であれば、例えば妻は産休や育休をとったり、時短勤務にして収入に反映されると、夫よりも年収が低くなりますよね。ですが、負担額が夫と同じになっていれば、妻の負担割合の方が大きくなっている、ということになります。

毎月の平均的な生活費を累計して、だいたい年収対比に収まるように調整。季節によって変動する光熱費をどうするか、子ども服の買い替えなどの臨時支出はどうするかも、決めておくといいでしょう。

なんとなくでシェアしていると、負担額が多い方にモヤモヤが溜まりがち。気持ちよくお金を使って楽しく生活するためにも、何にいくらかかっているかをきちんと“見える化”しましょう。お互いに納得できる分担方法を決めることが、共働き夫婦の家計管理の第一歩です。


クレジットカード・電子マネー・現金と支払いが多様化。
家計の見える化には、家計簿アプリを活用

家計簿アプリ

支払いが多様化している今、何にいくら使っているか不明瞭になりがちですよね。毎月きちんと家計簿をつければ、収支はクリアになるものの、お互いに仕事で忙しくしている共働き夫婦にとっては、それが負担になることも。その負担をすっきり解消してくれるのが、家計簿アプリです。

今のアプリは、銀行口座の入出金明細を自動的に反映できるのはもちろん、複数のクレジットカードの紐づけもOK。電子マネーにも概ね対応していますし、ネットショップなどのECサイトの登録ができるものもあります。さらに現金で支払ったときは、スマホのカメラでレシートを撮影するだけで、品名や金額などを自動で読み取るという嬉しい機能も。お互いに、何にいくら使っているのかわからない場合は、まずは家計簿アプリで収支の見える化をしてみましょう。


お小遣いの額も
きちんと決めておくこと

共働きの子育て夫婦の家計の分担法

生活費の負担額は年収を考慮して設定する、とお伝えしましたが、お小遣いに関しては、夫婦それぞれが仕事・家事・育児に参加してバランスを取って生活が成り立っているのですから、特別な理由がある場合を除いて、同額で設定していることが理想的です。しかし年収の高いほうがお小遣いが高かったり、高いことを希望することが多いようです。どうしても納得してくれない場合は、「お小遣いは私よりあなたを多くするけど、そこには残業のときの食費代やおつきあいの飲み代も入れておくことにしてね」のようにして、納得のいく金額を話し合って調整してみてください。

また、自分のお小遣いからの出費なのか、食費などの生活費なのかが曖昧になってしまいがちです。これを解消するには、支払い方法を分けるのがおすすめです。夫婦共通で精算すべき食費などの生活費はクレジットカード、お小遣い系の出費は交通系ICカードやバーコード決済に入金してそこから出費する、のような感じです。

ところで、お小遣いはお互いが自由に使えるお金になります。金額を話し合って決めたら、何に使っているかはあまり干渉せず、それぞれがリフレッシュするために自由に使いたいものですね。推し活に使ったって、お小遣いの範囲ならOKなのです。

家計管理が複雑化しがちな共働き夫婦は、まずは負担額をクリアにして、お互いが納得できる家計の分担ルールを決めましょう。将来的に幸せな家庭を築くには、妻と夫のどちらか一方が決めるのではなく、ふたりで考えていくことが大切です。次回は「貯蓄」について、山崎さんに教えていただきます。


<さらに知りたい方へ>
「共働き夫婦 お金の教科書」

今回お話を伺った山崎さんの著書。共働きの夫婦の、家計・貯蓄・投資・住宅購入・学費といった、お金のルールをまとめた一冊。お金のことはもちろん、夫婦の将来のことを話し合うきっかけづくりのヒントをご紹介。(プレジデント社)