わたしの夢中が育っていく -KUMON STORIES-

パートナーとの協働を通して、社会課題解決への貢献を目指す 〈一般財団法人あしなが育英会との取り組み〉

あしなが育英会 ウガンダ共和国

KUMONは企業や財団、NGO、自治体など、多様なパートナーとの協働を通して、幅広い層に公文式を届け、社会課題の解決に貢献することを目指しています。KUMONグループのノウハウやリソースを、パートナーの様々な社会貢献の取り組みの場でご活用いただき、子どもたちから高齢者の方々まで、生涯を通して学ぶ喜びを届けたいと考えています。ここでは、あしなが育英会との、アフリカのウガンダ共和国での活動について、ライセンス事業推進部ソーシャルビジネス開発チーム、青山真知子リーダーと山本栞さんにお話を伺いました。

国内外の遺児など、子どもたちを支援するあしなが育英会の取り組みと、協働のきっかけ

あしなが育英会さんは、病気や災害などで親を亡くした子どもたちや、障がいなどで親が働けない家庭の子どもたちを、奨学金や教育支援、心のケアなどで支える一般財団法人です。小中学生を対象にした『ラーニングサポートプログラム(LSP)』という独自の学習支援を行うなかで、「教育格差を埋めるためには、小中学生の時期から基礎学力を積み上げる必要がある」と当時のLSPにおいて、学力向上への課題感を持っておられました。そこで、公文式学習に関心を寄せていただいたことが協働のきっかけです。

あしなが育英会さんでは、「すべての子どもに教育と成長の機会を届ける」という想いのもと、誰もが平等に夢を叶える機会を得られる世界の実現を目指されています。教育が持つ、人のなかにある可能性を引き出すことに価値を見出されているところが、KUMONの理念とも共通していると感じました。こうして、2022年から日本国内の遺児学習支援プログラムでの協働を経て、2023年にアフリカのウガンダでの教育支援が始まりました。(山本)

「あしながウガンダレインボーハウス」での支援活動について

当時、東アフリカに位置するウガンダ共和国は、エイズで親を亡くした子どもが世界でもっとも多い国のひとつでした。あしなが育英会さんは、日本で培われた心のケアの支援方法を、同じようにウガンダの遺児にも役立てられないかと、2001年より活動をスタートされ、2003年には首都カンパラの郊外にあるナンサナという町で『あしながウガンダレインボーハウス』を開かれました。
あしながウガンダレインボーハウス

『あしながウガンダレインボーハウス』では、小学生から高校生までの遺児に対する心のケアや、公立の小学校に通えない遺児を対象にした基礎教育支援の『テラコヤ』プログラムを行っています。子どもたちの「基礎学力」の維持・向上を図り、公立小学校への編入や、初等教育修了・中等教育への進学を後押しすることを目的とし、小1から小5までの約100名が通っています。

今回の協働は、『テラコヤ』の学習の一部に、タブレットを用いた公文式学習の導入を行うというものです。2023年より、小4、小5の約40名が授業の一貫として、週3日学習。2024年からは対象学年を拡大し、長期休暇のみ昨年『テラコヤ』を卒業した小6の子どもたちへも学習を提供し、子どもたちの学力とモチベーション維持・向上を目指しています。(山本)
あしながの海外留学研修生 指導運営体制確立

あしながの海外留学研修生が、指導運営体制を確立

現地では、あしなが育英会さんが日本から派遣する海外留学研修生の大学生2人が、指導運営体制を確立するサポートをしてくれました。留学期間は1年間。研修生帰国後は、現地の先生方のみで指導運営を行っています。

2023年の研修生2人に話を聞く機会があったのですが、現地での支援は、すべてが簡単にいったわけではありません。自分が実践して見せたり、現地の先生の気持ちを深掘りして聞いてみたり、研修生のこれまでの経験や現地の先生と築いてきた信頼関係をもとに、たくさん試行錯誤を繰り返してくれました。結果、想いも伝わり、先生方が自走、自立してくださるようになったのです。これは、2人が頑張ってくれた成果だと思いますし、研修生たちが「自身の成長にも繋がった」と話してくれたことに感動しました。
海外留学研修生が子どもたちの学習をサポート
▲海外留学研修生が子どもたちの学習をサポートしている様子

研修生は帰国後も、オンラインで学習の様子を見守ってくれたり、採点に携わってくれたりしています。そのうち1人は、日本国内の学習支援のサポーターとして関わってくれていて、そういった接点が続いていることも嬉しいです。(山本)

『あしながウガンダレインボーハウス』の先生方や子どもたちの声、学習の様子

ウガンダ共和国は2月から新年度が始まります。現地の先生だけでの運営になってからまだ半年頃の 月1回のオンラインミーティングで、「KUMON TIMEはしっかりとやれている。子どもたちは日々成長していて、すごい変化。今年度から新しく始めた子たちも、計算力、集中力がみるみる変わってきている」「子どもたちのほうから“KUMON TIMEいつ?”と聞いてくるくらい、やる気になっている!」など、子どもたちが自発的に学習に取り組む様子を共有いただきました。先生たちが自分たちの指導に対して、確かな自信を持ってくださっていることに感動しました。

▲現地とビデオ通話を繋いで、授業を見学

また、授業中の様子をオンラインで繋いで見学する機会を設けたのですが、子どもたちから「すらすらできることが楽しいから、算数が好きになった!」「夢があるから、これからも頑張りたい、ウガンダ共和国にKUMONを運んできてくれてありがとう!」など、直接コメントをもらいました。なかなか現地には行けないですが、オンラインで積極的に学習に取り組む子どもたちを見ることができたり、現地の先生たちと想いを共有できたりすることを嬉しく思っています。(山本)

私は、2023年の秋にウガンダへ行く機会がありました。ウガンダの学校の先生や政府関係の方、ウガンダの日本大使館の方、JICAの方と一緒に『テラコヤ』の様子を見学しました。あしながの海外留学研修生が、現地を知り、現地の教育をリスペクトしながら、公文式を使ってここまで力を発揮してくれたことを目の当たりにして感激しました。また、ウガンダの子どもたちにとって、学習のなかでタブレットを使うこと自体が貴重な機会なので、「自分たちは素晴らしい体験をしている」と、誇りを持って学習してくれていました。さらに『あしながウガンダレインボーハウス』の立ち上げに関わったあしなが育英会の職員さんが、「立ち上げ当初から長年にわたり試行錯誤してきたことが目の前でようやく実現している」と感動されていました。現地で感じた感動や達成感、そして、ウガンダの教育の一歩が少し動いたのかなと実感できたことが、心に残っています。(青山)
あしなが育英会 ウガンダ共和国 KUMON
▲2023年にあしながウガンダレインボーハウスへ訪れた青山リーダー

協働して、世界中の子どもたちの今、未来を変えていく

国内外で広く活動されているあしなが育英会。今回の協働により、あしなが育英会さんの活動の幅がより広がったり、活動が社会に認知されることで、共感者や応援者が増えていったらいいなと思っています。また、『あしながウガンダレインボーハウス』のOBであり、ナンサナで市長を務めるマトブさんも「KUMONはウガンダ共和国の課題である理数教育の突破口。ナンサナを日本とウガンダ共和国の架け橋にしたい」と、期待感を持ってくださっています。

また、あしなが育英会の担当者さまからは「子どもたちは計算力を身につけることに限らず、日常生活でも時間を守ることや学習環境を整理整頓することの大切さ、問題を解決する力や挑戦する姿勢、さらに自信が養われてきていることに感動しています。また、子どもたちの「KUMONのおかげで、私にとって算数はもう“できないもの”ではなくなりました」いう感想が、担当者としてはとても嬉しい内容でした。現地の先生たちにとっても、大きな学びとなっていることに感謝しています」というお声をいただいています。あしなが育英会さんに関わる子どもたちがよりよく生きていけることに繋がってほしいと考えています。(山本)
タブレット学習
あしなが育英会さんと私たちの想いはもちろん、支援している子どもたちの将来のイメージも重なっているんだと感じています。それぞれのできることとできない部分を組み合わせながら、あしなが育英会さんとだからこそできる協働をさせていただいていると思いますし、KUMONのメソッドをよりよく活用いただいていると実感しています。私たちだけでは気づかないような公文式のよさや、社会へ貢献できる可能性を、あしなが育英会の皆さんから教えていただいているなと思いながら取り組んでいます。どんな風に育っていってほしいか、どんな力をつけてほしいか、どんなマインドで大人になってほしいか、あしなが育英会さんと同じ絵を描きながら、これからも一緒に取り組んでいきたいと思います。(青山)

<KUMON担当者の想い>

あしなが育英会さんは「自分が与えていただき成長したことを、しっかりと次の世代や社会に返していく」ということを大切にされています。関わる職員さん、あしながの学生さん、支援をしてくれているサポーターの皆さんも、この素敵なマインドを持っていらっしゃるところを何より尊敬しています。私もお役に立てるように、学びながら頑張っていきたいなと思っています。(山本)