わたしの夢中が育っていく -KUMON STORIES-

パートナーとの協働を通して、社会課題解決への貢献を目指す
〈一般財団法人デロイト トーマツ ウェルビーイング財団との取り組み〉

KUMONは企業や財団、NGO、自治体など、多様なパートナーとの協働を通して、幅広い層に公文式を届け、社会課題の解決に貢献することを目指しています。KUMONグループのノウハウやリソースを、パートナーの様々な社会貢献の取り組みの場でご活用いただき、子どもたちから高齢者の方々まで、生涯を通して学ぶ喜びを届けたいと考えています。ここでは、デロイト トーマツ ウェルビーイング財団が展開する「子どもを未来につなげる奨学助成プログラム」への協力の一つである、こども食堂での取り組みについて、ライセンス事業推進部ソーシャルビジネス開発チーム、青山真知子リーダーと山本栞さんにお話を伺いました。

デロイト トーマツ ウェルビーイング財団の取り組みと、協働のきっかけ

デロイト トーマツ ウェルビーイング財団(以下DTWB)は、“Well-being社会の構築”に向けて、社会価値創出の取り組みを強化しようと、2021年4月に設立されました。これまで社会課題や地球環境に関する課題を対象とする助成事業を行うなど、様々な分野でのご活動のなかで、子どもが抱える課題によりアプローチできる助成事業の立ち上げを行いたいと考えられました。その際に、より子どもの教育を専門としている団体との連携先が必要となり、「子どもの教育と言えばKUMON」と、真っ先に名前を挙げていただいたようです。DTWBさんの「子どもの抱える課題解決に対する意欲」と、KUMONの「子ども教育のノウハウ」や「まだ教育が届いていない子どもたちへ教育を届けたい想い」が合致したことで、ぜひ一緒に活動したいとお声かけをいただいたことが協働のきっかけです。

現代の日本社会で子どもたちを取り巻く困難が複雑化しているなか、今や、学校や保護者の方々だけではその問題を支えきれないという現状があります。DTWBさんは、誰もがこの社会課題を自分ごととして捉え、組織や世代などの枠を超えて連携することの必要性を示されていました。これは協働する上で何より共感したことです。(山本)

こども食堂での食事支援と学習支援について

主な活動内容の一つとしては、こども食堂を運営している団体に、公文式学習導入をして「学ぶ」機能を追加することでした。経済的な理由など困難を抱える、こども食堂の子どもたちを対象に、「算数・数学、英語“で”学ぶ楽しさを感じるチャンスをつくる」プロジェクト。2023年度は、関東近郊の5つのこども食堂で、施設の運営状況に合わせながら、公文式を導入しました。(山本)

大きな目的は、DTWBさんの想いと、私たちKUMONの学習支援のノウハウを掛け合わせ、子どもたちの居場所や食を支える施設の方々、そして子どもたちの学習を支えていくこと。こども食堂の周りにある社会課題は、様々なことが複雑に絡み合っていることや、日々の食事がままならないなどの子どもたちのリアルな実情を、この協働を通して実感しました。一つの機関だけで支えて、すべての解決を目指すことは本当に大変なことだと思います。いろんな人の力を合わせて、みんなでサポートしていくことが大切だと感じています。(青山)


▲こども食堂で学ぶ子どもたちの学習を見学

こども食堂やNPO法人の方からの声、参加した子どもたちの様子

あるこども食堂に見学に行ったとき、小学5年生の生徒が「KUMONを始めて学校の算数が30点から70点になった!」と、誇らしげな顔で教えてくれました。また、ある中学生の生徒は、小学2年生から不登校が続いていたそうなのですが、公文式学習が始まってから、学習支援には休まず来て、さらに食事中も施設スタッフと話ができるようになったとお聞きしました。学習をきっかけに、自分自身への自信や期待感に繋がったり、大人との信頼関係が育まれたりすることを目の当たりにして、この子たちにKUMONを届けることができてよかったと感動しました。

さらに、今回の協働に関わる皆さまからも嬉しいお声をいただきました。

<こども食堂代表者の声>
このプロジェクトで「食×学び×遊び」の三つ巴で、子どもたちが人間的に生き生きと育ってきている。見守る大人も、個人別に対応できるKUMONのコンテンツがあることで関わりやすくなった。学習支援を軸に保護者同士が繋がり、居場所としての価値も高まっている。

<こども食堂をサポートするNPO法人『むすびえ』代表の声>
居場所とは、受け止められている、見守られていると、その子が感じるもの。その居場所の中にコンテンツがのる。居場所感満載のなかでKUMONのコンテンツの相性がいいなと思った。

子どもたちのよい変化だけではなく、このプロジェクトに関わってくださる方々を後押ししたり、居場所の価値が高まることにも繋がるプロジェクトだと実感しました。(山本)

それぞれの強みを生かし合う協働によって、新しい価値を創造する

DTWB代表理事の吉川さんから、「KUMONのノウハウが掛け合わさることで、この助成プログラムでは最大限の挑戦ができるイメージが膨らむ。DTWBでは“コレクティブインパクト”を掲げて活動していて、難しさも感じていたなか、KUMONとの活動は我々に光を与えてくれた」というお声をいただきました。

<DTWB担当者の声>
この協働を通じて、KUMONの皆さまの人としての温かさ、子どもたちの教育や成長に対する熱い想い、お仕事の丁寧さからいつも学ばせていただいています。少しずつ確実に子どもたちのWell-beingに貢献できていることを嬉しく思います。また、「他人(ヒト)を思うように変えることはできない」とよく言われますが、公文式学習の導入を通じて、公文様の指導方法、子どもたちのみならず指導者の方とも一人ひとりと丁寧に向き合われている姿勢が、ヒトを変える力に繋がっていると感じています。

<DTWB代表理事吉川さんの声>
公文様は、“意図的に”会社全体の風土として、また、人的に有されている社会貢献への意欲が圧倒的に高く、その意欲の高さは他の企業と比にならないと日頃の協働から感じています。弊財団と共に実施している助成プログラムを通じて、社会課題へのアプローチ方法を習得され、唯一無二の社会解決集団になろうとしているタイミングではないかと感じています。

2024年度は、対象のこども食堂が全国に広がりました。「学習支援・学力をつける」という枠組みを超えて、「団体の後押しや居場所の価値創出・子どもの生きる力を育む」というところで、DTWBさんやこども食堂の方々と互いに学び合い、ここでしか生み出せない価値を提供していきたいです。KUMON社内でも部署を超えて連携を図るなど、社内の知恵と力が集結することで、起こせる価値についても確かめていけたらと思っています。2025年度以降の未来を見据えて、DTWBさんとの協働の形をともに思考していく、そのプロセスを通じて、パートナーシップを一段階あげていきたいと考えています。(山本)


▲DTWBさん、こども食堂の方々、KUMONとのオンライン情報交換会

DTWBさんが大切にされている “コレクティブインパクト”は、異なるセクターが協働しながら新しい価値を生み出していこうということ。このプロジェクトを通して、私たちもそのことを実感させていただいています。それぞれの強みを生かし合っていくのも、協働の価値だと感じています。新しい価値を作り出していくと同時に、今、こども食堂で学ぶ子どもたちや、施設の方にどんな変化が起こっているのか、その価値を私たちが社会に発信していきたいですね。こうした事業を知っていただき、いろんな方に参画いただけたらいいなと思っています。(青山)

<KUMON担当者の想い>

DTWBさんはパートナー選定をする際、人と人との間に生まれる信頼や共感を重視されています。協働を通じて、活動を共にする相手への傾聴を常に大切にされる姿勢も素晴らしいなと感じておりますし、学ばせていただいています。

こども食堂の持つ居場所の安心感に、個人別教材と子どもの変化成長にこだわりきる公文式メソッドが掛け合わさることで、学力だけではない、子どもたちの将来に繋がる力の土台を作れたらと思っています。(山本)