KUMONでは、生徒指導や教室運営について学び合うゼミや勉強会が各地で開かれており、そうした場を通して、キャリアの異なる先生同士が出会い、つながる機会が生まれています。今回は、神奈川県で行われたゼミで出会った、開設15年目の飯島京子先生と、開設5年目の東昌子先生にお話を伺いました。先輩・後輩という立場を越えて、互いに学び合い、刺激し合う。そのような関係性の中に、くもんの先生としての成長のヒントが見えてきました。
飯島京子先生(開設15年目/神奈川県・公文式池辺町南教室)
商社勤務や子育てを経て、KUMONの教室スタッフとして4年間勤務する中で、教材の奥深さと子どもたちの成長に感動。「最後まで打ち込めるものを仕事に」と、指導者を志す。
東昌子先生(開設5年目/神奈川県・公文式百合丘北教室)
塾講師や家庭教師の経験を経て、KUMONの教室スタッフとして13年間勤務。「2人のわが子が通った教室を、この地域に残したい」との想いから、教室を開設。
ゼミや勉強会で、キャリアの異なる先生方と出会える
飯島先生:2024年度に神奈川県で、開設1~5年目の先生を対象にしたゼミが開催されていました。小グループ制で、6〜7人の先生に対し、先輩の先生がメンター(※)として加わります。私もメンターの一人として参加し、その時に東先生と同じグループになりました。
(※)アドバイスをくださったり、お手本を示してくださったりと、開設1~5年目の先生方をサポートくださる先輩の先生方
東先生:ゼミの中で、飯島先生はご自身の取り組みを私たちに惜しみなく共有してくださいました。例えば、誤答が多くてどう対応すべきか悩んでいる生徒さんがいたのですが、飯島先生に教室を見ていただいた時、「このままだと国語を学ぶことが楽しくなくなってしまうかもしれないから、教材がちょうど合っているか見直してみて」と助言をいただき、さらに「訂正は、自分で直せるものと直せないものを整理して分けてみてもらうのもひとつ」「何度やっても分からない部分は一緒に取り組んでみるのもいいかも」といった具体的な指導方法をその場で教えていただきました。
飯島先生:私も開設当初は同じように悩みました。だからこそ経験を踏まえてお伝えしたのですが、東先生はすぐに実践されて、「困っている原因が分かりました」と報告をしてくださいました。たとえちょっとしたことでも、感じたことを話してみることで、その生徒さんにとってよい道筋が見えてくる瞬間があります。そしてその結果、解決できたと感じられたら、それは、私たちの仕事の喜びだなと思います。
東先生:また、一番印象的だったのは、私が机間巡視をしている姿を「もぐらたたき」と表現されたこと。ガツンと目が覚めるようでした。その日その日で、観察や指導が特に必要な生徒さんは違うということを教えていただきました。その後、教室での指導を見直してみたところ、効果を実感できたので、今も続けています。
飯島先生:それはまさに、私が教室を開設したばかりの頃にKUMONの担当スタッフの方からいただいた言葉でした。当時の私は「こんなに一生懸命、生徒さんを見ているのに!」と戸惑いましたが、その助言を受けてから指導の質が大きく高まったのを実感しました。かつての私と重なる部分があり、そのままお伝えさせていただいたのです。
キャリアを問わず、一人ひとりの情熱が、周りの先生方の原動力につながる
飯島先生:東先生に「教室窓のKUMONのポスターをもっと大きくしたり、建物の入り口にのぼりを置いたりした方がよいのでは」とお伝えしたところ、KUMONの担当スタッフの方と相談してすぐに実行に移されていました。さらに、人件費についてのご相談にコメントさせていただいたときも、すぐに見直しに取り組まれていましたよね。私はその行動力に感動しました。
また、東先生はゼミでも周りの方のお話や、私の話にもいつも真剣に耳を傾けてくださるんです。その姿勢から、私自身も「保護者の方の声にもっと耳を傾けよう」と学ばせていただいたことがありました。また、教室ではてきぱきと机間巡視し、子どもたちを的確にほめて伸ばしていらっしゃる。ゼミでの学びをしっかりと実践されて、自分の教室を盛り上げようという気持ちを感じるんです。その熱意とお人柄に、刺激をいただいています。
東先生:アドバイスをいただけて、本当にありがたかったです。飯島先生は15年目になられても、歩いてチラシ配りをされたり、配布物や掲示物を作って工夫されたりと、積極的に活動されています。努力を続けておられる姿に「すごい!自分は全然動けていない」と気づかされました。ずっと先を行く理想の指導者でありながら、リアルな背中をいつも見せてくださる存在。だからこそ飯島先生の言葉は心に響きます。
飯島先生:キャリアに差はあっても、子どもたちを伸ばしたいという気持ちは同じ。このように先生方の熱量は、10年以上経った私の背中を押してくれるんです。目指すところも悩みも課題も一緒だからこそ、先輩・後輩というより互いに学び合える仲間。これからも一緒に切磋琢磨しながら、お仕事を続けていけたらいいなと思っています。