くもんの先生としての教室開設をイメージしたとき、「収支面」が気になる方も多いのではないでしょうか。KUMONでは、開設前から収支に関するシミュレーションを行い、段階に応じた制度やサポートを用意しています。今回は、主に開設前から2年目までを担当する福岡1チームの三木清花さんと、主に3年目以降を担当する福岡3チームの濱本光志朗さんにお話を伺い、具体的なサポート内容やお二人が大切にしている想いを紹介します。
開設前から2年目までの収支サポートと基盤づくり
私は現在、教室開設前から2年目までの先生方をサポートしています。教室を開設するにあたり、多くの方が気にされるのが「収支はきちんと成り立つのだろうか」という不安です。ただ、中身が見えない不安があるので、一つひとつ解き明かしていくことで、不安が期待に変わることも多いですね。そこで私たちは、開設予定の方に収入の目標を伺い、開設後どのような状態であればその目標を達成できるのかを、できるだけ早い段階で共有するようにしています。目標は人それぞれですが、1年後や2年後、さらに5年後、10年後といった将来像を描けるよう、収支シミュレーションも提示します。ご経歴や状況に応じて具体的にお話しすることもあれば、「個人事業主とは?」という基本から説明を始めるケースもあります。まずは不安のポイントを丁寧に伺って、安心いただけるよう心がけています。
さらに、テナントなど貸会場での開設の場合の会場費補助や、教室スタッフ育成援助などのサポート制度もあり、3年目までに金銭面で自立できるよう、手厚い制度を整えています。また、KUMON独自の会計ソフトを活用し、経費の使い方を一緒に振り返る機会を設けたりするなど、税務面でのサポートも行っています。会計ソフトへ数字を入力するとき「今月は人件費が多かった」「雑費が高かった」と、気づかれる先生もいらっしゃいます。その気づきをもとに「必要な投資かどうか」を一緒に振り返り、言語化していくこともあります。そうしたやりとりを繰り返して、先生ご自身で改善策を考えたり、経費面での調整をしたりという習慣をつけていただけることを、私は大切にしています。
また、生徒数が順調に増えた場合とそうでない場合など、地域や状況に応じて想定し、複数のシミュレーションを提示させていただいています。応募者の方の収入の目標に対して必要な生徒数や将来の見通しを明確にし、少しでも開設に向けた不安を解消していただけるように意識して取り組んでいます。また、開設後は、2年間を通じて教室基盤をかため、”先生ご自身が経営面を把握し、調整していける力”をつけられるようにサポートさせていただきたいと思っています。(三木)
3年目からの収支面のサポート内容
私は、開設から3年目以降の先生方を担当し、先生方お一人おひとりが、経営者として教室で指導・運営し、発展していけるようにサポートしています。収支面でのサポートでは、3年目以降も会計ソフトを活用。収支を”見える化”し、生徒数や収益目標、家賃・人件費・広告費などの妥当性を先生と一緒に確認し、安定した教室運営につなげます。もちろん、収支については、主に先生方からのご相談があった際のサポートになりますが、教室の強みや課題を整理し、改善の方向性を明確にしていくことが、私たちKUMONの担当スタッフの役割だと考えています。
たとえば人件費が高ければ、実際に教室へ伺い「教室スタッフの人数や勤務時間は適切か」「業務内容に改善の余地はあるか」など、先生と一緒に検討し、改善策を話し合うことも。また、生徒募集の反応が思うように得られない場合には、指導面やPR面など、要因を一緒に分析しながら、改善に向けて提案することもあります。
教室の収入は主に会費によって成り立っています。「どのくらいの生徒数を目指し、どのくらいの収益を残したいのか」という観点で先生と対話を重ね、状況に応じて軌道修正しながらサポートしています。先生との取り組みを通じて、教室の経営面の改善が見られたり、指導や運営の体制がよりよくなったりと、先生の心底の想いや願いを実現できる方向性に近づけることができたらと思っています。(濱本)
KUMONの担当スタッフが大切にしている想い
私は、一人でも多くの子どもたちにKUMONを届けたいという想いでサポートをしています。先生方もKUMONの理念に共感し、「子どもたちと関わりたい」「地域社会に貢献したい」と考えて指導者を志された方が多いと思います。その想いを叶えていくためにも、安心して教室を続けられる状態をつくることが大切だと感じています。先生ご自身が望む収益を実現するための収支サポートもその一つです。私が目指す状態は「一人でも多くの子どもたちがKUMONを学び、価値を実感して、自分が望む人生を歩んでいける」こと。そのためには、くもんの先生の存在が欠かせません。先生方が安心してやりがいを感じていただけるように、先生方との対話を大切にしています。(濱本)
私が大切にしているのは、先生ご自身の「自己実現」です。どうしても生徒さんや保護者の方のために奔走し、ご自身のことを後回しにしてしまう方も多いのですが、先生になろうと思った原点には「自分はこうなりたい」というビジョンがあるはず。その想いを忘れずに日々の活動が自己実現につながっていると感じていただけるよう、伴走したいと考えています。収支の話に関しては、ただ数字だけを追いかけてしまうと苦しくなることもあるので、先生とはワクワクできる夢や目標を共有しながら、生徒数や収益といった具体的な数値に落とし込みます。そうすることで、今何をすべきかを一緒に描き、前向きに取り組んでいけるのではないかと思います。私は、経営を「大変なこと」としてではなく、「自分の人生を豊かにする楽しみ」として感じていただきたいと思っています。(三木)